施工管理の給料が高い5つの理由
施工管理の給料が高い理由は、以下の5つがあります。
- 人手不足で需要が高い:建築施工管理技術者8.56倍、土木施工管理技術者16.3倍の有効求人倍率
- 専門性・マネジメント能力が必要:技術・法令・工程・安全・原価・折衝など幅広い知識と能力が必要
- 資格・役職・現場手当がある:1級施工管理技士は月1万〜3万円の資格手当などがある
- 残業・休日出勤手当が加算される:建設業の年間労働時間は1,943時間で、全産業平均1,714時間を上回る
- 工事全体を管理する責任が重い;:千万円〜数十億円規模の工事で、工期・品質・安全・原価を管理
施工管理の人手不足で需要が高いから
施工管理の給料が高い主な要因の一つは、業界全体が人手不足だからです。
現在、高度経済成長期に整備された道路や上下水道などのインフラ設備の老朽化が進んだ影響によって、今後も維持・更新工事など一定の建設需要が見込まれています。一方で、団塊世代の引退や若手入職者が減少している影響で、現在でも若手の割合が低く、将来の担い手確保が課題となっています。
実際に厚生労働省のデータによると、建築施工管理技術者は有効求人倍率8.56倍、土木施工管理技術者は16.3倍に達しており、全職種平均(1.25倍)を大きく上回る売り手市場となっています。また施工管理を含む建設業の技能者は60歳以上が約4分の1を占める一方で、29歳以下は約12%で深刻な若手不足です。
上記のとおり、工事需要が多い一方、施工管理を担当できる人材の供給が少なくなっている状態のため、企業は人材確保のため給与水準を引き上げざるを得ない状況にあるのです。
参照:
国土交通省・厚生労働省の令和8年度予算案の概要
建築施工管理技術者|job tag
土木施工管理技術者|job tag
高い専門性・マネジメント能力を求められるから
施工管理の給料が高い理由は、担当工事に対する高い専門性や、多くの関係者を動かすマネジメント能力を求められるからです。具体的には、建築や土木の技術知識に加えて、建設業法や労働安全衛生法などの法規知識、資材発注や工程調整、協力会社との折衝力まで幅広いスキル・能力が求められます。
さらに現場責任者として、現場作業員の安全管理や法令遵守の徹底が求められますし、施主からは予算内かつ工期内で完工するプレッシャーもあります。
また施工管理技士は、単に難易度の高い資格というだけではなく、企業が工事を受注・施工するうえでも価値の高い資格です。工事内容や請負金額などの要件に応じて主任技術者・監理技術者の配置が必要になるため、一定の実務経験や資格を持つ人材を確保できるかどうかが、企業の施工体制や受注できる工事に影響します。
そのため、施工管理技士の有資格者は企業にとって採用価値が高く、資格手当・役職・基本給などで評価されやすくなります。無資格・未経験でも施工管理として働くことはできますが、資格を取得することで担当できる業務や役職の幅が広がり、給料も上がりやすくなるのです。
関連記事:施工管理技士試験の難易度ランキング
施工管理は資格手当や役職・現場手当があるから
施工管理は資格手当や役職手当、現場手当をもらえる現場が多い点も、給料が高くなりやすい理由です。
施工管理技士の資格を持つ社員は監理技術者や主任技術者として現場に配置でき、企業の受注できる工事規模に直結するため、手当を支給している建設企業も多いです。手当の相場目安は、以下のとおりです。
手当 | 手当の相場(月額) |
|---|
1級施工管理技士 | 1万円~3万円 |
|---|
2級施工管理技士 | 5,000円~15,000円 |
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責任者手当(所長等) | 役職ごとに加算 |
|---|
現場手当 | 現場ごとに加算 |
|---|
※当社が保有する求人・企業情報をもとに算出
監理技術者であれば、責任者手当として月5万円〜7万円が支給されたり、現場手当で月1万円〜3万円が支給されたりする会社もあります。手当が積み重なると、数十万円以上の年収アップにもつながります。
このように施工管理は、資格手当や責任者手当が豊富のため、給料が高くなりやすくなっているのです。
関連記事:施工管理の資格手当一覧表
残業代や休日出勤手当が給料に加算されるから
施工管理の給料が高くなりやすい理由として、残業代や休日出勤手当が出やすいということもあります。
なぜなら建設現場では、工程の遅れや天候、職人・資材の手配などの影響で、書類作成や翌日の段取りが通常勤務後に残りやすく、残業時間が長くなりやすいからです。さらに工期直前になると、現場の遅れをリカバリーするために、休日にも現場に出勤することが常態化している会社もあります。
実際に毎月勤労統計調査によると、施工管理の所属する建設業界の年間労働時間の平均は1,943時間と、全産業の平均である1,714時間を大きく上回っています。
参照:毎月勤労統計調査|厚生労働省
ただし建設業にも2024年4月から時間外労働の上限規制が適用され、原則として月45時間・年360時間、特別条項を設ける場合にも上限が定められています。そのため2024年以前と比べると、長時間労働や休日出勤だけで年収を伸ばす働き方は難しくなっている点には、注意が必要です。
施工管理は工事全体を管理する責任が重いから
施工管理は工事全体を管理する責任があることも、給料が高くなりやすい理由の一つです。
施工管理は、自分の判断次第で、工期や品質だけではなく、現場で働く人の安全にも影響する仕事です。工事によっては、数千万円から数十億円のプロジェクト管理をすることになりますし、協力会社を含めて数十人から数百人のマネジメントが必要になることもあります。さらに工事現場に対する結果責任を負う立場であり、工期遅延や施工不良は、会社の損失(損害賠償等)や発注者との信頼低下につながります。
上記のとおり、施工管理は工事全体を管理する責任の重い仕事です。
ここまで紹介した工事に関する専門性・マネジメント能力や人手不足、資格手当・責任者手当がもらえるなど、さまざまな要因がある結果、施工管理の給料は高くなりやすくなっているのです。
施工管理で給料が高い人・給料が安い人の違い
同じ施工管理でも、資格・経験年数・担当する現場の規模・役職・会社規模・元請けか下請けかなどで、給料は大きく変わります。とくに年収差につながりやすいポイントは、以下のとおりです。
自分の給料が安いと感じている方は、現在の保有資格・経験・役割・勤務先などを見直して、何が原因で年収が伸びていないのかを適切に把握して、改善することが重要になります。
そこでここでは、同じ施工管理でも給料が高くなりやすい人と安くなりやすい人の特徴を解説します。
比較項目 | 給料が高くなりやすい人 | 給料が低くなりやすい人 |
|---|
保有資格 | 1級施工管理技士など | 無資格 |
|---|
現場規模 | 大規模・高難度案件 | 小規模案件中心 |
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立場・役職 | 元請け・現場代理人・所長 | 下請け側・担当者 |
|---|
勤務先 | 給与水準の高い企業 | 給与水準が低い企業 |
|---|
施工管理で給料が高い人の特徴
施工管理で給料が高い人の特徴は、以下のとおりです。
- 1級施工管理技士などの資格を保有している
- 大規模案件で現場代理人・所長の経験がある
- 元請け企業で、工事全体を管理している
- 給与水準の高い企業に所属している
施工管理で給料が高い人は、1級施工管理技士などの資格を持ち、大規模な工事を任され、現場代理人や所長など責任の大きい役割を担っているという共通点があります。さらに大手ゼネコンをはじめとした、給与水準の高い企業に所属しているかどうかも、施工管理の給料を左右する大きな要素となります。
なお施工管理は、経験年数を重ねるだけで自動的に給料が上がる仕事ではありません。同じ経験年数でも小規模現場の一担当者と大規模工事で現場代理人や所長を経験した人では、年収に差がつきやすいです。
そのため施工管理として高収入を目指すなら、経験年数を重ねるのではなく、施工管理技士を取得して、より規模の大きな現場や責任あるポジションを経験することが重要です。
施工管理で給料が安い人の特徴
施工管理で給料の安い人の特徴は、以下のとおりです。
- 施工管理技士資格を保有していない
- 協力会社(下請け側)に所属している
- 小規模プロジェクトしか経験していない
- 会社の給与水準が低い
施工管理で給料が安くなりやすい人の特徴には、施工管理技士の資格を保有していないことや、大規模なプロジェクトの現場経験がないこと、勤務先の給与水準が低いことなどが挙げられます。また二次請け・三次請けなどの協力会社に所属していると、元請け企業と比べて給与水準が低いことも多くあります。
そのため施工管理の給料に不満を感じている方は、施工管理技士を取得して、大規模プロジェクトの現場代理人を担当できるようになったり、給与水準の高い会社に転職したりすることをおすすめします。
施工管理の給料を上げる5つの方法
施工管理が給料を上げるには、保有資格・担当する工事規模・役職・勤務先を見直すことが重要です。主な方法は、以下の5つです。
- 大規模なプロジェクトの実務経験を積む
- 担当工種の施工管理技士資格を取得する
- 現場代理人・所長などの役職を目指す
- 平均年収の高いゼネコンなどに転職する
- 経験・スキルを評価してくれる企業に転職する
大規模なプロジェクトの実務経験を積む
施工管理は、担当した工事の規模や難易度、現場で担った役割、マネジメント経験などが評価されます。数十億円規模のマンション・商業施設などで現場代理人や所長を経験すると、より多くの協力会社や複雑な工程を管理した実績として評価されやすくなります。
とくに給与水準の高いゼネコンなどへの転職では、経験年数だけでなく、これまで担当した案件の規模や役割を確認されることがあります。そのため高収入を目指すなら、経験年数を重ねるだけではなく、より規模・難易度の高い工事を経験できる環境を選び、担当できる範囲を広げることが重要です。
担当工種の施工管理技士資格を取得する
施工管理技士を取得すると、主任技術者・監理技術者などを目指せるほか、担当できる工事の幅が広がります。企業側にとっても、有資格者を確保することは施工体制や受注できる工事に関わるため、資格者は評価されやすいです。
また当社が保有する求人・企業情報では、1級施工管理技士の資格手当は月1万円〜3万円、2級施工管理技士は月5,000円〜1万5,000円が目安です。資格取得は手当だけでなく、役職登用やより規模の大きい工事を任されるきっかけにもなるため、中長期的な年収アップにつながります。
現場代理人・所長などの役職を目指す
現場代理人・所長になると、工程・安全管理だけでなく、予算・原価管理や協力会社との調整、若手のマネジメントなど、工事全体に対する責任が大きくなります。そのため責任者手当や役職手当が付くなど、担当者よりも給与が高くなりやすいです。
また、現場代理人・所長として大規模工事を完工した経験は転職時にも評価されやすく、より給与水準の高い企業やポジションを目指す材料になります。
平均年収の高いゼネコンなどに転職する
同じ資格・経験を持つ施工管理でも、勤務先の給与テーブルによって年収は大きく異なります。スーパーゼネコンをはじめ給与水準の高い企業では、基本給や賞与、役職手当などが高く設定されていることがあり、転職によって年収アップを狙えます。
ただし、会社規模が大きければ必ず高年収になるわけではありません。少数精鋭の建設企業でも高い給与水準を設定しているケースがあるため、企業規模だけでなく、実際の年収レンジ・賞与・手当・評価制度まで確認することが重要です。
経験・スキルを評価してくれる企業に転職する
現職で大幅な昇給が難しい場合は、これまでの施工管理経験・保有資格・担当案件を高く評価してくれる企業への転職も選択肢です。社内では既存社員との給与バランスや昇給制度の影響で、一度に大きく年収を上げにくいケースがあります。一方、転職では採用時点で経験やスキルをあらためて評価されるため、現職より高い給与条件を提示されることがあります。
実際に当社(プレックス)で転職した施工管理の方には、年収400万円から700万円、年収600万円から850万円にアップした事例もあります。現職の給料が経験・資格に見合っていないと感じる場合は、複数企業の求人条件を比較し、自分の市場価値を確認することも有効です。
施工管理の給料が高い理由に関するよくある質問
最後に施工管理の給料が高い理由に関するよくある質問を解説します。
施工管理の平均年収・給料はどのくらい?
施工管理の平均年収は、625万円〜679.1万円です。
国税庁の調査によると、日本全体の平均年収が545.6万円なので、施工管理は給料が高いと言えます。
参照:
令和7年賃金構造基本統計調査|厚生労働省
民間給与実態統計調査|国税庁
施工管理の給料が安いと言われる理由は?
施工管理の給料が安いと言われる理由は、未経験・無資格から働き始めた場合、労働環境に見合わないと感じる方が多いからです。
なぜなら施工管理は、現場での実務経験を積んだり、施工管理技士の資格を取得したりすることにより、給料が高まるようになっているからです。また平均年収の高い企業ほど、求職者からの人気が高いため、未経験・無資格の方が転職する難易度は高くなっています。
結果、未経験・無資格の方が働き始められる会社は、平均年収が安く、見合わないと感じやすいのです。
施工管理は残業時間が少なくても給料が高い?
1級施工管理技士の有資格者や所長経験のある方は、残業時間が少なくても給料が高いこともあります。
なぜなら施工管理技士の有資格者は、現場責任者を担当できたり、経審の加点対象になったりするため、在籍しているだけでも、会社への貢献ができるからです。また基本給・資格手当・役職手当自体が高めに設定されることがあるため、残業代に依存しなくても高年収になるケースがあるのです。
その結果、施工管理は残業時間が少なくても、給料が高い企業が増えています。
施工管理と職人・作業員はどちらが給料が高い?
基本的には、施工管理のほうが給料は高いです。
ただし職人・作業員でも、一部の職種では、施工管理より給料が高いケースもあります。
職業 | 平均年収 |
|---|
建築施工管理技術者 | 679.1万円 |
|---|
土木施工管理技術者 | 625.0万円 |
|---|
電気工事士 | 628.1万円 |
|---|
測量士 | 543.1万円 |
|---|
配管工 | 523.1万円 |
|---|
大工 | 485.5万円 |
|---|
左官 | 466.9万円 |
|---|
内装工 | 466.9万円 |
|---|
建設・土木作業員 | 435.2万円 |
|---|
とび | 414.5万円 |
|---|
参照:職業情報提供サイト job tag | 厚生労働省
ただし職人は工種・雇用形態・独立によって収入差が大きく、一概に比較できない点は注意が必要です。なお長期的な年収を伸ばすには、資格や役職でキャリアアップできる施工管理が有利になりやすいです。
30代・40代の施工管理の平均年収・給料はどのくらい?
30代・40代の施工管理の平均年収は、以下のとおりです。
年齢 | 平均年収 |
|---|
30代 | 599.0万円~710.1万円 |
|---|
40代 | 625.2万円~764.9万円 |
|---|
参照:令和7年賃金構造基本統計調査|厚生労働省
30代から40代にかけて施工管理の年収が高くなる理由は、施工管理技士を取得する方が多くなったり、現場経験が豊富で役職登用が進んだりする影響があります。
ただし施工管理の年収は、年齢だけでは決まりません。そのため同じ40代でも施工管理技士の資格を取得していなかったり、実務経験を積めていなかったりすると、年収が上がりにくいこともあります。
まとめ
施工管理の給料が高い理由は、残業時間が長かったり、休日出勤が多かったりするだけではありません。
給料が高くなっているのは、業界全体での慢性的な人手不足に加えて、高い専門性・マネジメント能力、工事全体を管理する責任、資格や役職に対する評価などが給与に反映されるためです。
ただし施工管理は、給料が高い人と給料が低い人がいます。給料が高い人の特徴は、以下のとおりです。
- 1級施工管理技士などの資格を保有している
- 大規模案件で現場代理人・所長の経験がある
- 元請け企業で、工事全体を管理している
- 給与水準の高い企業に所属している
現在の給料が安いと感じている場合は、まず自分の資格・経験・役職に対して、現職の待遇が転職市場の相場に合っているか確認してください。
転職活動をすることで、自分のスキル・経験を高く評価してくれる企業が見つかる可能性もあります。
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