1級施工管理技士補と2級施工管理技士どちらが上？
1級施工管理技士補と2級施工管理技士のどちらが上というのは、一概には言えません。
なぜなら即戦力として活躍できるかという観点から見るか、将来性やポテンシャルがあるかという観点から見るか次第で、1級施工管理技士補と2級施工管理技士の評価が逆転してしまうからです。
たとえば即戦力の観点で見れば、2級施工管理技士が上です。一方で、将来性を重視する場合は、1級施工管理技士補のほうが上と言えます。だからこそ1級施工管理技士補と2級施工管理技士では、どちらのほうが上と一概に言えないのです。
まずは1級施工管理技士補と2級施工管理技士が、現場でできることの違いを見てみましょう。
1級施工管理技士補と2級施工管理技士が現場でできることの違い
1級施工管理技士補と2級施工管理技士が現場で担当できる役割は、それぞれ以下のとおりです。
- 1級施工管理技士補：監理技術者補佐
- 2級施工管理技士：主任技術者
1級施工管理技士補は監理技術者補佐を担当できる
1級施工管理技士補が現場で担当できる役割は、監理技術者の補佐です。
建設業法の改正により、1級施工管理技士補を補佐として配置することにより、監理技術者が複数現場を兼務できるようになりました。そのため1級施工管理技士（監理技術者）が複数現場を兼務しながら、1級施工管理技士補が現場常駐で日々の指揮・管理を担う体制が増えています。
1級施工管理技士補は、現場で以下の業務を担当することが多いです。
- 施工計画書・安全書類の作成と更新
- 日々の工程管理
→協力会社との段取り調整・手配
- 品質管理
→写真管理・検査立ち会い
- 安全管理
→KY・TBMの実施、パトロール
- 発注者・監理者との打合せへの同席
なお1級施工管理技士補の合格だけでは、小規模な現場でも責任者（主任技術者）にはなれません。そのため即戦力かの観点で見ると、2級施工管理技士に劣ると判断されるケースが多いです。
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2級施工管理技士は主任技術者を担当できる
2級施工管理技士は、主任技術者（現場の責任者）を担当できます。建設業法では、すべての工事現場に技術者（主任技術者以上）を配置する義務が定められています。なお2級施工管理技士を持っている方には、以下の権限が得られます。
■一般建設業の営業所専任技術者になれる
建設業許可を取得・維持するために必須の人材になれる。
■現場の主任技術者になれる
請負金額5,000万円未満（建築一式工事の場合は8,000万円未満）の工事で、現場責任者になれる。
なお日本の建設工事では、主任技術者で担当できる範囲内の中小規模工事が多いです。
とくにリフォーム工事や戸建て住宅、地場の道路工事などであれば、2級施工管理技士でも国内のほとんどの現場で責任者として活躍できるでしょう。
そのため現場では、主任技術者（配置技術者）を担当できる2級施工管理技士の評価が高いです。
1級施工管理技士補と2級施工管理技士の転職市場での評価
転職市場における1級施工管理技士補と2級施工管理技士の評価は、それぞれ以下のとおりです。
- 1級施工管理技士補
→若手は将来性が高く評価される
- 2級施工管理技士
→中小現場での即戦力と評価される
1級施工管理技士補の若手は将来性を高く評価されやすい
1級施工管理技士補の若手（20代から30代前半）の方は、将来性やポテンシャルの高さを評価されやすい傾向にあります。なぜなら1級施工管理技士補の方は、1級施工管理技士の第一次検定を突破できるレベルの専門知識があることを証明できるからです。また会社としては、監理技術者補佐で一定の実務経験を任せれば、その後、監理技術者を担当させることも可能になります。
また若手の方なら、1級施工管理技士補でもスーパーゼネコンに転職できる可能性もあります。
実際に当社（プレックスジョブ）では、1級建築施工管理技士補の方（20代前半）が、従業員数が50名規模の地方工務店からスーパーゼネコンへの転職に成功した事例もあります。
そのため1級施工管理技士補の若手（20代から30代前半）の方は、将来性やポテンシャルの高さを評価されやすいですし、業界トップクラスの企業でも高い評価を受けられると言えるでしょう。
2級施工管理技士は転職時に即戦力として評価されやすい
一方、2級施工管理技士は、今すぐ工事現場を任せたいと考えている会社から高く評価されます。
2級施工管理技士が、即戦力として評価される理由は以下のとおりです。
■主任技術者として配置できる
小規模ゼネコン・地方ゼネコン・設備会社・専門工事会社では、2級施工管理技士が即戦力です。
■案件単位での採算に直結する
主任技術者として配置できれば、請けられる工事の幅が広がり、受注単価も上げやすくなります。
また2級施工管理技士は月5,000円〜15,000円の資格手当を支給する会社が多いため、資格手当だけでも年間6万円〜18万円の差がつきます。
まとめ｜1級施工管理技士補と2級施工管理技士はどちらを目指すべき？
結論として、1級建築施工管理技士補と2級施工管理技士のどちらを目指すべきかは、現在の状況や目指したいキャリア・転職先によって変わります。
たとえば20代〜30代前半で、将来的なキャリアの選択肢を広げたい方なら、1級施工管理技士補の取得をおすすめします。一方で「ハウスメーカーなどの小規模な現場で即戦力として活躍したい」という方であれば、2級施工管理技士の取得を目指したほうがよいでしょう。
そのため1級施工管理技士補と2級施工管理技士で悩んでいる方は、これから目指したいキャリアや転職先を決めて、自分の現状を考えたうえで、どちらを取得するかを決めてください。
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