タクシー運転手(ドライバー)の平均年収は414.9万円

※令和6年(2024年)民間給与実態統計調査は未公開
平均年収 | |
タクシー運転手※1 | 約414万円 |
日本全体※2 | 約460万円 |
※1.令和 6年タクシー運転者の賃金・労働時間の現況
※2.令和5年分 民間給与実態統計調査
2025年現在、タクシー運転手の平均年収は414.9万円で、日本の全体平均(約460万円)より低めです。
ただし、タクシー業界は社会情勢や需要によって大きく変動する特徴があり、環境次第で年収が伸びる可能性もあります。
近年の動きで見ると、2020年代前半は新型コロナの影響で観光需要が激減。しかし、現在は円安や大阪・関西万博で海外観光客が急増しています。
インバウンド需要によって収入が上がり続けているため、稼げる職業として注目されています。
データ引用元:
令和3年タクシー運転者の賃金・労働時間の現況
令和4年タクシー運転者の賃金・労働時間の現況
令和5年タクシー運転者の賃金・労働時間の現況
タクシー運転手(ドライバー)と他職業の年収を比較

職種 | 全国の平均年収 |
|---|---|
トラック運転手 | 491.9万円 |
フォークリフト運転作業員 | 467.3万円 |
観光バス運転手 | 461.1万円 |
送迎バス運転手 | 461.1万円 |
路線バス運転手 | 461.1万円 |
建築塗装工 | 442.4万円 |
タクシー運転手 | 414.9万円 |
建築板金 | 403.8万円 |
ルート配送ドライバー 宅配便配達員 | 394.5万円 |
引越作業員 | 394.5万円 |
施設介護員 | 345.4万円 |
工場労務作業員 | 345.4万円 |
他職種と比べると、タクシー運転手の年収は中位に位置しています。
ドライバー系の仕事の中でも、大型トラックや観光バスなどは責任範囲が大きく、長時間運行や多数の乗客を預かるため比較的高めの水準です。
一方、ルート配送や介護職は安定はしているものの、成果に応じたインセンティブが少なく、収入を大きく伸ばしにくい傾向があります。
タクシー運転手の特徴は、走行距離や利用客数が給与に反映されることです。自分の努力や工夫が年収を大きく左右します。
タクシー運転手は全国の平均年収を下回っていますが、働き方次第で高収入も叶う職業です。
タクシー運転手(ドライバー)の年収は地域で変わる

タクシー運転手は働き方により年収が変動しますが、最も影響が大きいのは働く地域です。実際にトップ・ワーストの平均年収を比較すると、約290万円以上の差があります。
つまり、タクシー運転手として安定的に稼ぎたいのであれば「どこで働くか」が重要な判断材料となります。
次の項目では、年収が高い地域・低い地域のランキングと、その理由を紹介していきます。
年収が高い地域ランキングTOP5
ランキング | 都道府県 | 年収平均 |
|---|---|---|
1位 | 東京都 | 502.3万円 |
2位 | 埼玉県 | 481.1万円 |
3位 | 愛知県 | 475.1万円 |
4位 | 大阪府 | 457.4万円 |
5位 | 神奈川県 | 420.9万円 |
引用元:タクシー運転手 - 職業詳細 | 職業情報提供サイト(job tag)
ランキングを見ると、タクシー運転手で高収入を得やすいのは、人口が多く、観光やビジネス需要が集中する大都市であることがわかります。
上位の地域では、利用客が途切れにくく、一日の営業回数を安定して積み重ねられます。空港や新幹線駅などの交通拠点があることも要因です。
さらに、近年は円安や国際イベントによる訪日客増加が追い風となり、都市部ではインバウンド需要が大きな収入源となっています。
▼高収入な理由まとめ
- 歩合制の導入が多い(走行距離・利用客数で報酬がもらえる)
- 人が集まる地域ではタクシー需要が高い
- 高需要と歩合制の組み合わせにより、高収入を実現
平均年収が低い地域ランキングWORST5
ランキング | 都道府県 | 年収平均 |
|---|---|---|
1位 | 青森県 | 211.9万円 |
2位 | 徳島県 | 252.6万円 |
3位 | 福島県 | 263.9万円 |
4位 | 秋田県 | 264.2万円 |
5位 | 山形県 | 274.0万円 |
引用元:タクシー運転手 - 職業詳細 | 職業情報提供サイト(job tag)
年収が低い地域では、人口規模の小ささと利用機会の少なさが大きく影響します。
地方では観光需要があっても季節に左右されやすく、年間を通じて安定した収入につなげるのは難しいのが現実です。
ただし生活コストが低いため、収入水準が都市部より低くても暮らしやすさは保ちやすいという利点があります。
地方でのタクシー運転手は「高収入を狙うよりも、地元で安定した生活を維持する」という選択肢として適しています。
▼低収入な理由まとめ
- 利用客数が少ない or 時期での変動があるため、歩合制だと稼ぎにくい
- 歩合制だと収入が極端に少なくなる可能性があり、固定給の割合を大きくしている会社も多い
- 地方ではアプリ配車を導入していない会社もあり、集客が難しい
タクシー運転手(ドライバー)が最も稼げる年齢は?

年齢 | 平均年収 |
|---|---|
20~24歳 | 385.1万円 |
25~29歳 | 456.0万円 |
30~24歳 | 444.4万円 |
35~39歳 | 476.2万円 |
40~44歳 | 482.3万円 |
45~49歳 | 437.9万円 |
50~54歳 | 451.8万円 |
55~59歳 | 463.2万円 |
60~64歳 | 438.1万円 |
65~69歳 | 373.0万円 |
70歳~ | 341.9万円 |
引用元:タクシー運転手 - 職業詳細 | 職業情報提供サイト(job tag)
タクシー運転手の年収は40代前半がピークとなり、平均482.3万円です。経験を重ねて営業力が安定し、体力も十分にあるため、効率よく稼げる年代といえます。
とくに平均年齢が60歳を超えているタクシー業界では、40代や50代の未経験からの転職も珍しくありません。
むしろ働き盛りとして歓迎されやすく、ミドル世代やシニア世代でもしっかりと稼げる環境が整っています。
ここからは年代別に、年収の特徴を具体的に見ていきます。
- 20代~30代の年収傾向
- 50代~50代の年収傾向
- 60代~70代の年収傾向
20代~30代の年収傾向
年齢 | 平均年収 |
|---|---|
20~24歳 | 385.1万円 |
25~29歳 | 456.0万円 |
30~24歳 | 444.4万円 |
35~39歳 | 476.2万円 |
20代からタクシー業界に入った場合、最初は年収がやや低めになりやすい傾向があります。
まだ経験がないため、効率的に営業できるエリアや時間帯を把握しきれないためです。
ただし成長の余地は大きく、勤務を重ねるにつれて土地勘が養われ、流し営業や無線配車を効率良くこなせるようになります。
30代に入ると接客対応力や営業スキルが安定し、徐々に年収が上昇していきます。
若手ドライバーは伸びしろが大きく、努力次第で40代以降の稼ぎ盛りに早く追いつける可能性もあります。
経験を積むことで数字が大きく変わるのが、この世代の特徴といえるでしょう。
40代~50代の年収傾向
年齢 | 平均年収 |
|---|---|
40~44歳 | 482.3万円 |
45~49歳 | 437.9万円 |
50~54歳 | 451.8万円 |
55~59歳 | 463.2万円 |
40代から50代にかけては、最も高収入を実現しやすい年代です。
営業経験と体力が両立しているため、タクシー運転手として最も効率よく収入を伸ばせます。
土地勘や接客スキルが充実し、ピーク時間帯の活用方法も理解しているため、1日の売上を高い水準で安定させやすい傾向にあります。
また、40代~50代はキャリアチェンジ組が多いのも特徴です。
▼タクシードライバーへの転職理由
- 現職は体力的に厳しくなった(建築や長距離ドライバーなど)
- 副業や家庭の事情に合わせて働きたかった
- 成果が収入に評価される仕事を選びたかった
- 運転が好きで、未経験から挑戦するなら今だと思った
営業職やサービス業などから転職してくる人も多く、前職での接客経験がそのまま強みに変わります。
とくに40代は体力・社会経験からタクシー業界で即戦力として期待されるケースが目立ちます。
50代では体力面の課題が出てくるものの、同様にしっかり稼げる世代です。
60代~70代の年収傾向
年齢 | 平均年収 |
|---|---|
60~64歳 | 438.1万円 |
65~69歳 | 373.0万円 |
70歳~ | 341.9万円 |
60歳を過ぎると年収が下がる傾向にあります。これは再雇用制度により雇用形態が変わり、給与や勤務時間が下がることが要因です。
しかし、タクシー業界全体の平均年齢は60.2歳と高めであり、長期的に働くにはぴったりの職業です。
長く安定して収入を得られるため、60歳以降もおすすめの職種と言えます。
タクシー運転手(ドライバー)の給料と歩合制の仕組み

タクシー運転手の給料は、3つの給与パターンがあります。一般的な会社員と違い、歩合制を導入している会社がある点が特徴です。
自分の働き方やライフスタイルに合わせて選べる仕組みがあるため、転職を考える人にとっても安心材料となります。
パターン | 特徴 |
|---|---|
A型 | 安定した収入を得られる |
B型 | 実力次第で大幅な収入アップが叶う |
AB型 | 最低限の収入を確保しつつ成果によって高収入を狙えるバランス型 |
どの給与パターンが自分に合うかで、働き方や収入の安定度は大きく変わります。次の項目では、A型・B型・AB型それぞれの特徴を詳しく解説していきます。
A型(固定給)とは?
A型(固定給)は、あらかじめ決められた給与を受け取れる仕組みの給与体系です。
月ごとに安定した収入が保証されるため、収入の波を気にせず生活設計を立てやすい特徴があります。
メリットは、景気や利用客の増減に左右されず安定して働けることです。収入の見通しが立てられるため、貯蓄などの予定が立てやすいのは大きな利点です。
デメリットは、成果をどれだけ上げても給与が大きく伸びない点です。どれだけ仕事をこなしても、収入に直結しないため、高収入を目指す人にとっては不向きな給与体系です。
B型(歩合給)とは?
B型(歩合給)は、売上に応じて給与が決まる歩合制の方式です。
成績がそのまま収入に直結するため、働けば働くほど高収入を実現できる特徴があります。都市部や観光地など、需要の高いエリアで積極的に働けば大きな成果を出せます。
一方で、利用者が少ない時期や、体調不良などで稼働できない場合、収入が不安定になりやすい側面もあります。
AB型(固定給+歩合給)とは?
AB型は、固定給と歩合給を組み合わせた給与体系です。固定給と歩合給の割合は会社によって異なります。
最低限の収入が保証されているため、最低限の収入担保がありつつ、売上を伸ばせば歩合部分で収入アップが叶います。
デメリットとしては、B型に比べて歩合部分の比率が低めに設定されるケースが多く、爆発的な高収入を狙うには不向きです。
一定の安定を保ちながら成果次第で収入を上乗せできるという点は、幅広い層にとって魅力的といえるでしょう。
タクシー運転手(ドライバー)手取りの計算方法

タクシー運転手の給与体系で最も多い、AB型(固定給+歩合給)の手取り額の計算方法を解説します。
考え方はシンプルで、売上に歩合率をかけ、その後で各種の負担金を差し引いた額が実際の給与です。
計算式にすると次のようになります。
手取り額 = 固定給 +(売上 × 歩合率 − 乗務員の自己負担費用) − 一般的な控除
詳細 | |
乗務員の自己負担費用 | ・事故修理費の一部 |
一般的な控除 | ・所得税 |
例えば歩合率が55%で、売上が50万円だった場合、27万5,000円(50万円 × 0.55)が歩合給です。
歩合率は会社によって異なり、50〜60%前後が多いものの、条件次第でさらに高い設定のところもあります。
売上額が増えれば手取りも比例して伸びるため、営業効率や稼働時間の工夫が収入を大きく左右します。
タクシー運転手で高収入を実現するコツ5選

タクシー運転手で高収入を実現するため、押さえておくべきコツが5つあります。
- 高収入エリアのタクシー会社を選ぶ
- 配車サービスを導入しているタクシー会社を選ぶ
- 歩合制の割合が多いタクシー会社を選ぶ
- 夜・早朝勤務を検討する
- 手当が充実している会社を選ぶ
給与体系や勤務条件を正しく選び、効率的に働く工夫を取り入れましょう。
特に歩合制が導入されている会社では、自分の努力や工夫がそのまま年収に反映されやすいため、戦略的な働き方をすれば平均を大きく上回ることも可能です。
ここからは、5つのポイントを詳しく解説します。
高収入地域のタクシー会社を選ぶ
タクシー運転手で高収入を狙うなら、地域選びを意識することが大切です。
タクシー運転手は歩合制で稼ぐパターンが多いため、高需要な地域で働くことは収入増加に直結します。
例えば、東京都や大阪府のような都市部では人口が多く、ビジネスや観光の利用客が途切れにくいため、1日の売上を安定して積み上げられます。
なかでもイベント会場があるエリアや観光地などは、タクシー需要が高く狙い目です。
できるだけ人口が集中し、観光やビジネス需要が多い地域の勤務を目指しましょう。
配車サービスを導入しているタクシー会社を選ぶ
配車サービスを導入しているタクシー会社を選ぶと、効率よく稼ぐことが可能です。
従来のタクシー運転手は、街を走りながら手を挙げるお客様を探す「流し営業」が中心でした。
しかし配車サービスがあれば、利用者がスマホアプリから直接タクシーを呼べます。運転手は空車のまま街を走り回る必要がなくなり、効率的に乗客を獲得できます。
項目 | 配車サービス | 流し営業 |
|---|---|---|
配車方法 | スマホアプリからお客様が直接タクシーを呼ぶ | 街を走りながら運転手がお客様を探す |
代表例 | GO・S.RIDE など | なし(従来の営業スタイル) |
集客 | 乗車が事前に確定しているため効率的 | 運やタイミングに左右されやすい |
空車時間 | 少ない | 長くなりがち |
収入面 | 安定して売上を積み上げやすい | 日や時間帯によって変動が大きい |
歩合制は、効率の良い営業がそのまま収入に直結します。配車サービスを活用できる環境は、高収入を目指すうえで大切なポイントです。
歩合制の割合が多めなタクシー会社を選ぶ
高収入を目指すなら、歩合制の割合が多めの会社を選びましょう。
固定給の割合が大きい会社は安定感がある反面、どれだけ忙しく働いても収入は一定の範囲にとどまります。
歩合比率が高い会社では、乗せたお客様の数や距離に応じて給与が直接増えるため、成果を出した分だけ収入アップが可能です。
目安の歩合比率 | |
平均 | 50%~60% |
高収入におすすめ | 55%~60% |
トップレベルを目指すなら | 60%~ |
ただし、歩合制は集客できなかった場合に売上が立たないというリスクもあります。地域によっては配車自体が少なく、かえって収入が低くなる場合があるため注意が必要です。
求人票を見るときには、以下のようなポイントを確認しておきましょう。
- 配車サービスの導入有無
- 専用のタクシー乗り場があるか:
- 会社のモデル年収
また、転職エージェントを活用すると、収入イメージや集客方法などを確認してもらえます。求人票から収入イメージがわかない方は、相談してみましょう。
夜・早朝勤務を検討する
夜間や早朝の勤務は、同じ実労働時間でも収入が増えやすいです。
- 深夜早朝割増が適用される
- 会社により特別手当も支給される
- 稼働しているタクシーの台数が少なく、競争相手が減る
- 単価の高い運行がある(終電後や空港へ向かう早朝利用など)
しっかり収入を伸ばしたい方にとっては狙い目の働き方と言えます。
手当があればなお良し!
収入を底上げしたいなら、手当が充実している会社を選びましょう。手当は以下のようなものがあります。
- 無事故手当
- 皆勤手当
- 資格手当
- 通勤交通費の支給
- 高速道路ETC料金の支給
- 事故補填
手当は会社によって変わるもの、自己負担額が大きいと実際の手取り額が少なくなってしまうため、確認しておきましょう。
タクシー運転手は成果次第で収入が変動しやすい仕事ですが、手当や昇給制度を活用すれば、安定性と収入アップの両方を実現しやすくなります。
タクシー会社の年収を詳しく知る方法
タクシー会社の年収を調べるときは、求人票から以下2つをチェックしておきましょう。
- 基本給と給与の内訳
- 歩合比率がどれくらいか
そのため、実際の手取りと一致せず「思っていた収入と違った」というギャップが起きやすく、注意が必要です。
より確実に知りたい場合は、転職エージェントを利用する方法がおすすめです。エージェントを通すことで、以下のような確認ができます。
- 給与の詳しい内訳
- 地域ごとの給与相場
- 営業スタイル(配車サービスの有無など)
また、転職サイトが取り扱っている会社であれば、エージェントを通して条件面の相談も可能です。
さらに面接で聞きにくい情報も事前に把握できるため、入社後のミスマッチを防ぎやすいメリットもあります。
- 会社の雰囲気(成果主義、やる気重視など)
- 福利厚生
- 勤務シフト
- 残業について など
例えばプレックスジョブでは、上記のほか、一般には公開されていないタクシー求人の紹介も可能です。費用0円で相談できるため、ぜひご活用ください。
タクシー転職で失敗や後悔しないためのポイントを知りたい方はこちらもご覧ください。
関連記事:タクシー転職の失敗例と後悔しない働き方|安心して始める方法
まとめ
タクシー運転手の平均年収は約414万円で、全国平均の460万円と比べるとやや低めです。
ただし、タクシー業界は歩合制を採用しているため、どれだけお客様を送迎できたかによって年収は変わります。
トップクラスのタクシー運転手になると、年収800万円以上稼ぐことも可能です。
「タクシー運転手に転職を考えている」「高収入を叶えたい!」という方は、給与条件と年収モデルをしっかりと確認しておきましょう。
しかし、求人票の情報には全てが掲載されているわけではありません。収入の内訳や、実際の稼ぎ方を詳しく知りたい方は、転職エージェントの活用をおすすめします。
給与の内訳や会社の実態を事前に把握できれば、働き始めてからのミスマッチ後悔を防げます。
タクシー運転手として高収入を目指すなら、まずは情報収集の仕方を工夫することが大切です。


















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