サービスエンジニアの年収の目安
まずは客観的なデータを用いて、サービスエンジニアが世間一般と比較してどの程度の収入を得ているのかを確認します。
サービスエンジニアの平均年収
.png?w=800&h=494)
結論から申し上げますと、サービスエンジニアの平均年収は全産業平均よりも高い水準にあります。
厚生労働省が運営する職業情報提供サイトのデータによると、サービスエンジニアが含まれる「機械器具設置・修理」関連職種の年収は以下の通りです。
職種 | 平均年収 | 月収換算 |
|---|---|---|
サービスエンジニア | 約586.3万円 | 約49万円 |
全産業平均 | 約460万円 | 約38万円 |
引用元:産業用ロボットの保守・メンテナンス - 職業詳細 | 職業情報提供サイト(job tag)
このように数字だけで見ると、サービスエンジニアは全産業平均よりも100万円以上高い年収を得ていることになります。
サービスエンジニアの年齢別年収

次に、年齢ごとのサービスエンジニアの年収推移を見ていきましょう。
年齢 | 平均年収 | 月収換算(目安) |
|---|---|---|
~19歳 | 316.48万円 | 26.37万円 |
20~24歳 | 428.1万円 | 35.67万円 |
25~29歳 | 490.26万円 | 40.85万円 |
30~34歳 | 544.81万円 | 45.4万円 |
35~39歳 | 580.79万円 | 48.39万円 |
40~44歳 | 603.43万円 | 50.28万円 |
45~49歳 | 640.61万円 | 53.38万円 |
50~54歳 | 717.55万円 | 59.79万円 |
55~59歳 | 688.67万円 | 57.38万円 |
60~64歳 | 553.81万円 | 46.15万円 |
引用元:産業用ロボットの保守・メンテナンス - 職業詳細 | 職業情報提供サイト(job tag)
データを見ると、20代の下積み時代を経て、30代に入ると年収が500万円台〜600万円台へと年収が上がることが分かります。
もしあなたが30歳を超えていて、年収が400万円台前半で停滞しているなら、それは「あなたの能力不足」ではなく、「会社の給与テーブルが低い」可能性が高いです。
サービスエンジニアの経験年数別の給料

経験年数 | 所定内給与額(月給) |
|---|---|
0年 | 25.58万円 |
1〜4年 | 28.39万円 |
5〜9年 | 28.3万円 |
10〜14年 | 34.67万円 |
15年以上 | 37.4万円 |
引用元:産業用ロボットの保守・メンテナンス - 職業詳細 | 職業情報提供サイト(job tag)
所定内給与額とは、基本給に役職手当や家族手当などの固定的給与を加えたもので、残業代や賞与は含みません。
サービスエンジニアの世界では、経験年数が給与に直結しやすい傾向があります。
注意したいのは、これはあくまで「所定内給与」である点です。
経験年数に応じて、しっかりと「基本給」が上がっているかを確認することが重要です。
サービスエンジニアの年収に影響する要因
実はサービスエンジニアの年収は、個人の頑張り以上に「どの場所に身を置くか」という環境要因に大きく左右されます。
業界
年収を決める最大の要因は「業界」です。
扱う機械が何であるかによって、企業の利益率が変わり、それが社員の給料へダイレクトに反映されるからです。
例えば、以下のような需要のある業界は年収が高い傾向にあります。
- 半導体製造装置
- 医療機器(MRI、CTなど)
- 産業用ロボット・FA機器
こうした業界は以下のような理由から高収入になりやすいです。
- 精密さが求められ、技術的難易度が高い
- 大手企業が多い
- 製品の利益率が高く給料に還元しやすい
もしあなたが転職を考えるなら、儲かっている業界の求人を探すのが賢い選択です。
一方で、企業によって異なりますが、例えば以下のような業界は構造的に給料が上がりにくい傾向があります。
- 家電メーカー
- OA機器(コピー機など)
これらの製品はどこでも買いやすく、価格競争が非常に激しい分野です。
利益率を高めにくく、結果としてエンジニアの給料も平均的になりやすいのです。
ただし、どのような業界にも「ニッチトップ」と呼ばれる優良企業は存在します。
ご自身で求人サイトを見るだけでなく、業界事情に詳しい実績のある転職エージェントに相談し、隠れた優良求人を紹介してもらうのが良いでしょう。
企業の規模
次に影響するのが「企業の規模」です。
企業規模 | 年収目安 |
|---|---|
全体平均 | 586.3万円 |
1000人以上 | 655.7万円 |
100〜999人 | 566万円 |
10〜99人 | 497万円 |
引用元:厚生労働省 令和6年賃金構造基本統計調査 結果の概況
従業員が10〜99人の企業と1000人以上の大企業とでは、100万円以上も年収に差があることが分かります。
一方で、大手のみでなく100〜999人規模のニッチトップ企業など高利益率の中小企業もねらい目です。
こうした優良な中堅企業の求人は、一般的な転職サイトには掲載されず、転職エージェントが保有する「非公開求人」となっているケースが多々あります。
スキルや経験
もちろん、個人のスキルや役職も年収に大きく影響します。
現場でただ作業をするだけでなく、マネジメントや高度な技術力が伴えば年収は跳ね上がります。
プレックスジョブの求人974件を参考にすると、役職に応じておおよそ以下の傾向にあります。
役職・クラス | 想定年収レンジ | 具体的な記載例 |
|---|---|---|
メンバー・一般 | 350万円 ~ 450万円 | ・30歳/メンバー:25万円/月(基本給のみ) ・入社2年目:400万円 |
主任・リーダー | 450万円 ~ 550万円 | ・主任クラス(経験4~10年):450~550万円 ・入社10年目(主任):600万円 |
係長・課長代理 | 500万円 ~ 650万円 | ・係長クラス(経験7~10年):500~600万円 ・35歳/課長代理:32万円/月(年収約550万前後) |
課長・管理職 | 600万円 ~ 850万円 | ・課長クラス(経験10年以上):600万円~ ・40歳/管理職:月給40万円~ ・入社20年目/管理職:720万円 |
所長・部長・役員 | 800万円 ~ 1,000万円 | ・所長クラス(40歳~):800万円 ・役員クラス(50歳~):1,000万円 |
※2025年12月時点でのプレックスジョブ保有求人974件を参考に編集部独自編集
求人は「スタート年収」が記載されるため、未経験者向けに低めに提示されることが多いです。
経験を積めばしっかり上昇することがこの表からもわかります。
また、以下のようなスキルが関係します。
- 専門性(PLC・制御など)
- 交渉力(顧客折衝・提案)
- 語学力(年収を跳ね上げたい場合)
手当の有無
プレックスジョブの求人では、サービスエンジニアの手当について以下のような種類と傾向が見られます。
手当の種類 | 記載があった主な内容・金額例 | 備考 |
|---|---|---|
通勤手当 | ・全額支給 ・上限1.8万~10万円/月 ・実費支給 | ほぼ全ての求人で支給あり。 |
家族・扶養手当 | ・配偶者:5,000円~15,000円/月 ・子1人:2,000円~10,000円/月 ・扶養家族1人目1万円、2人目以降増額など | 非常に多くの求人で設定あり。 |
住宅手当 | ・一律 10,000円~30,000円/月 ・未婚/既婚で変動(例:未婚1.4万、既婚2.4万) ・転居を伴う場合の借上げ社宅制度 | 地域や世帯主かどうかで金額が変わるケースが多い。 |
残業・時間外手当 | ・全額支給 ・固定残業代(20h~45h分)超過分は追加支給 | 「見なし残業」が含まれているか、1分単位で出るかは要確認。 |
資格手当 | ・3,000円~30,000円/月 ・対象:自動車整備士、電気工事士、ボイラー技士など | 資格を持っているだけで毎月数万円プラスになる企業も。 |
出張・日当手当 | ・1,000円~4,000円/日(国内) ・4,000円~7,000円/日(海外) ・宿泊手当(9,000円~) | サービスエンジニア特有の稼ぎポイント。 出張が多い月は手当だけで数万円になることも。 |
その他 | ・皆勤手当(3,000~10,000円) ・食事手当(4,000円~) ・単身赴任手当 ・寒冷地手当 | 特定の職種や地域で散見される。 |
特に「出張手当」は非課税の現金支給であることが多く、実質的な手取りを押し上げます。
「年収は同じくらいだけど、手当が手厚い会社」に転職するだけで、生活のゆとりは劇的に変わります。
サービスエンジニアの将来性は高い

「今の激務は嫌だけど、エンジニアという仕事自体に将来性はあるのか?」と不安に思う方もいるでしょう。
結論から言えば、サービスエンジニアの市場価値と将来性は非常に高いです。
AI・自動化が進んでも代替されにくい
「AIやロボットに仕事を奪われるのではないか」という懸念がありますが、サービスエンジニアに関しては逆です。
実際に機械の中に体を入れて、油まみれになりながら複雑な配線を繋ぎ変えたり、摩耗した部品を交換したりする「物理的な作業」は、ロボットにはまだ困難です。
また、トラブル時の心理ケアや専門用語をかみ砕いた説明などは人間が効果的です。
製造業の自動化(FA)加速でニーズは拡大中
現在、少子高齢化で人手不足の製造業では、工場の自動化が急速に進んでいます。
これは、「人間がやっていた作業を機械が代替する」ことを意味しますが、同時に「その機械をメンテナンスする需要が爆発的に増える」ことを意味します。
機械が増えるほど、サービスエンジニアの仕事は増え続けるのです。
人手不足による需要増大
厚生労働省のものづくり白書によると、多くの事業者が事業環境に影響を及ぼす社会情勢の変化として「労働力不足」を挙げています。
若手であれば未経験でも採用されますが、既に数年の経験があるサービスエンジニアは、転職市場では「引く手数多」の存在です。
将来性は抜群で、転職により待遇改善はかなりしやすい環境にあると言えます。
サービスエンジニアに実は向いている人の特徴
実は、職種はそのままで「環境」を変えるだけで、驚くほどやりがいを取り戻せるケースがあります。
機械を直すのは嫌いじゃないが、待遇に不満がある
「原因不明のトラブルに対し、配線図とにらめっこして原因を特定し、直った瞬間に機械が動き出す」
この瞬間に達成感を感じたり、機械の構造を知るのが楽しいと思えるなら、あなたはエンジニアの才能があります。
同じ「機械を直す」仕事でも、数億円する「生産設備(半導体装置など)」や「医療機器」などの高単価商材に変えるだけで、年収は一気に100〜200万円上がる可能性があります。
「好き」を仕事にしたまま、待遇だけを良くすることが可能です。
お客様に感謝されるのは嬉しいが、呼び出し頻度が辛い
「困っているお客様を助けたい」「ありがとうと言われると嬉しい」 という価値観はAIには代替できない貴重なスキルです。
問題なのは仕事内容ではなく、「個人の犠牲に依存した会社の体制」です。
世の中には以下のような企業も増えています。
- リモートメンテナンスで、現地に行かずに解決できるシステムを導入している。
- 待機手当がしっかり支給され、拘束時間が給料に反映される。
サービスエンジニアの転職による年収アップのコツ
では、具体的にどう動けば年収を上げることができるのでしょうか
未経験職種ではなく「業界スライド」を狙う
以下のような3つの方法で収入アップを目指すことが可能です。
・職種を変えずに「商材」を変える
年収を上げるために「営業」や「プログラマー」など未経験職種へ転職すると、スキルがリセットされ、年収が下がるリスクがあります。
しかし、「機械を直す」「顧客対応をする」というサービスエンジニアの職種のまま、扱う製品(業界)を変える「業界スライド」ならば、即戦力として評価され、年収アップが狙えます。
・「利益率の高い業界」へ移るのが鉄則
同じ修理業務でも、業界によって給与ベースは全く異なります。
例: コピー機や自販機(薄利多売・成熟産業)のエンジニアから、半導体製造装置や医療機器(高付加価値・成長産業)へスライドするだけで、仕事内容は似ていても年収が100万〜200万円上がるケースが多々
・汎用スキルをアピールする
「電気回路図が読める」「テスターや工具が使える」「対人折衝経験がある」といったスキルは、どの業界の機械でも通用する
自分の市場価値(オファー金額)をエージェントに確認する
次に自分の市場価値を知る3つの方法をご紹介します。
・まずは外の話を聞いてみる
今の会社の給料が安いと嘆いていても、それが「自分の実力不足」なのか「会社が厳しいだけ」なのかは外を見ないと判断できません。
エージェントと話す分にはタダで納得感も増すことができます。
・年収交渉はエージェントに任せる
エージェントが間に入る価値の1つは「自分でやりにくいことを代行してもらえる」ことです。
・転職しなくてもOK
査定の結果、「今の会社の方が実は待遇が良かった」と分かることもあります。それを知るだけでも、今の仕事に対するモチベーションが変わります。
まずは「健康診断」のような感覚で構いません。
プレックスジョブなら、非公開求人含む優良求人の紹介から書類・面接対策、内定・入社後のフォローまで専任のアドバイザーがサポートします。

サービスエンジニアの年収が気になる人からよくある質問
この章では、サービスエンジニアについての気になる質問へお答えします。
サービスエンジニアの平均年収は?
サービスエンジニアの平均年収は約586.3万円です。
全産業平均よりも高く、30代後半〜40代にかけて役職が付くと600万円〜700万円以上を目指すことも十分に可能です。
手当が充実している企業が多く、額面以上に稼げる職種と言えます。
一番稼げるエンジニアは何ですか?
厚生労働省のデータによると、IT系の「システムエンジニア(基盤システム)」が平均年収752.6万円で最も高い傾向にあります。
しかし、サービスエンジニアも扱う商材(半導体や医療機器など)によっては、これに近い、あるいはそれ以上の高年収を得ている人が多数存在します。
サービスエンジニアの将来性は?
以下の3つの観点から、将来性は非常に高いと言えます。
- AI・自動化が進んでも代替されにくい
- 製造業の自動化(FA)加速でニーズは拡大中
- 人手不足による需要増大
サービスエンジニアは何をする仕事ですか?
機械製品の納入・設置、保守・メンテナンスを行う仕事です。
具体的には、定期点検を行って故障を未然に防いだり、トラブルが発生した際に現場へ急行して原因究明・修理作業を行ったりします。
扱う製品は、対法人だと工作機械、半導体装置、医療機器、対消費者だと家電やガス機器などが中心です。
サービスエンジニアの年収ランキングは?
職種別のランキングはありませんが、サービスエンジニアが活躍する企業の平均年収ランキングを見ると、高収益体質の企業が並びます。
これらの企業では、サービスエンジニアも高年収である可能性が非常に高いです。
順位 | 企業名 | 平均年収 | 業界・備考 |
|---|---|---|---|
1 | キーエンス | 2,039万円 | センサー・計測器。圧倒的な実力主義。 |
2 | レーザーテック | 1,561万円 | 半導体検査装置。世界シェア独占企業。 |
3 | 東京エレクトロン | 1,398万円 | 半導体製造装置。国内最大手。 |
引用元:株式会社キーエンス 有価証券報告書
レザーテック株式会社
TEL IR資料室
このように、「高利益体質」かつ「高い技術力が求められる」企業のエンジニアは、一般的なサラリーマンの数倍の年収を得ています。
まとめ
サービスエンジニアの年収について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。
日々の激務の中で「自分はこのままでいいのか?」と不安になるのは、あなたが真剣に仕事に向き合っている証拠です。
まずは次のステップとして、まずはこれまでの経験を活かせるサービスエンジニアの求人がどれくらいあるのか、市場価値を把握することをおすすめします。
プレックスジョブでは、専門のキャリアコンサルタントが、あなたの年収アップと安定したキャリアの実現を全力でサポートします。




















