一級建築士と技術士の違い|難易度はどっちが難しい?
  • 転職お役立ち情報
  • 2025/12/03

一級建築士と技術士の違い|難易度はどっちが難しい?

「一級建築士と技術士ってなにが違うの?」 「一級建築士と技術士はどちらが難しい?」 建設業界で資格を取得してキャリアアップを考えている方は、上記のように悩む方も多いです。 結論として、一級建築士と技術士の難易度は同じくらい難しく、両方の試験で1000時間以上の学習時間が必要と言われています。ただし資格が使える仕事内容が異なるため、理想とするキャリアを踏まえて、どちらの資格を先に取得すべきかを判断する必要があります。 そこで本記事では、一級建築士と技術士の役割や仕事内容をそれぞれ詳しく解説します。資格別の違いやダブルライセンスのメリットも紹介するので、ぜひ参考にしてください。 まずは一級建築士と技術士の難易度はどちらが難しいのかを見ていきましょう。

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一級建築士と技術士の難易度はどっちが難しい?先に取るべき資格は?

一級建築士と技術士の資格試験は、求められる専門知識が異なるため、どちらの難易度が高いかは一概に言えません。ただし技術士の合格率が低い分、技術士のほうが難しいと言われています

試験内容としては、一級建築士が専門的な知識を覚えているかを求められる要素が大きい一方で、技術士は正解のない問いに対して、論理的に解決策を出す応用力が求められます。

また一級建築士と技術士のどちらを取得するべきかは、所属する業界や仕事内容で変わります。

たとえばデベロッパーやゼネコンで設計や開発の担当者は一級建築士のほうが向いている一方で、建設コンサルタントや官公庁の土木職の方は技術士が評価されるケースが多いです。

一級建築士と技術士の違い

一級建築士と技術士の大きな違いは、役割や担当する業務範囲にあります。

なお一級建築士と技術士の違いをまとめた表は、以下のとおりです。

比較項目

一級建築士

技術士

資格の特徴

業務独占資格

名称独占資格

主な業務

  • 建築物の設計
  • 工事監理
  • 計画
  • 研究
  • 設計
  • 分析
  • 評価

必要な力

  • 暗記力
  • 図面作成力
  • 法令適合など
  • 論理的思考力
  • 課題解決力
  • 記述力など

主な勤務先

  • デベロッパー
  • ゼネコンなど
  • 建設コンサルタント
  • 官公庁など

一級建築士は独占業務がありますが、技術士に独占業務がないのが大きな特徴となります。ただし技術士は、一級建築士より広範囲の業務を担当するため、一概にどちらが上とは言えません。

一級建築士とは

一級建築士は、国土交通大臣からの認可を受けて、すべての建築物の設計と工事監理を担当できる国家資格です。建築業界の現場で扱える資格においては、トップクラスの資格と言えるでしょう。

一級建築士の役割と業務範囲

一級建築士の役割は、建築物の安全性と質を担保することにあります。建築士法によって、学校・病院・百貨店などの特殊建築物や大規模(一定規模以上)建築物の設計・監理は、一級建築士しか担当できないと定められています。これが一級建築士の独占業務となっています。

そのためデザインセンスが優れている方でも、一級建築士の資格を持っていない方は、設計・工事管理の責任者を担当することはできません。実務の現場においても、大規模オフィスや病院、高層マンション、商業施設などの案件は、一級建築士がいないと仕事が成り立たないことが多いです。

一級建築士の難易度と合格率の目安

一級建築士は、資格を取得する難易度が高く、1000時間以上の学習時間が求められます


■合格率

ストレートの合格率:約8%〜11%

■学習時間

1,000時間〜1,500時間が目安


一級建築士の試験は、学科と設計製図の2段階で実施されます。学科試験では、『計画・環境設備・法規・構造・施工』の5科目から出題されます。また学科だけではなく、設計製図試験も難関です。

設計製図の試験では、6時間を超える長時間の試験で、図面と記述を手描きで作成します。この際、一箇所の重大なミスで即不合格となるため、精神的なタフさと体力が求められるでしょう。

一級建築士を取得するメリット

一級建築士を取得するメリットは、建築業界でのキャリアが広がることにあります。なぜなら一級建築士は、ゼネコンや設計事務所に応募する際に必須の資格ですし、業務独占資格でもあるため、転職や再就職に困ることはまずないでしょう。

また30代〜40代の経験者であれば、年収600万〜800万円以上のオファーも珍しくありません。資格手当も高く、毎月1万円〜5万円の手当がもらえる会社も多いです。さらに一級建築士の取得時に、合格報奨金として数十万円を支給する企業もあり、年収アップの可能性は高いと言えるでしょう。

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関連記事:
一級建築士と1級建築施工管理技士の違いは?ダブルライセンスのメリット

技術士とは

技術士は弁護士・医師・公認会計士・弁理士と並ぶ五大国家資格の一つであり、科学技術に関する高度な応用能力を備えていると証明できる最高峰の国家資格です。

技術士の役割と業務範囲

技術士の役割は、高い専門知識を活用して、複雑な課題(社会課題を含む)を解決することです。

道路・トンネル・河川・都市計画などのインフラ整備において、調査から施工管理までの各段階で指導的な役割を果たします。一級建築士とは異なり、業務独占権がないことが特徴です。

ただし国や自治体が発注する建設コンサルタント業務では、管理技術者も技術士を配置することが求められます。また公共事業での入札時の技術力評価においては、技術士がいる会社は高い評価を受けられます。そのため会社に売上・利益をもたらす資格として、重宝されるのです。

また技術士は、業界全体の技術指導や構造的な問題を考えるための資格でもあります。そのため各企業の課題を解決するだけではなく、社会課題全体を考えられる資格と言えるでしょう。

技術士の難易度と合格率の目安

技術士の試験は、専門的な知識を前提として、技術者としての資質が問われる試験です。


■合格率

ストレートの合格率:約3%〜4%

■学習時間

1,000時間〜2,000時間が目安


技術士の筆記試験は全て記述式です。問題は、『インフラ長寿命化・担い手確保・DX推進』などの時事テーマになります。筆記試験を突破するには、多角的な視点で適切に課題を抽出したうえで、解決策を論理的に記述する必要があります。また口頭試験は、筆記試験合格後に行われる面接で、自身の業務経歴や筆記試験の内容について、試験官と対等に技術的議論ができるかが試されます。

技術士を取得するメリット

技術士を取得するメリットは、以下の3つがあります。

  • 建設コンサルタント業界の出世
  • 官公庁や地方自治体からの信頼
  • 転職市場での高い評価

とくに技術士の有資格者は転職市場でも高い評価を受けられます。なぜなら技術士の有資格者は、公共事業での入札時の技術力評価で加点要素になるからです。大規模な公共工事を受けられれば、その分、会社に与えられる利益のインパクトが大きくなります。

また技術士の有資格者は貴重な人材なので、会社からの評価も高く、出世もしやすくなります。

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一級建築士と技術士のダブルライセンスのメリット

一級建築士と技術士のダブルライセンスのメリットは、建設業界での希少価値が圧倒的に高まりやすいことにあります。なぜなら一級建築士が工事現場を設計から管理まで担当できるプロであり、技術士は建設業界全体を見たうえで開発や改善をできるプロフェッショナルと見られるからです。

たとえば駅前や都市部の再開発工事など、地域一帯を巻き込んだプロジェクトを推進する際にも、一級建築士と技術士の資格を持っている方は、全体統轄者をできるレベルと見られやすいです。

そのため建設業界でのキャリアを突き詰めたい方は、一級建築士と技術士とのダブルライセンスを取得して、希少価値を最大限高めましょう。

まとめ

本記事で紹介したとおり、一級建築士と技術士の違いは、役割や担当する業務範囲にあります。

比較項目

一級建築士

技術士

資格の特徴

業務独占資格

名称独占資格

主な業務

  • 建築物の設計
  • 工事監理
  • 計画
  • 研究
  • 設計
  • 分析
  • 評価

必要な力

  • 暗記力
  • 図面作成力
  • 法令適合など
  • 論理的思考力
  • 課題解決力
  • 記述力など

主な勤務先

  • デベロッパー
  • ゼネコンなど
  • 建設コンサルタント
  • 官公庁など

一級建築士と技術士の資格取得には1000時間以上の学習が必要ですが、見返りは一生使えるレベルです。また勉強する資格を選ぶ際には「一級建築士と技術士のどちらが難しいか」とは考えずに、あなたの今の業務に必須なのはどちらの視点で選ぶほうが年収アップにつながりやすいです。

まずは自身の所属する部署や会社の評価制度を確認して、直近の給与アップや業務拡大に直結する資格から学習を始めましょう。

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