設備設計とは?仕事内容をわかりやすく解説
設備の設計業務は、大きく以下の2つの職種に分けられます。
- 機械設備設計
- 電気設備設計
機械設備設計では文字通り、製造における生産ラインの装置や空調、給排水設備などを設計します。
また、電気設備設計では配電盤や配線ルートなどを設計します。
設備設計(機械設備設計と電気設備設計)それぞれの平均年収は?
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厚生労働省の公的データにおいて、機械設備設計に該当するものは機械技術者、電気設備設計に該当するものは電子機器技術者です。
ただし、このデータには大手メーカーで新製品開発を行う技術者の年収も含まれており、実際よりも少し高い金額になっています。
職種 | 平均年収 | 月収換算 |
|---|---|---|
電気設備設計 | 755.2万円 | 約50〜60万円 |
機械設備設計 | 669.4万円 | 約40〜50万円 |
全産業平均 | 460万円 | 38.3万円 |
参考:機械設計技術者 - 職業詳細 | 職業情報提供サイト(job tag)
電子機器技術者 - 職業詳細 | 職業情報提供サイト(job tag)
国税庁 令和5年分民間給与実態統計調査
工場の生産設備を設計する実際の現場(生産技術職など)では、機械設計で450〜600万円、電気設計で500〜650万円程度が相場となります。
ただし、大手企業の生産技術職であれば、上記の平均に近い(あるいは超える)高収入も十分に可能です。
設備設計の年齢別の平均年収

次に、機械設計設備技術者の収入が、年齢によってどう変わっていくかを見てみましょう。
年齢区分 | 平均年収 | 月収換算 |
|---|---|---|
~19歳 | 273.52万円 | 22.7万円 |
20~24歳 | 376.68万円 | 31.3万円 |
25~29歳 | 510.1万円 | 42.5万円 |
30~34歳 | 610.39万円 | 50.8万円 |
35~39歳 | 683.64万円 | 56.9万円 |
40~44歳 | 743.3万円 | 61.9万円 |
45~49歳 | 779.11万円 | 64.9万円 |
50~54歳 | 802.33万円 | 66.8万円 |
55~59歳 | 850.87万円 | 70.9万円 |
60~64歳 | 565.18万円 | 47万円 |
参考:機械設計技術者 - 職業詳細 | 職業情報提供サイト(job tag)
機械設計技術者の年収は、年齢が上がるにつれて増えていることが分かります。

次に、電子機器技術者の年収が、年齢によってどう変わっていくかを見てみましょう。
年齢区分 | 平均年収 | 月収換算 |
|---|---|---|
~19歳 | 296.71万円 | 24.7万円 |
20~24歳 | 390.24万円 | 32.5万円 |
25~29歳 | 521.55万円 | 43.4万円 |
30~34歳 | 622.05万円 | 51.8万円 |
35~39歳 | 734.85万円 | 61.2万円 |
40~44歳 | 813.36万円 | 67.7万円 |
45~49歳 | 927.35万円 | 77.2万円 |
50~54歳 | 971.59万円 | 80.9万円 |
55~59歳 | 971.24万円 | 80.9万円 |
60~64歳 | 558.64万円 | 46.5万円 |
参考:電子機器技術者 - 職業詳細 | 職業情報提供サイト(job tag)
電子機器技術者の年収も年齢に比例して増加していることが分かりました。
表を見ると電気設備設計のほうが高いですが、プログラミングや回路設計ができる人材なども含めた集計のためです。
30代以降の年収は実態は機械設備設計と共にもう少し低いでしょうが、年齢と共に年収が増える職種であることは事実です。
設備設計の経験年数別の給料

次に、機械設計技術者の経験年数による給与の違いを見ていきましょう。
経験年数 | 所定内給与額 |
|---|---|
0年 | 29.84万円 |
1~4年 | 31.77万円 |
5~9年 | 33.17万円 |
10~14年 | 36.62万円 |
15年以上 | 43.74万円 |
参考:機械設計技術者 - 職業詳細 | 職業情報提供サイト(job tag)
労働契約や就業規則で定められた所定労働時間内の労働に対して支払われる給与の総額である所定内給与額が経験年収に比例して増えていることが分かります。
経験年数に比例して収入が増えることで、長期的に安定した収入を得られることにもつながります。

次に、電子機器技術者の経験年数による給与の違いを見ていきましょう。
経験年数 | 所定内給与額(月給) |
|---|---|
0年 | 28.08万円 |
1~4年 | 31.49万円 |
5~9年 | 50.63万円 |
10~14年 | 46.67万円 |
15年以上 | 45.82万円 |
参考:電子機器技術者 - 職業詳細 | 職業情報提供サイト(job tag)
電子機器技術者もまた、経験が年収の上昇につながる環境であるといえるでしょう。
設備設計の年収を製造関連職と比較

設備設計という仕事は、製造業全体の中でどれくらいの立ち位置にあるのでしょうか。
他の製造関連職種と年収を比較してみましょう。
職種 | 平均年収 |
|---|---|
生産・品質管理技術者 | 755.2万円 |
電気設備設計 | 755.2万円 |
機械設備設計 | 669.4万円 |
システムエンジニア | 574.1万円 |
電気工事士 | 547.6万円 |
生産・工程事務 | 521.1万円 |
旋盤工 | 465.6万円 |
ボイラー技士 | 458万円 |
CADオペレーター | 453.8万円 |
溶接工 | 452.5万円 |
検査工 | 427万円 |
金属プレス工 | 417.3万円 |
工場労務作業員 | 345.4万円 |
設備設計の年収は、平均年収を大きく上回る669〜755万円であり、製造関連職の中でも高水準と言えるでしょう。
次章では、この水準以上に稼ぐ方法についても解説していきます。
設備設計として年収が低いと感じたら?年収を上げる方法3選
設備設計エンジニアが年収を確実に上げるための3つの具体的な方法を解説します。
転職で業界を変える
社内で年収アップを実現できない場合は、転職によって業界を変えることをおすすめします。
例えば以下のような需要のある業界は年収が高い傾向にあります。
- プラント
- 半導体
- 自動車
- FA(ファクトリーオートメーション)
このような業界は、以下のような特徴に当てはまることが多いです。
- 精密さが求められて少し難易度が高い
- 大手企業が多い
- 製品の利益率が高く給料に還元しやすい
あなたの転職を成功させるために、求人を見る際の視点として、参考にしてみてください。
転職で企業規模を変える
日本の企業において、企業規模と年収は比例する傾向が顕著です。
企業規模 | 機械技術者の平均年収 |
|---|---|
全体平均 | 615.4万円 |
1,000人以上 | 747.9万円 |
100人〜999人 | 614.7万円 |
10人〜99人 | 539.8万円 |
参考:機械設計技術者 - 職業詳細 | 職業情報提供サイト(job tag)
厚生労働省の令和6年度賃金構造基本統計調査によると機械設計技術者の年収は1,000人以上の企業はそれ以下の規模の企業と平均して100万円以上の平均年収の差があることがわかります。
大手企業の方が待遇が良いことは当然多く、福利厚生も充実しやすい傾向にあります。
ただし、大手企業は難易度も高いので、以下のような方法で隠れた優良企業を見つけるのも賢い戦略であり、おすすめです。
- 規模は問わず業界で絞って高待遇の企業を見つける
- 非公開求人を紹介してもらう
スキルアップする
企業規模をかえることによっても、年収は大きく変わる可能性があります。
例えば、以下のような変化は年収をアップさせるでしょう。
- 上流工程を担当(基本設計や詳細設計など)
- 領域横断スキルをつける(機械+電気やマネジメントなど)
資格としては、技術士(機械部門・建設部門・電気電子部門)を取れると非常に有利です。
しかし、極めて難易度も高いので施工管理技士など実務で対応範囲が広がる資格も良いでしょう。
参考:公益社団法人日本技術士会
設備設計の将来性は高い
設備設計の将来性は非常に高く、今後も長く続ける価値のある職種です。その理由は大きく2つあります。
人手不足解消のための「自動化・省人化」需要が急増
現在、労働力不足が追い風となり、設備設計の将来性は非常に高くなってきています。
実際の現場では、以下のような状況になってきています。
- 少子高齢化により、どの工場も「人を減らして機械で回す」ことが急務になっている
- FA(ファクトリーオートメーション)機器や省人化ラインを設計できるエンジニアは、今後数十年にわたって仕事がなくなることはない
- 「既存設備の刷新」が続く
- 高度経済成長期に作られた古いプラントや生産ラインの老朽化が進んでおり、リプレース(入れ替え)や改修工事の案件が山積
これらは現状、AIだけで解決できるものではなく、設計者の知見が不可欠となっています。
そのため、設備設計の将来性は非常に高いといえるでしょう。
最先端技術の登場で設備投資が活発
もし今の会社で給与が頭打ちなら、それは「業界」の問題かもしれません。
以下のような産業は国や大企業の投資があり、年収も100〜200万円上がるケースも珍しくありません。
- EV
- 半導体
設備設計に向いている人

では、どのような人が設備設計に向いているのでしょうか。その3つの特徴を解説していきます。
論理的思考ができる
- なぜこの材質なのか
- なぜこの寸法公差なのか
など、引いた線一本一本に対して論理的な根拠(計算や理論)を持てる人が向いています。
図面と現場をどちらも見て改善できる
この仕事においては、細部へこだわりを持つことが非常に大切です。
寸法公差やネジ1本の選定ミスが命取りのため、細かいチェックが必要です。
また、機械設計オペレーターは細部へのこだわりに加えて、担当部品のことだけでなく、組み立てやすさや原価など、製品全体のバランスの調整も大切になります。
チームプロジェクトができる
「設計はパソコンに向かって黙々と作業する仕事」というイメージがあるかもしれませんが、実はコミュニケーション能力が非常に重要です。
例えば、以下のような場面で円滑なコミュニケーションを求められます。
- 営業や現場、調達などとの調整
設備設計の年収が気になる方からよくある質問

最後に、設備設計のキャリアを考える上でよくある質問に回答します。
設備設計は激務ですか?
ある程度の忙しさはあります。
「忙しいけど稼げる」のか「ただ忙しいだけ」なのかを見極めるのが大事です。
以下のことをしっかりと確認するようにしましょう。
- 平均年収と大きなズレはないか
- 休日出勤や残業にしっかりと手当が出るか
資格を取れば給料は上がりますか?
あがります。
多くの企業で月数千円〜数万円程度で、資格の難易度次第です。
また、転職の際のアピールポイントとして使うと提示年収が50〜100万円ほどアップする可能性があり、効果が大きいです。
中小企業の設計職から大手企業への転職は可能ですか?
可能です。
また、若いほどチャンスがあります
設計のみならず現場対応などにも揉まれた経験など、中小企業だからこそ身についたスキルがあれば有利です。
設備設計の大手企業は?
プラント系であれば、以下のような企業です。
メーカーであれば、以下の企業などです。
年収いくらで勝ち組ですか?
個々人の希望の生活水準次第ですが、全産業平均で年収460万円ですから、500万円以上あれば十分に稼いでいると言えるでしょう。
設備設計の仕事であれば十分にこの水準を超えられます。
まとめ
この記事では、設備設計の将来性と、あなたの市場価値の高め方について解説してきました。
設備設計は、ものづくりの根幹を支える重要かつ将来性の高い仕事であり、平均年収は製造業の中でも高水準だということが分かりました。
まずは次のステップとして、まずはこれまでの現場経験を活かせる生産管理の求人がどれくらいあるのか、市場価値を把握することをおすすめします。
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