運行管理者試験は難しい?試験内容・合格率・合格するための勉強法やコツをご紹介!
  • 資格・免許
  • 2025/09/27

運行管理者試験は難しい?試験内容・合格率・合格するための勉強法やコツをご紹介!

国家資格である運行管理者資格の難易度は、年々上がっていると言われています。しかし一方で、しっかり勉強をすれば合格するとの、合格者自身の声もあります。 ではどのようにすれば合格するのか、勉強のコツを試験内容、日程と合わせてご紹介しています。

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運行管理者とは

まずは運行管理者とはどのような資格なのかについて押さえておきましょう。

運行管理者の仕事

運行管理者は、

  • ドライバーの乗務割の作成
  • 休憩・睡眠施設の管理
  • ドライバーに対する指導監督
  • ドライバーの疲労や健康状態の把握
  • 安全運行の指示

などを行う仕事です。

業務における運行の安全を確保する役割であると言えるでしょう。運行管理という言葉からは配車を連想してしまいがちですが、それだけが仕事というわけではないと覚えておいてください。

運行管理者の給料が気になる方はこちらもご覧ください。
関連記事:運行管理者の給料/年収はどのくらい?一般的な月給や賞与、資格手当などについても解説!

運行管理者=配車係

配車係とはトラックドライバーに仕事を配分する役割の人のこと。客先の希望到着時間や道路の渋滞状況などを計算に入れて、効率的な配車を行うことが重要です。

配車係は経験の求められる仕事ではありますが、必ずしも運行管理者の資格を保有している必要はありません。

ただし、営業所にはどんなに規模が小さくても最低1名以上の運行管理者を置かなければならないと法令によって定められているため、どのみち運送会社には運行管理者資格を持った人が必要となります。

運行管理者の配置基準

一定の台数以上の業務用自動車を保有している事業所では、一定の人数以上の運行管理者を置くことが義務づけられています。

トラックの場合、保有している車両が29台までであれば運行管理者は1名。保有台数30台を超えると、必要な運行管理者の人数も増えます。30台ごとに運行管理者が1名追加で必要になると覚えておきましょう。

運行管理者の難易度と合格率

運行管理者(貨物)の難易度と合格率

運行管理車の試験は2種類あり、貨物自動車事業メインの「貨物」試験とバスやタクシーで人の輸送に関わる「旅客」試験があり、その難易度には違いがあります。

近年トラックによる重大事故が多く発生している事から、貨物の運行管理車試験は法改正が行われた事もあり難易度が上がっていると言われています。

運行管理車の試験が実施され始めた頃の合格率は50%前後で推移していましたが、近年過積載や過重労働が原因の事故が増加、運行管理車の責任が重くなっていることもあり、貨物の合格率は20〜30%程度となっています。

2024年第2回試験の受験者数は20,755人、うち合格者は7,084人、合格率は34.1%になっています。

運行管理者(旅客)の難易度と合格率

バスやタクシーの輸送に関わる旅客の運行管理者試験も貨物同様難易度が上がっている傾向にあります。

これはシフト調整の不備などによる旅客バスによる重大事故が増加していて貨物同様運行管理者の責任、重要度が上がってきている事もあり、試験の難易度は上がってきています。

旅客の運行管理者の試験も実施当初は50%ほどの合格率でしたが、最近では30%前後となっており貨物の運行管理者試験と同じように低い合格率で推移しています。

2022年第2回試験の受験者数は6,430人、うち合格者は1,904人、合格率は29.6%となっております。

運行管理者の難易度は年々上がっている?

先述しましたが、運行管理者試験が実施され始めた当初は国家資格である運行管理者を増やさなければならないといった事情もあり、合格率は50%と比較的優しい試験といったイメージでした。

しかし近年ではコンプライアンス遵守の傾向、大型トラック、バスなどの重大事故の増加もあって、運行管理者の責任が重くなり、その資格が重要視されてきている事から最近では難化傾向にあります。

また、CBT方式になったことで、パソコン操作に不慣れな方には不利な部分も多少影響しているかもしれません。

運行管理者なるには

実務経験を積む

あまり知られていないことですが、実は試験を受けなくても運行管理者資格を取得できる方法があります。

5年以上の実務経験を持っており、かつその間に所定の講習を5回以上受講していれば、運行管理者の資格を得られるのです。

もっとも、この方法が「あまり知られていない」ことには理由があります。実務経験5年分を証明する記録を出すことが難しいのです。記録がなかったり、記録内容の不備で要件を満たしていなかったり、証明できる人が退職してしまったりなどの

したがって、実際には運行管理者試験に合格して資格を取得するケースが大半です。

運行管理者の受験資格

運行管理者試験を受験する為には事業用自動車の運行の管理に関して1年以上の実務経験を有する事が必要になります。ですから今までの物流業界での実務の経験が重要になります。

実務経験がない場合、3日間(計16時間)の運行管理者基礎講習を受講する必要があり、受講したのち運行管理者試験を受験する事ができます。

1年以上の実務経験を積んでから受験する場合、受験申請書と実務経験証明書が必要になりますので、勤務先で証明書を発行してもらいましょう。

運行管理者の試験内容(貨物)

運行管理者試験試験の出題内容は「貨物」と「旅客」で違ってきます。自分が目指す運行管理者試験にあった勉強をする必要があります。貨物の試験内容は以下のようになります。

多肢選択式:90分

  •  貨物自動車運送事業法:8問
  •  道路運送車両法:4問
  •  道路交通法:5問
  •  労働基準法:6問
  •  その他運行管理者の業務に関し必要な実務上の知識及び能力:7問

貨物自動車運送事業法が旅客の運行管理者試験と試験内容が違う部分です。貨物自動車運送事業法を中心にしっかり勉強していきましょう。

運行管理者の試験内容(旅客)

旅客の運行管理者の試験内容になります。

多肢選択式:90分

  •  道路運送法:8問
  •  道路運送車両法:4問
  •  道路交通法:5問
  •  労働基準法:6問
  •  その他運行管理者の業務に関し必要な実務上の知識及び能力:7問

貨物の運行管理者試験同様、合格率は高くないです。道路運送法を中心に他の科目も取りこぼしのないように、まんべんなく勉強していきましょう。

運行管理者試験の合格ライン

合格基準は以下のようになります。

総得点が満点の60%(30問中18問)以上です。また、『正しいものを2つ選ぶ問題』や『選択肢すべての正誤判断をする必要があるカウント問題』など出題パターンが様々です。

運行管理者試験は正解が偏っていると60%の正答率でも合格出来ない可能性があります。

例えば貨物自動車運送事業法が全問正解していても、労働基準法が全問不正解なら全体で60%総得点が取れていても合格出来ません。バランスよく正答する必要があります。

運行管理者の試験日程と費用

運行管理者試験は例年8月と3月に実施され、2025年の試験日程は第1回が8月2日(土)~8月31日(日)に行われ、第2回が3月1日(日曜)に開催されます。

受験にあたっては本試験の約2ヶ月前にある受付期間に受験申請をする必要があり、貨物か旅客のどちらか1種類を選択して申請します。受験料は非課税6,000円で、インターネット申請(システム利用料)660円(税込)の合計6,600円が受験費用になります。試験レポートを希望する場合は140円(税込)が別途かかります。

運行管理者に合格するための勉強のコツ

勉強すれば合格できる

運行管理者試験は合格率だけを見ると30〜35%とかなり難易度の高い試験と思われるかもしれません。

ですが実際に運行管理者を受験している人は普段仕事をしている方がほとんどで、なかなか勉強時間が取れない方や、会社から取得するように言われて渋々、受験する人も大勢います。

正直いって運行管理者試験を受ける人たちの合格に対する意気込みは他の資格に比べて弱いものだと感じています。

(もちろんやる気のある方も大勢いらっしゃいますが)そんな中での30〜35%という数字ですので、実際にはその数字ほど難しい試験ではないと言えます。

合格のコツはしっかり勉強する時間を確保する事、仕事をしながらの勉強は大変ですが、しっかり勉強さえすれば決して難しい試験ではありません。過去問をしっかり勉強する事が合格の近道と言えるでしょう。

テキストの選び方と勉強の仕方

自分が見てわかりやすいと感じたものを、書店で確認して選択しましょう。基本的に、運行管理者試験対策に必要な書籍は、試験のために分かりやすく解説されたテキストと、過去問の2冊あれば十分だと思います。

試験は記述式ではなく、選択式ですので、丸暗記する必要はありません。テキストをざっと流し読みして過去問を解く、分かりにくかったところを確認する、という事を繰り返していきましょう。

運行管理者試験の毎年の出題傾向はそれほど変わるものではありません。問題数も30問で記述式ではなく選択式ですので、分からなければ、消去法でも得点を取れるかもしれません。しっかりテキストをやり込んで試験に臨みましょう。

問題集の選び方と勉強の仕方

試験対策のために解説されているテキストをまずはひと通り読んで運行管理者試験問題の概要を掴みましょう。そして過去問にトライです。あとはとにかく過去問を解いてわからないところはテキストで確認です。

この繰り返しで過去問を9割解けるようになれば、かなり合格に近づけると思います。最近ではネットでも過去問を解くサイトがありますので必要に応じてうまく活用していきましょう。

めやすとなる勉強時間

運行管理者試験合格に向けての勉強時間の目安ですが、一般的には50~100時間前後と言われています。ただこれに関しては実務経験の有無や、その人の元々持っている知識によって違ってきます。

まず、毎日少しずつでも勉強する時間を確保する事が大事になります。社会人になると、勉強する機会があまりないため、いきなり勉強してもなかなか頭に入ってきません。

まずは勉強する癖をつけるためにも、一日1時間、それが無理なら30分でも毎日続ける事が大事になります。

もしなかなか自分では効果的に勉強ができない、という場合はトラック協会が定期的に行っている講習を受ける事も効果的です。試験の出題傾向や問題を分かりやすく解説してくれます。

運行管理者合格後の手続き

運行管理者試験の合格発表は試験終了後の1ヶ月以内に運行管理者試験センターのホームページに掲載されます。晴れて合格された方は発表から3ヶ月以内に運行管理者資格者証の交付申請をしなければなりません。

うっかりして3ヶ月が過ぎてしまうと、交付無効になり手続きができなくなってしまうため、必ず必要書類を揃えて運輸局(支局)の窓口か郵送で申請する事が大事になります。

窓口申請で資格証の受け取りを郵送にする、または郵送で申請して資格証の受け取りを窓口にする事もできますので、ご自分の都合のいい形で申請すると良いでしょう。

まとめ

運行管理者試験の勉強は100点を取ろうと思うと難しく感じてしまいますが、そのように考える事はありません。全問正解を目指さなくても良いのです。

総得点60%で足切りラインとして各分野ごとの正解が1つ、ないし2つという合格基準は決して高くはなく、しっかり勉強しておけば合格は難しくないと言えます。大事なのは受かりたいという気持ちです。

運行管理者の資格は一度取得すれば一生使える国家資格です。人手不足の資格ですから、転職にも有利でしょう。また、ドライバーが体力的にきつくなった場合のキャリア転換にもなります。

受験される皆様がこの資格を取得して、運行管理者として活躍する事を願ってております。

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