品質管理とは?仕事内容を解説
品質管理とは、製品の品質を一定以上に保ち、不良品が出ないようにするための活動全体を指します。
顧客に信頼される製品を安定して供給するために、工場にとってなくてはならない重要な役割を担っています。
品質管理の仕事は、主に以下の2つの役割に分けられます。
- 検査(製品がルール通りの規格か、傷などはないか)
- ミスの分析と改善(生産工程に問題はないか)
品質管理の仕事である検査の役割は検査工でもあり、ライン工に近いですが、求人では品質管理として出されることも多いです。
品質管理のステップアップの流れは、現場を知る→改善していくスキルと経験をつけるというものです。
品質管理の平均年収は755.2万円!年収の内訳も解説
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品質管理の平均年収は、全産業平均と比較してどのような水準にあるのでしょうか。
厚生労働省によると、品質管理に近い職種に関する公的データとしては生産・品質管理技術者と検査工があります。
結論として、生産・品質管理技術者の平均年収は755.2万円でした。
職種 | 平均年収 | 月収換算 |
|---|---|---|
生産・品質管理技術者 | 755.2万円 | 約62万円 |
検査工 | 427万円 | 約36万円 |
全産業 | 460万円 | 約38万円 |
上記の表から、生産・品質管理技術者は全産業平均を遥かに上回る水準でしっかり稼げる職種であることが分かります。
検査工は品質管理の入門に近く、ここからスキルと経験をつけることで品質管理技術者の水準に近づいていきます。
品質管理の地域別の平均年収
品質管理の年収は、働く地域によっても差があります。
品質管理の年収が高い都道府県トップ5を、以下の表にまとめました。
ランキング | 都道府県 | 平均年収 | 月収換算 |
|---|---|---|---|
1位 | 東京都 | 1044.5万円 | 87万円 |
2位 | 宮城県 | 779.2万円 | 64.9万円 |
3位 | 神奈川県 | 763.4万円 | 63.6万円 |
4位 | 兵庫県 | 712.6万円 | 59.3万円 |
5位 | 千葉県 | 700.4万円 | 58.3万円 |
参考:生産・品質管理技術者 - 職業詳細 | 職業情報提供サイト(job tag)
大手企業がある地域や製造業が盛んな地域では、年収は比較的高い傾向にあります。
また、宮城県にはトヨタ自動車やアイリスオーヤマのような大手企業の生産拠点があるため、品質管理の年収が高い傾向にあります。
以下、品質管理の年収が安い都道府県トップ5をまとめています。
ランキング | 都道府県 | 平均年収(目安) | 月収換算(目安) |
|---|---|---|---|
1位 | 秋田県 | 478.5万円 | 39.8万円 |
2位 | 宮崎県 | 487.8万円 | 40.6万円 |
3位 | 佐賀県 | 527.8万円 | 43.9万円 |
4位 | 北海道 | 536万円 | 44.6万円 |
5位 | 徳島県 | 548.8万円 | 45.7万円 |
参考:生産・品質管理技術者 - 職業詳細 | 職業情報提供サイト(job tag)
上記の表から、秋田県や宮崎県は最も年収の高い東京都と比較すると、500万円以上も平均年収に差があることがわかりました。
ご自身のライフプランと照らし合わせて、どの地域で働くかを検討することが非常に重要です。
応募しようとする会社の給与水準が、その地域の相場と比べて適正かどうかを見極める必要があります。
品質管理の年齢別の平均年収

次に、年齢によって年収がどう変わっていくかを見てみましょう。
年齢区分 | 平均年収(目安) | 月収換算(目安) |
|---|---|---|
~19歳 | 296.71万円 | 24.7万円 |
20~24歳 | 390.24万円 | 32.5万円 |
25~29歳 | 521.55万円 | 43.4万円 |
30~34歳 | 622.05万円 | 51.8万円 |
35~39歳 | 734.85万円 | 61.2万円 |
40~44歳 | 813.36万円 | 67.7万円 |
45~49歳 | 927.35万円 | 77.2万円 |
50~54歳 | 971.59万円 | 80.9万円 |
55~59歳 | 971.24万円 | 80.9万円 |
60~64歳 | 558.64万万円 | 46.5万円 |
このデータからわかることは、品質管理の年収は経験年数に比例して増加しているということです。
また、品質管理の年収は50〜54歳でピークを迎え、1,000万円近くになることが分かります。
参考:生産・品質管理技術者 - 職業詳細 | 職業情報提供サイト(job tag)
品質管理の経験年数別の給料

次に、経験年数による給与の違いを見ていきましょう。
経験年数 | 所定内給与額(月給) |
|---|---|
0年 | 28.08万円 |
1~4年 | 31.49万円 |
5~9年 | 50.63万円 |
10~14年 | 46.67万円 |
15年以上 | 45.82万円 |
参考:生産・品質管理技術者 - 職業詳細 | 職業情報提供サイト(job tag)
上記の表から、経験年数が増えるごとに所定内給与額も増えていることが分かります。
つまり、長年の経験がしっかりと収入につながる環境であるといえるでしょう。
品質管理の年収を製造関連職と比較

品質管理の年収水準をより具体的に理解するために、製造業における他の主要な職種と比較してみましょう。
職種 | 年収 |
|---|---|
生産・品質管理技術者 | 755.2万円 |
機械設計技術者 | 669.4万円 |
電気工事士 | 547.6万円 |
旋盤工 | 465.6万円 |
ボイラー技士 | 458万円 |
溶接工 | 452.5万円 |
検査工(工業製品・食料品等) | 427万円 |
金属プレス工 | 417.3万円 |
工場労務作業員 | 345.4万円 |
参考:生産・品質管理技術者 - 職業詳細 | 職業情報提供サイト(job tag)
上記の結果から、品質管理は製造関連職の中でも高水準と言っても過言ではありません。
製造職の中では年収が極めて魅力的な職種であることが分かります。
品質管理の年収レンジが広い理由
これまで見てきた通り、品質管理の年収は非常にレンジが広いことが分かります。この章では、その理由について解説していきます。
スキルや業務内容による違い
品質管理の年収が大きく異なる最大の要因の一つは、担当する業務内容とスキルレベルによる違いです。
品質管理という一つの名称の下に、以下のような異なる役割が含まれています。
- 検査員(ライン作業の一環)
- 技術者(改善)
検査員やそれに類する業務を経て、技術者へと育成するステップが多く、検査員が入口扱いをされることで、年収レンジも広くなっています。
また、業務内容に加えて役職や年次でも給与は大きく変わってきます。
業界による違い
品質管理の年収は、働く業界によっても大きな差が生まれます。
特に、以下のような需要のある業界は年収が高い傾向にあります。
- 自動車・自動車部品
- 半導体・電子部品
- 医薬品・化学薬品
こうした業界は、以下のような特徴に当てはまることが多いので、求人探しの際は参考にしてみてください。
- 精密さが求められて少し難易度が高い
- 大手企業が多い
- 製品の単価や利益率が高く給料に還元しやすい
一方で、企業によって異なりますが、例えばアパレルや食品などの業界は、製品の利益率があまり高くなく、給料も平均的になりやすい傾向があります。
会社の規模による違い
大手企業の方が中小企業よりも待遇が良いことは多く、福利厚生も充実しやすい傾向にあります。
ただし、大手企業は転職の難易度も高いことがあります。
そのため、以下のようなことを意識して転職活動を進めることがポイントです。
- 規模を問わず高待遇業界に絞って選択肢を増やす
- 非公開求人を紹介してもらう
上記のような方法で、隠れた優良企業を見つけるのがお勧めです。
品質管理に転職するメリット

品質管理の仕事は、単に年収が高いというだけでなく、キャリアと生活の質を向上させる多くの魅力を持っています。ここでは、品質管理の具体的なメリットを詳しく解説します。
年収が高い
実際に改善していくような技術者の平均年収は755.2万円と、製造関連職の中でもトップクラスの水準にあります。
ライン工などと比べて、品質管理は年収の天井が高いのが特徴であり、働く上で大きなメリットになります。
将来性がある
品質管理の仕事は、以下のような特徴から、極めて高い将来性を持っています。
- 手に職をつけられる
- 年齢を重ねても続けられる
品質管理はどの工場でも通用するスキルのため、手に職をつけて働くことができます。
また、体力ではなく「知識」「経験」を活かす仕事であり年齢を重ねても続けることができる仕事です。
身体への負担が少ない
ライン作業員や機械オペレーターは、長時間立ちっぱなしや、無理な姿勢での作業、または重いものを持つなどの身体的な負担が大きいのが実情です。
一方、品質管理には以下のような仕事があります。
- 立ち仕事(製品の測定など)
- 座り仕事(デスクワーク)
このような仕事のバランスがとれているからこそ、身体的に大きな負担も少なく働き続けることができます。
品質管理に向いている人
品質管理という仕事に興味を持ち始めたあなたへ、どんな人がこの仕事に向いているのかをご紹介します。
責任感を持って仕事ができる
品質管理の仕事において、以下のことが非常に大切になります。
- 検査においては、見落とさないこと
- 改善においてはやり切ること
工場の製品の品質を担う、非常に大切な仕事だからこそ、真面目さが武器になります。
「なぜ?」を考えることが好き
品質管理の仕事は、不良品という「結果」に対して、「なぜ?」という問いを投げかけ続ける仕事です。
改善するためにはミスが起きる原因を突き止める必要があります。
知的好奇心があったり、考えて正解にたどり着く達成感に楽しさを感じる人は品質管理の仕事に向いているといえるでしょう。
品質管理になる方法

品質管理の仕事の魅力、年収、将来性を知って、次は「どうすればなれるのか?」という具体的な手段が気になるでしょう。この章では、そんな疑問を解消していきます。
①今の職場で職種を変える
検査工関連の仕事から改善業務へと幅を広げることで品質管理の仕事に就くことができます。
自社の環境に不満がないのであれば、安易に転職せず、今の職場で相談してステップアップするのが良いでしょう。
②転職する
今の職場を続けても将来性がない場合には、転職が最も早い方法となります。
品質管理の募集には、主に以下の2パターンがあります。
- 品質管理として募集
- ゆくゆくは品質管理を任せる前提で別仕事で募集
品質管理の経験有無にかかわらず、プレックスジョブのような製造職特化の転職サービスでエージェントに相談することをおすすめします。
実際にプレックスジョブ利用者の中にも、
設計職か品質管理職か、将来のキャリアパスや市場価値を重視して検討。
といった声があり、品質管理になることに魅力を感じる方は多くいらっしゃいます。
品質管理の年収が気になる人からよくある質問
品質管理へのキャリアチェンジを検討するにあたり、多くの方が抱く疑問についてQ&A形式で解説します。
品質管理は未経験でもなれますか?
なれます。
製造の現場を経験していると有利です。
まずは検査工寄りの仕事が多いかもしれませんが、下記のことを通して品質改善の経験を重ねていくことで、品質管理として一人前になれます。
- 現場理解
- スキル向上
現場理解とは「どの工程で」「どのように」作られているかを知ることです。
機械のクセや作業手順を把握していると、不良品が出た時に「あそこが原因かも?」とピンとくるようになります。
スキル向上は「QC7つ道具」などの分析手法を学んだり、「QC検定(品質管理検定)」の資格取得を目指したりすることで、説得力のある改善ができるようになります。
品質管理の仕事の年収は?
厚生労働省のデータによると、生産・品質管理技術者の平均年収は755.2万円です。
求人における品質管理には検査工に近い仕事も含まれるため、400万円〜が実態と思われます。
年収いくらで勝ち組ですか?
個々人の希望の生活水準次第ですが、全産業平均で年収460万円ですから、500万円以上あれば十分に稼いでいると言えるでしょう。
品質管理の仕事であれば十分にこの水準を超えられます。
まとめ
本記事では、品質管理というキャリアパスの魅力と現実を徹底的に解説しました。
もしあなたが「もう体力勝負の仕事は嫌だ」「知識やスキルで正当に評価されたい」と考えているなら、今こそ品質管理へのキャリアアップに向けて最初の一歩を踏み出すべき時です。
あなたの次のステップとして、まずはこれまでの経験を活かせる品質管理の求人がどれくらいあるのか、市場価値を把握することをおすすめします。
プレックスジョブでは、専門のキャリアコンサルタントが、あなたの年収アップと安定したキャリアの実現を全力でサポートします。



















