働きたくない人が生きていくための3つの道筋
働きたくない人が取れる生き方は、大きく次の3つに分かれます。
- 完全に働かずに生きる
- 働く量や負担を減らして生きる
- 公的制度を使って生活を立て直す
働くか働かないかの二択で考えると、働き続けるつらさと働かない不安のどちらかを選ぶことになり、行き詰まりやすくなります。
働く量を減らす、一時的に休むといった中間の選択肢があり、多くの人にとってはこちらが現実的といえるでしょう。
どの道筋が合うかは、貯蓄や家族の支えがあるか、心身にどれだけ余力が残っているか、働きたくない気持ちがどの程度強いかで変わります。
資金や支えがあれば1つ目、働きたくない理由が仕事内容や職場環境にあれば2つ目、心身や生活費が限界に近ければ3つ目から考えるのが一般的です。
完全に働かずに生きる6つの方法
雇われて働かずに生活する方法は、次の6つが代表的です。
いずれも、資金・家族・住む場所といった前提条件がそろって初めて成り立ちます。
今すぐ始められるものは少なく、準備期間や条件を満たすまでの時間が必要になる点は共通です。以下では、それぞれの方法がどんな人に向いているかを見ていきましょう。
①不労所得で暮らす
不労所得とは、保有する資産や自分が作ったものから、労働とは別に継続的に入る収入を指します。代表的な種類は以下のとおりです。
- 株式の配当金
- 不動産の家賃収入
- 書籍や楽曲などの印税
- 動画やブログなどの広告収入
まとまった資金を持ち投資の勉強を続けられる人、あるいは文章や動画の制作を苦にしない人に向いています。
不労所得は、配当なら元手となる資産を、広告収入なら収益を生むコンテンツを、先に自分で用意する必要があります。
仕組みができるまでは収入がないため、その期間は働きながら準備を進めるのが一般的です。
②貯金・FIREで暮らす
FIREは、生涯分の生活費を賄える資産を早めに築き、定年を待たずに退職する生き方です。貯めた資産を取り崩したり、運用益で生活したりします。
到達するまでは高い収入を得ながら、その大半を貯蓄や投資に回し続ける必要があります。生活費を切り詰めた期間が長く続くため、支出を抑えることに抵抗がない人に向いているといえるでしょう。
働きたくない気持ちが強い人ほど、収入を上げるための転職や長時間労働を避けたくなり、貯まるまでの期間が延びやすい傾向があります。
数年で実現する方法というより、10年単位の計画として考えるのが現実的でしょう。
③家族・配偶者の収入で暮らす
実家で親と同居する、配偶者の収入で生活して専業主婦(主夫)になるなど、家族の収入に頼る方法です。家賃や食費といった生活費が大きく下がるため、6つの方法のなかでは最も早く実現できます。
一方で、支えている家族の病気や収入減、関係の悪化によって続けられなくなるリスクが伴います。養ってもらっている立場に肩身の狭さを感じ、精神的な負担が増える人も一定数いるようです。
一時的な選択肢として使い、その間に次の生き方を考えるのが一般的といえるでしょう。
④公的制度に頼る
失業保険や生活保護など、国や自治体の制度で生活費を得る方法です。
公的制度は、病気やけが、失業などで働けない事情がある人を支えることを目的としています。働ける状態の人が働きたくないという理由だけで受給するのは難しい傾向です。
受給できる期間や金額も制度ごとに決まっているため、長期間働かずに暮らす方法というより、生活を立て直す期間を確保する方法だと考えておくとよいでしょう。
⑤自給自足で暮らす
田畑で食料を育てる、山や海で食材を得る、住まいを自分で手入れするなどして、現金での支出を減らす暮らし方です。地方の空き家や農地を活用する人もいます。
自給自足でも、次のような現金での支払いは残ります。
- 光熱費・通信費
- 国民健康保険料・国民年金保険料
- 住民税・固定資産税などの税金
そのため、ある程度の貯蓄か、少額でも現金収入を得る仕事を続ける必要があるのが一般的です。
また、作物や家屋の管理、薪の確保など、体を動かす作業は毎日続きます。雇われずに済む一方で、自分の生活を維持するための労働は続く暮らし方だといえるでしょう。
⑥物価の安い海外に移住する
東南アジアなど生活費の安い国に住み、日本より少ない収入で暮らす方法です。家賃や食費が日本の数分の一になる地域もあり、少額の収入や貯蓄で生活できる場合があります。
移住には、渡航費や住居の初期費用に加え、滞在するためのビザが必要になります。長期滞在ビザには一定の収入や預金残高を条件とする国が多く、無収入での移住は難しい傾向です。
体調を崩したときや金銭トラブルに遭ったときに頼れる相手が少なくなる点もリスクといえます。現地で在宅の仕事を続けるなど、最低限の収入は確保したうえで移住する人が多いようです。
完全に働かずに生きるのが難しい4つの理由
健康で、まとまった資産がない状態から一切働かずに生きるのは、多くの人にとって現実的とはいえません。
難しさは、お金・社会的信用・精神面の3つに分かれ、どれか1つを解決しても残りの問題が続きます。
具体的な理由は次の4つです。
難しさを知ったうえで働く量を減らす選択肢に目を向けると、無理のない生き方を見つけやすくなります。
①生涯の生活費を賄う資金が必要になる
働かない年数分の生活費を、先に用意する必要があります。
総務省の家計調査によると、2025年の単身世帯の消費支出は1か月平均で約17万3,000円でした。年間では約208万円になります。
この金額を基準にすると、働かない期間ごとに必要な貯金の目安は次のとおりです。
働かない期間 | 必要な貯金の目安 |
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10年 | 約2,080万円 |
|---|
20年 | 約4,150万円 |
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30年 | 約6,230万円 |
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35年(30歳から65歳まで) | 約7,270万円 |
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上記は平均的な支出をもとにした目安で、家賃の高い地域に住む場合や医療費がかさむ場合は増えます。
さらに、会社員として働かない期間は厚生年金に加入しないため、老後に受け取る年金も少なくなるでしょう。
物価が上がれば同じ金額で買えるものも減るため、試算より多めに見込んでおくのが安全です。
参考:総務省統計局 家計調査報告(家計収支編)2025年平均結果の概要
②不労所得は構築に時間と元手がかかる
不労所得は、先に投じた資金や労力が、後になって収入として戻ってくるものです。働かずに得られる収入というより、準備の成果といえるでしょう。
株式の配当で月5万円程度を得る場合、配当利回りを年3〜4%とすると、1,500万〜2,000万円ほどの元手が必要になる計算です。
不動産投資では物件の購入費用に加え、修繕や入居者対応の手間もかかります。
さらに、投資先の業績悪化で配当が減る、空室が続いて家賃が入らないなど、収入がゼロになる可能性があります。
元手を貯める期間も含めると、不労所得だけで生活できるまでには年単位の時間がかかるのが一般的です。
③社会的信用が下がり再就職も難しくなる
無職の期間が長くなると、生活面とキャリア面の両方で不利になります。生活面では、次のような審査で収入がないことを理由に断られることがあります。
- 賃貸物件の入居審査
- クレジットカードの作成
- 住宅ローンや自動車ローンの審査
預貯金が数千万円あっても、安定した収入がない点を審査で重く見られる傾向です。
キャリア面では、ブランクが長いほど採用側の懸念が大きくなります。
業務の勘が鈍っているのでは、入社してもすぐ辞めるのではと見られやすく、以前と同じ年収や条件で復職するのは難しくなるのが実情です。
④孤独や将来不安などストレスが大きい
働かない生活には、働くこととは別の種類のストレスがあります。
仕事を辞めると、人と話す機会や社会とのつながりが減ります。最初は解放感があっても、数か月たつと孤独感や、生活に張りがない感覚が強まる人が多いようです。
また、収入がない状態で貯蓄が減っていくのを見ると、将来への不安が大きくなります。
時間が余ることで、何のために毎日を過ごしているのかわからなくなり、スマートフォンやゲームに時間を費やして自己嫌悪に陥る人も見られるようです。
こうしたストレスに耐えられる人は限られるため、働かない生活を長く続けられるのは少数派といえるでしょう。
「働きたくない」と感じる理由は5つのタイプに分けられる
働きたくない理由は人によって異なり、次の5つのタイプに分けられます。
理由がはっきりすると、完全に働かない以外の解決策が見えてきます。たとえば人間関係が原因なら、在宅の仕事に変えるだけで働きたくない気持ちが和らぐケースも多いでしょう。
タイプごとに合う対処は異なります。①②④は働き方の変更や生活費の見直しから、③⑤は休養と公的制度の利用から取り組むのが一般的です。自分がどのタイプに近いかを確認してみてください。
①働くこと自体が嫌
仕事の内容や職場にかかわらず、働くという行為そのものに価値を感じられないタイプです。
朝決まった時間に起き、1日の大半を他人のために使うことに意味を見いだせず、できるなら一生働きたくないと考えます。
このタイプは、仕事はつらいものという前提を持っている傾向があります。
嫌なことを我慢する時間が長いほど働きたくない気持ちが強まるため、働く時間を減らす、あるいは苦にならない作業を仕事にする方向が合います。
一人で黙々と進められる作業や、趣味の延長で続けられる作業を仕事にすると、働いている感覚が薄れやすい傾向です。
②職場の人間関係や環境がつらい
仕事の内容よりも、上司や同僚との関係、満員電車での通勤、やりたくない業務を指示されることなど、職場の環境が原因で働きたくなくなるタイプです。
このタイプは、環境を変えると働きたくない気持ちが解消しやすいのが特徴です。
人と関わる機会の少ない職種や在宅勤務に変える、通勤時間の短い職場を選ぶといった対処で改善が見込めます。5つのタイプのなかでは最も改善の余地が大きいといえるでしょう。
③心身が疲れ切っている
長時間労働や強いプレッシャーが続き、働く気力そのものが残っていないタイプです。次のような状態が続いている場合は、このタイプの可能性があります。
- 朝起きられない
- 休日も何もする気が起きない
- 理由もなく涙が出る
この状態では、今後の生き方を決める前に休養が最優先になります。疲れた状態で考えると判断が悲観的に偏りやすく、辞めるかどうかの判断も後悔につながりやすいためです。
睡眠や食事が乱れている、仕事のことを考えると体調が悪くなるといった症状があれば、心身が限界に近いサインとして受け止め、心療内科や精神科、自治体の相談窓口を早めに利用してください。
④働いても生活が楽にならない
フルタイムで働いているのに収入が生活費でほぼ消え、何のために働いているのかわからなくなるタイプです。
労働時間に見合う報酬や達成感が得られない状態が続くと、働く意味を見失いやすくなります。
このタイプには、収支の構造を変える対処が合います。生活費を下げて必要な収入を減らす、時給の高い仕事や短期集中で稼げる仕事に変えて労働時間あたりの報酬を上げる、といった方向です。
働く時間を減らしても生活が成り立つ形を作ると、働く意味を考え直す余裕が生まれます。
⑤お金がないが働きたくない
貯蓄がなく生活費に困っている一方で、働く気力や余裕も残っていないタイプです。家賃や光熱費の支払いが迫り、焦りと働きたくなさの間で動けなくなっている状態が当てはまります。
このタイプは、まず公的制度で当面の生活を確保することが先決です。
生活が不安定なまま仕事を探すと、条件を十分に確認できないまま就職し、再び働きたくない状態に戻りやすくなります。
失業保険や生活困窮者向けの相談窓口を利用して住まいと食事を確保し、落ち着いてから働き方を考える順序が現実的です。
働くストレスをゆるめる6つの働き方
完全に働かなくても、働き方を変えることで働きたくない気持ちが和らぐことがあります。代表的な選択肢は次の6つです。
いずれもフルタイムの正社員と比べると、次の点で条件が変わります。
- 月々の収入と賞与の有無
- 退職金や住宅手当などの福利厚生
- 健康保険・厚生年金への加入の可否
非正規や個人で働く場合は、健康保険や年金を自分で手続きし保険料を納める必要があり、手取りが想定より少なくなるケースもよくあるでしょう。
働く量を減らす分、生活費の見直しとあわせて考えることで、無理のない形になります。
①在宅・リモートワークで通勤と人間関係を減らす
在宅勤務に切り替えると、通勤の時間と疲れがなくなり、人と顔を合わせる機会も会議などに限られます。人間関係や満員電車が原因で働きたくない人には、効果が出やすい対処です。
在宅勤務ができる職種には、次のような傾向があります。
- 事務、データ入力、経理などパソコンで完結する仕事
- プログラミング、Webデザイン、ライティングなど成果物で評価される仕事
- カスタマーサポートなどチャットやメール中心の仕事
求人を探す際は、求人サイトで在宅・リモート・フルリモートといった条件を指定すると絞り込めます。
出社と在宅を組み合わせる求人も多いため、週に何日在宅できるかは応募前に確認しておくとよいでしょう。
関連記事:人と関わらないおすすめの仕事13選!未経験から転職する3ステップも紹介
②週2〜3日の短時間勤務・非正規で労働時間を減らす
アルバイト・パート・派遣・契約社員など、フルタイム以外の雇用形態で労働時間を絞る方法です。週2〜3日や1日5〜6時間の勤務にすると、休息や趣味の時間を確保しやすくなります。
非正規雇用は残業が少なく、責任の範囲も限られる傾向です。正社員にかかるノルマやプレッシャーから距離を置けるため、働くこと自体のストレスが減る人もいます。
一方で、収入は労働時間に比例して下がり、賞与や退職金のない職場が大半です。月の生活費を抑えないと成り立たないため、生活費の削減とセットで検討する働き方といえるでしょう。
③単発・短期の高報酬バイトで必要な分だけ働く
短期間に集中して稼ぐ働き方で、代表的なものは次の3つです。
長期間働き続けるのは苦手でも、期間が決まっていれば頑張れる人に向いています。
期間工は製造業の工場で数か月単位の契約で働く形で、寮や食堂が用意されている企業が多く、家賃と食費を抑えながら貯蓄できます。
リゾートバイトも住み込みが基本で、生活費がかかりにくい点は同様です。治験は医薬品の臨床試験に参加して協力費を受け取るもので、入院を伴うものは1日あたりの金額が高い傾向にあります。
期間工は夜勤や立ち仕事で体力の消耗が大きく、治験は体への影響を事前に完全には予測できません。報酬の高さだけで選ばず、体調や体力と相談して決める必要があります。
④フリーランスで仕事と相手を選ぶ
会社に所属せず、個人で仕事を受ける働き方です。代表的なスキルには次のようなものがあります。
- Webライティング
- 動画編集
- Webデザイン
- プログラミング
上司から指示されるのが嫌な人や、会社という組織に所属すること自体がつらい人に向いています。
フリーランスは、受ける仕事と取引相手を自分で選べます。
合わない相手との仕事を断る、繁忙期と閑散期を自分で決めるといった調整ができるため、働く量をコントロールしやすい点がメリットです。
その反面、収入は月ごとに変動し、案件を獲得する営業や請求書の作成、確定申告も自分で行います。
安定して稼げるまでには時間がかかるため、会社員のうちに副業として始め、収入の見通しが立ってから独立する人が多いのが実情です。
⑤休職して心身を回復させる
今の会社を辞めずに、数か月から半年程度のまとまった休みを取る方法です。
心身が限界に近い人には、数日の有給休暇より休職のほうが向いています。有給では疲れが取れないまま復帰することになり、同じ状態を繰り返しやすいためです。
休職制度の有無や取得できる期間は、会社ごとに就業規則で決まっています。
医師の診断書が必要になるのが一般的で、休職中は無給とする会社が多い傾向です。健康保険に加入していれば傷病手当金を申請でき、給与の一部に相当する額を受け取れます。
復職後の配属や評価への影響は会社によって異なるため、休職前に人事や上司と確認しておくと安心です。
⑥転職・異動で環境をまるごと変える
仕事内容や人間関係が原因で働きたくない場合は、職場を変えることで悩みが解消するケースも多いでしょう。
退職せずに部署異動を申し出る方法と、転職で会社ごと変える方法があります。
異動は、今の会社の給与や勤続年数を保ちながら業務内容や人間関係を変えられる点がメリットです。社内公募や自己申告の制度がある会社では、希望を出しやすいでしょう。
転職する場合は、働きたくない理由をはっきりさせてから職場を選ぶことが重要です。
理由があいまいなまま転職すると、新しい職場でも同じ問題に直面し、再び働きたくない状態に戻りやすくなります。
人と関わりたくないなら人との接点が少ない職種を、時間の自由が欲しいならフレックスや在宅勤務のある会社を選ぶなど、理由と条件を対応させて探すと失敗が減るでしょう。
生活費を下げて働く時間を減らす3つの方法
必要な生活費が下がれば、その分だけ働く時間を減らせます。
収入を増やすには転職や昇進など自分で決められない要因が関わりますが、支出を減らすのは自分の判断だけで進められるため、確実に労働時間を減らせる方法です。
見直す順番は、固定費からが効率的です。家賃や通信費のように毎月自動で出ていく費用は、一度見直せば努力なしで効果が続きます。具体的な方法は次の3つです。
①家賃の安い家・地域に引っ越す
生活費のなかで最も金額が大きく、削減効果が高いのが住居費です。家賃を3万円下げられれば年間で36万円になり、時給1,200円の仕事に換算すると300時間分の労働を減らせる計算になります。
家賃を下げる方法には次のようなものがあります。
- 駅から離れた物件や築年数の古い物件に引っ越す
- シェアハウスで家賃と光熱費を分担する
- 家賃相場の低い地方に移住する
引っ越しには初期費用がかかるため、今の家賃との差額で何か月で回収できるかを計算してから決めるとよいでしょう。
地方移住は家賃だけでなく食費や駐車場代も下がりやすい一方、車が必要になる地域では維持費が増える点に注意が必要です。
②通信費・サブスク・保険などの固定費を見直す
毎月決まった額が引き落とされる固定費は、一度見直すだけで効果が続きます。代表的な見直し先は次のとおりです。
- スマートフォンを大手キャリアから格安SIMに変える
- 使っていない動画・音楽などのサブスクリプションを解約する
- 保障内容が重複している保険や、必要性の低い保険を見直す
- 自宅の光回線とスマートフォンの回線を一本化する
通信費は格安SIMへの変更で月数千円下がるケースが多く、年間では数万円の差になります。
サブスクは一つひとつは少額でも、複数契約していると合計で月1万円を超えていることもよくある話です。
クレジットカードや銀行口座の明細を1年分見返すと、忘れている契約を見つけやすくなります。
③自炊と持ち物の削減で変動費を抑える
食費や日用品費、娯楽費は、生活習慣を見直すことで抑えられる変動費です。日々の支出を減らす具体的な行動として、次の3点が挙げられます。
- 自炊を取り入れる
外食やコンビニ食に比べて1食あたりの費用を抑えられます。まとめて作り置きをすれば調理の手間が省け、栄養バランスの管理にも効果的です。 - 持ち物を減らす
収納や管理にかかる手間と費用を削減できます。荷物が少なければコンパクトな部屋で生活できるため、家賃を抑えるうえでも有効です。 - 購入前に必要性を考える
本当に必要かを見極める習慣が身につけば、衝動的な出費を無理なく防げます。
生活費の下限が下がるほど必要な収入も減るため、働く時間を減らしても暮らせる状態に近づきます。
働けないときに頼れる4つの公的制度
心身の不調や資金の不足で働けない期間を支える公的制度には、次の4つがあります。
制度ごとに、対象になる状況と使える時期、受けられる期間は次のように異なります。
制度 | 対象になる状況 | 使える時期 | 受けられる期間 |
|---|
失業保険 | 退職して求職中 | 退職後 | 90〜360日 |
|---|
傷病手当金 | 病気やけがで働けない | 在職中・休職中 | 通算1年6か月まで |
|---|
生活困窮者自立支援制度 | 収入が減り生活や住まいに困っている | 在職・離職を問わない | 支援内容により異なる |
|---|
生活保護 | 資産や能力を活用しても最低生活費に届かない | 在職・離職を問わない | 自立できるまで |
|---|
自分の状況に合うものを選ぶことが大切です。
いずれも、働かずに暮らし続けるための制度というより、休養して生活を立て直す期間を確保するための制度です。
期間中に心身を回復させ、次の働き方を考える時間として使うと効果的でしょう。
①失業保険(雇用保険の基本手当)
会社を退職した人が、再就職するまでの一定期間、給付を受けられる制度です。正式には雇用保険の基本手当といい、ハローワークで手続きします。主な受給条件は次のとおりです。
- 退職日以前の2年間に、雇用保険の被保険者期間が通算12か月以上あること(倒産・解雇などの場合は1年間に6か月以上)
- 働く意思と能力があり、ハローワークで求職の申し込みをしていること
受け取れる日数は、年齢・被保険者期間・退職理由によって90日から360日の間で決まります。
自己都合退職の場合は、手続き後に待期期間と給付制限期間があり、給付が始まるまでに時間がかかる点に注意が必要です。
1日あたりの給付額は退職前の賃金をもとに計算され、賃金が低い人ほど給付率が高くなります。
参考:ハローワークインターネットサービス 基本手当について
②傷病手当金
病気やけがで働けないときに、健康保険から給与の一部に相当する額が支給される制度です。うつ病や適応障害などのメンタル不調も対象になります。
会社の健康保険に加入している人が在職中に使える制度で、休職と組み合わせて使うのが一般的といえます。主な条件は次のとおりです。
- 業務外の病気やけがで療養中であること
- 医師が働けない状態と認めていること
- 連続3日間休んだあと、4日目以降にも休んだ日があること
- 会社から給与が支払われていないこと
支給額は1日あたり、直近12か月の標準報酬月額の平均を30で割った額の3分の2です。支給期間は、支給開始日から通算して1年6か月が上限になります。
申請には、本人の記入に加えて会社の証明と医師の意見が必要です。
参考:全国健康保険協会 傷病手当金について
③生活困窮者自立支援制度
生活に困っている人が、生活保護を受ける前に相談できる制度です。各自治体に自立相談支援機関という窓口があり、支援員が本人の状況に応じた支援計画を作ってくれます。
主な支援は次のとおりです。
- 住居確保給付金:離職などで住まいを失うおそれがある人に、家賃相当額を一定期間支給する
- 就労準備支援事業:すぐに一般の就労が難しい人に、生活習慣や社会参加の訓練を行う
- 家計改善支援事業:家計の状況を一緒に把握し、立て直しを支援する
- 居住支援事業:住む場所を失った人に、一定期間の宿泊場所や食事を提供する
働きたくても働けない、住む場所がないといった状況で利用でき、相談は無料です。
生活保護の対象になるほどではないものの生活が苦しい人が、早めに相談できる窓口として位置づけられています。
参考:厚生労働省 生活困窮者自立支援制度の体系
④生活保護
資産や能力などを活用してもなお生活に困る人に、最低限度の生活を保障する制度です。受給には次の条件をすべて満たす必要があります。
- 預貯金や不動産などの資産を生活のために活用していること
- 働ける人は、その能力に応じて働いていること
- 年金や手当など、他の制度で受けられる給付を先に活用していること
- 親族からの援助を受けられる場合は、援助を受けていること
これらを活用しても世帯の収入が国の定める最低生活費に届かない場合に、不足分が支給されます。
働ける状態で働きたくないだけでは能力の活用という条件を満たさないため、対象になりにくいのが実情です。
生活保護には、生活の保障に加えて自立を助けるという目的があります。
担当のケースワーカーによる就労に向けた指導が行われるため、生活を立て直して自立に向かうことを前提とした制度だと考えておくべきでしょう。
参考:厚生労働省 生活保護制度
まとめ
完全に働かずに生きるには、生涯分の生活費か、それを生む仕組みを先に用意する必要があり、多くの人にとって実現までの道のりは長いのが実情です。
一方で、働きたくない理由に合わせて働き方を変え、生活費を下げ、必要に応じて公的制度を使えば、働く負担を大きく減らした状態で生活を続けられます。
本記事で紹介した選択肢は、次の3つに分かれます。
- 働かない:不労所得・貯金・家族の支え・自給自足・海外移住
- 減らす:在宅勤務・短時間勤務・短期バイト・フリーランス・休職・転職、生活費の削減
- 立て直す:失業保険・傷病手当金・生活困窮者自立支援制度・生活保護
まずは自分の働きたくない理由がどのタイプに近いかを確認し、合う選択肢を1つ試してみてください。
もし心身が限界を迎えている状態であれば、無理をして働き続けず、支援制度を頼って休むことも選択肢となります。
現状の働き方への不安を解消し、自分に合った環境を見つけるためにも、転職支援サービスを利用してみましょう。
将来の方向性に悩んでいる方や、これまでの経験を活かして働きやすい職場へ移りたい方は、内定まで手厚くサポートするプレックスジョブへぜひご相談ください。