トラック整備士の平均年収
トラック整備の世界では「経験」が何よりも高く評価され、それが基本給や諸手当、賞与額にダイレクトに反映される仕組みになっています。
結論からお伝えすると、大手メーカー系ディーラーのモデル年収では、30代で600万円を超えるケースもあり、これは乗用車メインの現場では一部の役職者しか到達できない水準です。
トラックは物流の要であり、車両が止まることは経済の損失に直結するため、それを支える整備士の市場価値は非常に高く設定されています。
ここでは、具体的な数値や実際の求人に基づき、リアルな年収相場を解説します。
平均年収は400万円~500万円
トラック整備士の平均年収は、400万円~500万円前後がボリュームゾーンとなっています。
これは、一般的な自動車整備士の平均年収(約400万円前後)と比較しても高い水準です。
たとえば、プレックスジョブで取り扱っているトラック整備士求人552件のうち、大手メーカー系ディーラーの求人では、想定年収が320万円~600万円と幅広く設定されています。
実際の年収例を挙げると、以下のようになります。
【ある会社のトラック整備士年収例】
- 入社1年 29歳 約345万円(3級自動車整備士、トラック整備経験あり)
- 入社2年 30歳 約390万円(3級自動車整備士、自動車検査員、トラック整備経験なし)
- 入社2年 38歳 約521万円(2級自動車整備士、自動車検査員、トラック整備経験あり)
- 入社10年 43歳 約628万円(2級自動車整備士、自動車検査員、トラック整備経験あり)
このように、年齢や経験に応じて着実に昇給していくのが特徴です。
特に経験を積み、役職に就けば、年収500万円以上は極めて現実的な数字となります。
一般的な自動車整備士よりも高い傾向あり

トラック整備士の給与水準は、一般的な乗用車をメインとする自動車整備士よりも高い傾向があります。
具体的には、月給で3万~5万円、年収に換算すると50万~100万円以上の差がつくことも少なくありません。
なぜこれほどの差が生まれるのでしょうか。その理由は、トラック整備に求められる技術のレベルや幅広さにあります。
乗用車とは異なり、大型トラックはエアブレーキシステムや特殊な油圧装置、さらには冷凍機やクレーンといった「架装(上物)」の知識まで必要とされます。
こうした幅広い作業に対応できることと高いスキルが求められる分、安定した高収入を実現できる傾向があるのです。
今の職場で「技術はあるのに正当に評価されていない」と感じているなら、整備対象をトラックに変えるだけで、手取り額が大きく変わる可能性があります。
トラック整備士の給与体系

トラック整備士の給与は、単なる基本給だけでなく、さまざまな手当が組み合わさって構成されています。
項目 | 内容 |
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基本給 | 毎月固定で支払われる給与。勤続年数、経験、会社規定によって決定される。 |
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残業手当 | 所定労働時間を超えて勤務した場合に支払われる割増賃金。 |
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各種手当 | 資格手当、家族手当など、スキルや生活状況に応じて支給される。 |
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賞与 | 企業の業績や個人の評価に応じて支給されるボーナス。 |
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加えて、勤務条件や生活環境を考慮して、以下のような手当を用意している会社が多いのが特徴です(※)。
- 資格手当:3級なら5,000円、2級なら10,000円、検査員なら20,000円というように、等級によって差が出る
- 役職手当:班長や工場長などの責任ある立場に就くことで支給される
- 家族手当:配偶者や子供がいる世帯へのサポートとして支給される
特に資格手当については、上位資格を取得することでダイレクトに月給を底上げできるため、モチベーション維持にもつながります。
また、気になる賞与(ボーナス)についても、年2回、基本給の2~4ヶ月分支給される企業が多く、安定したまとまった収入が期待できます。
(※プレックスジョブで取り扱っている求人のうち、トラック整備士求人552件から算出)
トラック整備士の年収が高い理由
なぜトラック整備士は、乗用車の整備士よりも高い給与を得られるのでしょうか。そこには、業界特有の構造的な理由があります。
ここからは、上記3つの理由を詳しく掘り下げていきます。
専門性に対する手当を支給している会社が多いから
トラック整備士には、一般的な乗用車にはない特殊なパーツやシステムの知識が求められます。
例えば、大型ディーゼルエンジン、高圧のエアシステム、複雑な電気配線などは、乗用車専門の整備士では即座に対応できないケースが多いのです。
このように専門知識を持つ整備士は業界全体で希少価値が高いため、企業側が資格手当等で還元する仕組みを作ることで、優秀な人材を確保しようとしています。
身につけた技術が直接的に給与に反映される仕組みが整っているからこそ、自己研鑽がそのまま年収アップにつながりやすい環境といえます。
仕事量が安定しているから
トラック整備士は、日本の物流インフラを根底から支える仕事であり、景気の波を受けにくいという強みがあります。
たとえ景気が悪化したとしても、私たちの生活に欠かせない食料品や日用品を運ぶトラックの稼働が止まることはありません。
むしろ不況で企業が車両を新しく買い替える余裕がない状況ほど、「今のトラックをメンテナンスして長く使い続ける」という需要が増加し、整備工場の仕事は忙しくなります。
対して乗用車の場合、新車販売の動向や個人の消費心理に左右されやすく、入庫が少ない時期は給与や賞与に響くことがあります。
トラック整備においては、その変動が非常に少ないのが大きな特徴です。
賞与を支給している会社が多いから
トラック整備業界は、安定した収益構造を持つ企業が多いのが特徴です。
実際に、プレックスジョブで取り扱っているトラック整備士求人のうち、約98%の求人(※)が「賞与あり」となっています。(※152件中149件)
中には、前年度実績で「賞与5.7ヶ月分」といった、乗用車販売店ではなかなか見られないような高い支給実績を持つ企業も存在します。
物流という「止められないインフラ」を相手にしているため、会社としてもしっかりとした利益を上げやすく、その分ボーナスとして還元されるチャンスも多いのです。
トラック整備士の仕事内容

トラック整備の現場は、乗用車の現場とは勝手が異なる部分が多くあります。
主な業務は「点検整備」「車検」「故障修理」の3つです。
点検整備
トラックは一日の走行距離が非常に長いため、法律で定期点検が義務付けられています(※)。オイル管理やタイヤの摩耗チェック、ブレーキシステムの動作確認など、大きな事故や故障を未然に防ぐための「目利き」が強く求められます。
(※参照:点検整備の種類 | 自動車 - 国土交通省)
車検
車両の安全性を法的に担保する重要な業務です。乗用車に比べてチェック項目が多岐にわたり、荷台部分の動作確認なども含まれるため、高度な専門知識が身につきます。「自動車検査員」の資格があれば、最終的な適合判断まで担うことができ、責任とやりがいに見合った高い手当が得られます。
故障修理
エンジンのオーバーホールやトランスミッションの分解整備といった「重整備」が頻繁に行われます。また、テスターを用いた最新の故障診断や、路上での「出張修理」に対応することもあります。「明日の朝までに荷物を届けなければならないから、今すぐ直してほしい」という切実なニーズに応えるスピード感も求められる仕事です。
大きな特徴は、2~4人のチーム制で業務を進める点です。部品が非常に大きく重いため、共同作業が基本となります。
最近では「大型車の整備は身体に負担がかかる」というイメージを払拭するため、パワーアシストスーツや重量物を持ち上げる機械の導入が進んでおり、以前よりも働きやすい環境が整備されています。
トラック整備士になるメリット・デメリット
メリット | デメリット |
・頑張った分しっかり稼げる ・景気に左右されてにくく安定した需要がある ・高度な技術を習得できる | ・身体への負荷が大きい ・迅速かつ正確な整備が求められる |
キャリアチェンジを検討する際、良い面だけでなく、注意すべき点も冷静に理解しておく必要があります。
ここからは、3つのメリットと2つのデメリットを解説します。
トラック整備士になるメリット

頑張った分しっかり稼げる
先述の通り、モデル年収500万円超も現実的に目指せます。基本給に加え、資格手当や手厚い賞与により、日々の努力が給与として還元されます。
景気に左右されにくく安定した需要がある
「社会の血液」ともいわれる物流に深く関わるため、仕事がなくなる心配がほぼありません。一生モノのスキルとして、将来の不安を解消できます。
高度な技術を習得できる
大型ディーゼルエンジンや複雑な油圧システム、最新の電子制御など、整備士として一段上のスキルを磨くことができ、エンジニアとしての市場価値が高まります。
トラック整備士になるデメリット

身体への負荷が大きい
タイヤ1本で数十キロあるなど、扱う部品が大きく重いため、乗用車整備よりも体力的なタフさが求められます。機械化が進んでいるとはいえ、基礎的な体力は必要です。
迅速かつ正確な整備が求められる
トラックが止まれば物流が止まります。限られた時間の中でミスなく修理を完了させる「プレッシャー」を感じる場面は、乗用車整備よりも多いかもしれません。
トラック整備士になるために必要な資格
トラック整備士として活躍するためには、資格を持っていることが望ましいです。
しかし、高難易度の資格がなければ雇ってもらえないというわけではありません。
ここからは、トラック整備士を目指すうえで、あると良い資格を解説します。
本来は一級大型自動車整備士
「一級大型自動車整備士」は、総重量8トン以上のバス・トラック等の点検・分解・組立て・検査を行う最上位の国家資格です。
しかし、現在の資格区分になってから2026年現在まで、この資格試験は一度も実施されていません。
そのため、実際には一級小型自動車整備士や2級以下の資格を持つ人が現場で活躍しています。
理想は二級ジーゼル自動車整備士
現在、トラック整備の世界で最も重宝され、理想とされるのは「二級ジーゼル自動車整備士」の資格です。
ディーゼルエンジン特有の構造を理解している証明になり、転職時に非常に有利に働きます。
無資格でも見習いからスタートできる場合も
実は、トラック整備士は無資格・未経験からでも挑戦できる場合があります。
「見習い」としての入社を受け入れている会社もあり、入社後に資格取得費用を補助する制度を整えています。
実際にプレックスジョブで取り扱っているトラック整備士の求人のうち約65%が未経験でも応募可能です。
現場で給料をもらいながら、一生モノの資格取得を目指せるのは大きな魅力です。
トラック整備士で年収アップを目指すには

トラック整備士になった後、年収を最大化するための戦略として、下記の3つが挙げられます
それぞれ、くわしく解説します。
上位の資格や検査員の資格を取得する
現在保有している整備士資格が3級なら2級取得を目指しましょう。
また「自動車検査員」の取得を目指すのも有効です。
資格名 | 概要 | 合格率 |
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2級ジーゼル自動車整備士 | ディーゼルエンジン車の分解整備や一般的な点検・修理が可能。トラック整備の「標準資格」。 | 80%〜90%(筆記) |
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自動車検査員 | 車検の最終的な適合判断を行う責任ある立場。 整備士としての実務経験と二級以上の資格が必要。 | 60%〜70%前後 |
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参照元:令和6年度第2回 | 一般社団法人 日本自動車整備振興会連合会(JASPA)
令和7年度第1回 | 一般社団法人 日本自動車整備振興会連合会(JASPA)
それぞれ、5,000円~1万円ほど資格手当として給与に上乗せされるケースが多く、年収換算で大きな差がつきます。
工場長・管理職を目指す
組織を動かすマネジメント層へステップアップすることも有効な手段です。
トラック整備はチーム制のため、現場をまとめるリーダーシップが評価され、給与にも反映されます。
たとえば、プレックスジョブで取り扱っている求人の1つに、一般整備士の年収下限が384万円に対し、工場長のモデル年収が約620万円のものもあります。
この「年収620万円」という数字は、一般的な乗用車整備士の役職別データと比較すると「部長クラス」か、それを上回るほどの高い水準です。
「技術を極めた先」に、大手企業の管理職と同等の安定した高待遇が用意されているのは、インフラとしての責任が重いトラック整備士ならではのメリットといえるでしょう。
高待遇の会社に転職する
今のスキルを正当に評価してくれる、より条件の良い会社へ移るのが最も手っ取り早い方法です。
企業によって「基本給」や「賞与の倍率」は大きく異なります。
「今の会社ではこれ以上の昇給が見込めない」と感じたら、外部の求人に目を向けてみてもいいかもしれません。
もし、トラック整備士としてのキャリアを築き、理想の年収を実現したいと考えているなら、専門のアドバイザーに相談してみましょう。
たとえばプレックスジョブでは、業界に精通したアドバイザーが高待遇な求人を厳選して提案します。
「接客業務はしたくない」「キャリアアップを目指せる環境に身を置きたい」「スキルや経験をしっかり評価している会社がいい」など、1人ひとりの希望に合わせてご提案しますので、お気軽にご相談ください。

自分にぴったりな環境を見つけ、効率よく年収アップを目指すための第一歩として、ぜひご活用ください。
まとめ
トラック整備士は、物流インフラを支える誇りある仕事であり、年収600万円以上も十分に射程圏内に入る高収入な職種です。
「今の職場ではこれ以上の昇給が見込めない」「もっと自分の技術を高く買ってほしい」と考えているなら、トラック整備への挑戦は最良の選択肢となります。
もし、トラック整備士としてのキャリアを築き、理想の給料を実現したいと考えているなら、まずは専門のアドバイザーに相談してみましょう。
プレックスジョブでは、業界に精通したアドバイザーが、あなたのスキルや希望条件に合致する高待遇な求人を厳選して提案できます。
今のあなたの経験が、トラック業界ではどれほどの価値になるのか。まずは一度、プレックスジョブで求人をチェックしてみませんか?