フィールドエンジニアの年収の目安
この章では、フィールドエンジニアの年収の目安について解説していきます。
フィールドエンジニアの平均年収
厚生労働省によるフィールドエンジニアの公的データは主に「電気機械器具整備・修理工」や「業務用機械器具整備・修理工」などが該当します。
職種 | 平均年収 | 月収換算 |
|---|---|---|
フィールドエンジニア | 約586.3万円 | 約49万円 |
全産業平均 | 約478.1万円 | 約39.8万円 |
引用元：産業用ロボットの保守・メンテナンス - 職業詳細 | 職業情報提供サイト（job tag）
国税庁 令和6年分民間給与実態統計調査
フィールドエンジニアの年収は全産業の平均年収と比較すると、100万円以上高い水準にあることがわかります。
ただし、修理工の括りが広く、経験年数などに応じて差はあるため、未経験・若手から見ると高い平均年収に見えるでしょう。
フィールドエンジニアの年齢別年収
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年齢を重ねるごとに、どれくらい年収は推移していくのか、詳細に説明していきます。
年齢区分 | 平均年収（目安） | 月収換算（目安） |
|---|---|---|
~19歳 | 316.48万円 | 26.37万円 |
20〜24歳 | 428.1万円 | 35.67万円 |
25〜29歳 | 490.26万円 | 40.85万円 |
30〜34歳 | 544.81万円 | 45.4万円 |
35〜39歳 | 580.79万円 | 48.39万円 |
40〜44歳 | 603.43万円 | 50.28万円 |
45〜49歳 | 640.61万円 | 53.38万円 |
50~54歳 | 717.55万円 | 59.79万円 |
55~59歳 | 688.67万円 | 57.38万円 |
60~64歳 | 553.81万円 | 46.15万円 |
引用元：産業用ロボットの保守・メンテナンス - 職業詳細 | 職業情報提供サイト（job tag）
フィールドエンジニアは、年齢を重ねるごとに年収がアップしていることが分かります。
そのため、経験やスキルが年収に直結する職業であるといっても良いでしょう。
フィールドエンジニアの経験年数別の給料
経験年数ごとの「所定内給与額（月給）」の推移も見てみましょう。
経験年数 | 所定内給与額（月給） |
|---|---|
0年（未経験） | 25.58万円 |
1〜4年 | 28.39万円 |
5〜9年 | 28.3万円 |
10〜14年 | 34.67万円 |
15年以上 | 37.4万円 |
引用元：産業用ロボットの保守・メンテナンス - 職業詳細 | 職業情報提供サイト（job tag）
労働契約や就業規則で定められた所定労働時間内の労働に対して支払われる給与の総額である所定内給与額が経験年収に比例して増えていることが分かります。
経験年数に比例して収入が増える傾向にあるため、長期的に安定した収入を得られることにもつながります。
フィールドエンジニアの年収を左右する要素
フィールドエンジニアの年収は、「どこで働くか」という環境要因によって決まります。
業界
例えば以下のような需要のある業界は年収が高い傾向にあります。
- 半導体製造装置
- 医療機器
- 産業用ロボット・FA機器
こうした業界は以下のような特徴に当てはまることが多いので、求人探しの際は参考にしてみてください。
- 精密さが求められて少し難易度が高い
- 大手企業が多い
- 製品の利益率が高く給料に還元しやすい
企業によって異なりますが、例えば以下のような業界です。
- 家電メーカー
- OA機器（コピー機など）
などは製品がどこでも買いやすく価格競争が激しいので利益率を高めにくくなります。そのため給料も平均的になりやすいです。
ただし、優良企業はどこの業界にもあるものです。ご自身で求人を見るだけでなく、実績のある転職エージェントに相談するのが良いでしょう。
企業の規模
企業規模によっても、年収は大きく異なっています。
企業規模 | フィールドエンジニアの年収 |
|---|---|
全体平均 | 586.3万円 |
1000人以上 | 655.7万円 |
10~999人 | 566万円 |
10~99人 | 497万円 |
引用元：厚生労働省 賃金構造基本統計調査
企業規模が1000人以上の企業と10〜99人の企業を比較すると、その年収の差は100万円以上であることが分かります。
しかし、狙い目は大手だけではありません。100〜999人規模の中小企業でも、「ニッチトップ企業」は、高利益率を背景に高収入である可能性があります。
こうした「隠れた優良企業」は一般の求人サイトでは募集が充足しやすく、プレックスジョブのような非公開求人を持つ特化型エージェントに情報が集まりやすいのが特徴です。
また、外資系企業も高収入になりやすい傾向にあります。
スキルや経験
プレックスジョブの求人974件を参考にすると役職に応じておおよそ以下の傾向にあります。
フェーズ | 年齢・経験目安 | 想定年収レンジ | 特徴・データからの抜粋 |
|---|---|---|---|
未経験・新人 | 23〜25歳（1〜3年） | 300万〜400万円 | 基本給20〜22万円程度。残業代込みで350万円前後がボリュームゾーン。 |
若手・中堅 | 26〜29歳（3〜5年） | 420万〜550万円 | 独り立ちして現場を回れるレベル。出張手当が加算され始める。 |
熟練・リーダー | 30〜35歳（6〜10年） | 500万〜650万円 | 扶養手当が厚くなる時期。主任クラスへの昇格が見え始める。 |
ベテラン | 36歳〜40代（10年以上） | 600万〜850万円 | 役職手当や高い賞与が適用。トップ層は900万円台も。 |
※2025年12月時点でのプレックスジョブ保有求人272件を参考に編集部独自算出
求人は「スタート年収」が記載されるため、未経験者向けに低めに提示されることが多いです。
経験を積めばしっかり上昇することがこの表からもわかります。
スキルとしては、以下のようなものが関係します。
- 専門性（IT・クラウドスキルなど）
- マネジメント力
- 語学力（年収を跳ね上げたい場合）
手当の有無
プレックスジョブの求人をもとに、どのような手当があるのか代表的なものをご紹介します。
手当の種類 | 金額の目安・幅 | 特徴・分析 |
|---|---|---|
出張手当（日当） | 日帰り： 850円～2,000円/日 | 出張が多い職種のため、これが積み重なると月数万円の非課税収入になります。 |
外勤・技術手当 | 10,000円〜20,000円/月 | 外回りの業務自体に対して一律で支給される手当。 |
固定残業手当 | 30,000円～10,000円/月 | 20時間～45時間分を含んでいるケースが多いです。 |
住宅手当 | 未婚： 8,500円～22,500円 | 勤務地（エリア）によって金額が変動する規定（例：都市部ほど高い）が多く見られます。 |
家族・扶養手当 | 配偶者： 4,000円～12,000円 | 「配偶者＋子2人」の場合、月額2〜3万円（年収換算36万円相当）になるケースが多く、既婚者には大きな恩恵です。 |
借上社宅制度 | 家賃の数割負担 | 転勤を伴う場合、「敷金礼金・家賃の大部分」を会社が負担する制度。 |
こうした手当をしっかりと支給する企業であれば、実質の収入を増やすことが可能です。
転職の際には、どのような手当が支給されるのかしっかりと確認するようにしましょう。
【独自調査】フィールドエンジニアの転職理由ランキング
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なぜフィールドエンジニアは転職を考えるのでしょうか。独自の調査結果をまとめました。
- 1位：労働時間・ワークライフバランス・出張
- 2位（同率）：職場環境・人間関係
- 2位（同率）：仕事内容・やりがい
順位 | カテゴリ | 割合 | 理由 |
1位 | 労働時間・ワークライフバランス・出張 | 36.4% | ・勤務時間・長期出張が多く、家を空ける期間が長すぎた |
2位 | 職場環境・人間関係 | 18.2％ | ・職場環境の悪化（制度面、人間関係） |
2位 | 仕事内容・やりがい | 18.2％ | ・仕事内容への不満・好きなこと |
4位 | 給与・待遇 | 9.1% | ・給与が上がらない |
4位 | 会社の将来性 | 9.1％ | ・同僚の大量退職による危機感 |
4位 | 情報取集・キャリア検討 | 9.1％ | ・いつでも辞められる選択肢を持っておきたい |
※プレックスジョブ利用者の声より編集部独自集計
さらに詳しくこれらの退職理由について解説していきます。
1位：労働時間・ワークライフバランス・出張
転職理由の圧倒的1位は、労働環境に関することでした。
実際の転職理由として以下のような声がありました。
- 勤務時間
- 長期出張が多く、家を空ける期間が長すぎたため、毎日家に帰れる仕事に就きたい
しっかりと稼げる反面、拘束時間が長いことに限界を感じる人が多いようです。
2位（同率）：職場環境・人間関係
職場環境や人間関係も転職に大きく影響を与えています。
実際に転職した方の理由には、以下のような声がありました。
- 職場環境の悪化（制度面、人間関係）
- 同僚の大量離職による危機感
このような理由から転職に踏み切った方が多くいるようです。
2位（同率）：仕事内容・やりがい
職場環境や人間関係と並んで多く寄せられたのが、仕事内容ややりがいという理由です。
実際に、以下のような理由から転職をしている方がいらっしゃいます。
- フィールドエンジニアの仕事が多すぎて休憩が取れない
- 好きなこと・楽しいことをやりたい
仕事は人生の多くの時間を占めるものだからこそ、内容ややりがいを重視していることが多いことが分かります。
フィールドエンジニアに向いている人・向いていない人
フィールドエンジニアとして働くことが向いている人とそうでない人の特徴を解説していきます。
向いていない人
- 機械や電気の仕組みに全く興味が持てない
- マニュアル通りにしか動きたくない（想定外のトラブル対応が苦痛）
- 人と話すことが致命的に嫌い
フィールドエンジニアは技術職であると同時に、顧客と接するサービス業でもあります。
「技術さえあればいい」と考えている方や、機械そのものに愛着を持てない方は、フィールドエンジニアに向いていないといえるでしょう。
実は向いている人
- 「機械を触るのは好きだが、今の給料に納得がいかない」
- 「お客様に感謝されるのは嬉しいが、連泊の長期出張が辛い」
こうした方は、フィールドエンジニアとしての適性が非常に高いです。
今のスキルを活かせる「別の環境」へ移るだけで、悩みは一気に解決する可能性があります。
フィールドエンジニアの具体的な求人例を紹介
実際に市場にはどのような求人があるのか、一例をご紹介します。
①大阪・もしくは九州勤務
モデル年収
- 20代半ば：580万円
- 主任クラス：800〜850万円
②愛知県
- 平均年収：821万円
- 20代半ば：700万円
このように、同じフィールドエンジニアでも、業界や企業を選べば「高年収」と「安定」を両立させることは十分に可能です。
フィールドエンジニアの転職による年収アップのコツ
フィールドエンジニアとしてさらに年収を上げるコツをお教えします。
未経験職種ではなく「業界スライド」を狙う
- 職種を変えずに「商材」を変える
年収を上げるために「営業」や「プログラマー」など未経験職種へ転職すると、スキルがリセットされ、年収が下がるリスクがあります。
しかし、「機械を直す」「顧客対応をする」というフィールドエンジニアの職種のまま、扱う製品（業界）を変える「業界スライド」ならば、即戦力として評価され、年収アップが狙えます。
- 「利益率の高い業界」へ移るのが鉄則
同じ修理業務でも、業界によって給与ベースは全く異なります。
例： コピー機や自販機（薄利多売・成熟産業）のエンジニアから、半導体製造装置や医療機器（高付加価値・成長産業）へスライドするだけで、仕事内容は似ていても年収が100万〜200万円上がるケースが多々
- 汎用スキルをアピールする
「IT・クラウドがわかる」「テスターや工具が使える」「マネジメント経験がある」といったスキルは、どの業界の機械でも通用する
自分の市場価値をエージェントに確認する
- まずは外の話を聞いてみる
今の会社の給料が安いと嘆いていても、それが「自分の実力不足」なのか「会社が厳しいだけ」なのかは外を見ないと判断できません。
エージェントと話す分にはタダで納得感も増します。
- 年収交渉はエージェントに任せる
エージェントが間に入る価値の1つは「自分でやりにくいことを代行してもらえる」こと。
- 転職しなくてもOK
査定の結果、「今の会社の方が実は待遇が良かった」と分かることもあります。
それを知るだけでも、今の仕事に対するモチベーションが変わります。まずは「健康診断」のような感覚で構いません。
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フィールドエンジニアの年収が気になる人からよくある質問
フィールドエンジニアの年収が気になる方からよくある疑問をまとめました。
フィールドエンジニアの給料はいくらですか？
平均年収は約586万円です。
トップ層では700万円を超えるケースもあります。
手当を含めると、同年代の他職種よりも多く稼げる可能性が高い職種です。
エンジニアで一番年収が高いのは？
厚生労働省のデータによると、システムエンジニア（基盤システム）が平均年収752.6万円でトップクラスです。
フィールドエンジニアからIT系の知識を深め、より上流のエンジニアへシフトすることもキャリアアップの選択肢の一つです。
フィールドエンジニアとして働くメリットは？
最大のメリットは「手に職がつく（食いっぱぐれない）」ことです。
AI化が進んでも、物理的な機械の修理は人間にしかできません。
むしろ機械化が進むほどメンテナンスの需要は増していくため、将来性は非常に高いと言えます。
フィールドエンジニアに向いている人は？
1つ言えるのは「問題解決が好きな人」であることです。
機械トラブルというマイナスをゼロに戻し、顧客に感謝されることに喜びを感じられる人が向いています。
また、体力があり、フットワークが軽い人も重宝されます。
まとめ
この記事では、フィールドエンジニアの年収や将来性、あなたの市場価値の高め方について解説してきました。
フィールドエンジニアは、企業規模や業界によっては高収入を目指せる、将来性の高い仕事であることが分かりました。
まずは次のステップとして、まずはこれまでの現場経験を活かせるフィールドエンジニアの求人がどれくらいあるのか、市場価値を把握することをおすすめします。
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