自動車整備士の平均年収

自動車整備士の平均年収は約442.8万円(※)です。
全産業の平均である約478万円と比較すると、数字の上ではやや低い水準に見えるかもしれません。
しかし、この442.8万円という数字は、あくまでも見習いからベテラン、民間工場から大手ディーラーまでをすべて合算した平均値です。
具体的に「月々の手元にいくら残るのか」をイメージしやすいよう、額面と手取りの概算をまとめました。
項目 | 概算金額 | 備考 |
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平均年収(額面) | 約442.2万円 | 賞与・諸手当を含む総支給額 |
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推定月収(額面) | 約28万〜30万円 | ボーナス支給額により変動 |
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推定月収(手取り) | 約22万〜24万円 | 社会保険料・税金控除後 |
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※手取り額は居住地や扶養家族の有無、社会保険料率により前後します
実際には、勤務先の形態や扱うメーカー、保有している資格によって、同じ「整備士」という職種でも100万円単位の年収格差が生じています。
もし現在の手取り額が20万円を下回っているようなら、業界平均よりも低い環境にいる可能性が高いといえるでしょう。
ここからは、年収を左右する具体的な要因を詳しく解き明かしていきます。
※参照:令和7年度 自動車特定整備業実態調査結果の概要について
【メーカー別】平均年収ランキング
どのメーカーのディーラーで勤務するかは、整備士の給与水準に直結する重要な要素です。
下記は、主要メーカー別の初年度の推定平均年収です。
メーカー名 | 推定平均年収(初年度) |
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BMW | 464.4万円 |
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メルセデス・ベンツ | 463.0万円 |
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スズキ | 459.0万円 |
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ポルシェ | 454.7万円 |
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ホンダ | 443.0万円 |
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トヨタ | 442.3万円 |
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ダイハツ | 424.0万円 |
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スバル | 415.0万円 |
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日産 | 405.6万円 |
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マツダ | 400.2万円 |
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※プレックスジョブ独自調べ
上位にはBMW、メルセデス・ベンツ、ポルシェといった輸入車ブランドが並びます。
これらのメーカーは車両単価や工賃設定が高く、利益が整備士の給与やインセンティブに反映されやすいのが特徴です。
国内メーカーではスズキやホンダが平均を大きく上回っていますが、これは各販売会社の資本力や、地域ごとの手当の充実度が影響しています。
ランキング下位のメーカーであっても、これはあくまで全体の平均であり、特定の優良販売会社ではさらに高収入を狙えるケースもあります。
関連記事:ディーラー整備士の平均年収は?民間工場との比較やメーカー別給与・年収アップのコツを解説
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年齢別の平均年収
自動車整備士の年収は、現場経験を積み、役割が変わっていくにつれて以下のような推移を辿るのが一般的です。
年代 | 平均年収 |
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20代 | 約330万〜380万円 |
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30代 | 約420万~480万円 |
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40代・50代 | 約500万〜600万円以上 |
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20代は主に実務経験を積みながら、2級や1級といった上位資格の取得を目指す期間となります。
この時期にどれだけ技術を吸収し、資格手当を上乗せできるかが、30代以降の昇給幅を大きく左右するでしょう。
30代に入ると現場の主軸として難易度の高い整備を任されるようになり、年収450万円を突破できるかどうかがキャリアにおける一つの大きな境界線です。
結婚や住宅購入などのライフイベントが重なる時期でもあるため、現在の勤務先で納得のいく昇給カーブが描けているかを見極めなければなりません。
40代・50代では、現場リーダーや工場長、あるいはフロント職への移行によって管理職報酬が加算されるようになります。
ここでマネジメント層へ昇進して年収600万円以上の高待遇を掴む層と、一般整備士として年収が横ばいに留まる層とで、給与格差が顕著に現れる傾向があります。
どの世代であっても、自分の年齢における平均値と現在の給与を比較し、将来の理想とする生活水準に届く環境に身を置いているか、客観的に見極めることが重要です。
ディーラー・民間工場の年収の差

ディーラーの平均年収535.1万円に対し、民間整備工場は約401.5万円と、約130万円もの開きがあります。
下記のような評価構造の違いが、年収の差につながっています。
項目 | ディーラー | 民間整備工場 |
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評価基準・給与体系 | 評価制度が明確。 残業代は1分単位で支給され、資格手当や家族手当などの諸手当がクリーンに設計されている。 | 昇給額や賞与の算出基準が曖昧で、経営者の裁量や業績に左右されやすい。 |
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努力だけではこの差を覆すことは難しいです。
給与を重視するのであれば、体制が整っているディーラーに就職するのが得策といえます。
整備士資格等級別(1級・2級・3級)の平均年収
保有している資格の等級は、基本給のベースや毎月の資格手当に直結します。
等級別の年収相場と手当の目安は以下の通りです。
資格等級 | 資格手当(月額目安) | 年収相場 |
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3級整備士 | 5,000円 | 300万〜380万円 |
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2級整備士 | 10,000円 | 380万〜440万円 |
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1級整備士 | 15,000円 | 420万〜550万円 |
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資格手当による月々の数千円〜数万円の上乗せはもちろんですが、それ以上に重要なのがキャリアの制限です。
上位資格(特に1級や自動車検査員)は、工場長などの役職に就くための必須条件となっていることが多いため、資格の有無が生涯年収において数千万円の格差を生むことになります。
関連記事:1級自動車整備士の年収はいくら?平均年収や2級整備士との差、収入アップのコツを解説
2級自動車整備士の平均年収は?1級整備士との差や仕事内容、給料アップのポイントを解説
稼げる自動車整備士になるための転職のポイント

現在の職場で「いつか給料が上がるはず」と待ち続けても、会社の給与体系そのものが低ければ大幅な年収アップは望めません。
効率よく稼ぐためには、努力が正当に反映される土俵選びが不可欠です。
ここからは、失敗しないための転職のポイントを解説します。
民間工場ではなくディーラーに就職する
年収450万円以上を確実に狙うなら、ディーラーへの転換が最も再現性の高いルートです。
資本力のあるディーラーは、民間整備工場と比較して福利厚生の充実度が圧倒的に異なります。
基本給のベースが高いことはもちろん、家族手当や住宅手当、さらには基本給の◯ヶ月分と明確に規定された賞与など、月給以外の総年収を押し上げる仕組みが整っています。
残業代が1分単位で計算されるクリーンな労務環境も、ディーラーならではの大きなメリットです。
待遇が良い販売会社を選ぶ
同じメーカーの看板を掲げていても、運営する販売会社によって年収には大きな差が生じます。
求人票の表面的な数字に惑わされないよう、以下の5つのポイントを確認してください。
項目 | 確認すべき内容 | 影響・特徴 |
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メーカー直営か地場資本か | 運営会社の資本形態 | メーカー直営は賞与や昇給が安定しやすい一方、地場資本は会社ごとの格差が激しい傾向にある。 |
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賞与の前年度実績 | 「年5.0ヶ月分」など、具体的な支給実績が明記されているか | 「賞与あり」という文言だけではない具体的な実績を確認することが重要。 |
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残業代の支給形態 | 「固定残業代(みなし残業)」の有無 | 全額支給の会社であれば、繁忙期の頑張りがそのまま月収に反映される。 |
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資格手当のルール | 等級が上がった際、手当が「上書き」されるのか「加算(積み上げ)」されるのか | ルールによって月々の手取り額が変わる。 |
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インセンティブの有無 | 個人や店舗の目標達成に応じた報奨金制度があるか | 制度がある会社は年収の伸び代が大きくなる。 |
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大型・特殊車両の整備の求人を選ぶ
年収600万円以上の高水準を目指すなら、大型トラックやバス、あるいは建設機械などの特殊車両整備という選択肢も有力です。
これらの車両は普通車に比べて工賃単価(レバーレート)が高く設定されており、それが整備士の給与水準にもダイレクトに還元されています。
「大型車両は難易度が高そう」と感じるかもしれませんが、実は未経験から挑戦できる求人もあり、門戸は広く開かれています。
もちろん、二級自動車整備士の資格があることが望ましいですが、入社後に働きながら資格取得を目指せるサポート体制を整えた企業が少なくありません。
物流や建設といった社会インフラを支える分野であるため、景気に左右されにくく需要が極めて安定しているのも特徴です。
重量物の扱いに慣れるまでは体力が必要ですが、特殊な技術を身につければ希少価値の高い整備士として、将来にわたって高待遇を維持できるでしょう。
関連記事:トラック整備士の平均年収はいくら?乗用車整備士より給料は高いのか・年収アップのポイントを解説
整備士求人を多数扱うエージェントに相談する

ハローワークや一般的な求人情報だけでは、実際の賞与支給額や現場の本当の残業時間といった内部情報を掴むのは困難です。
こうした求人票の裏側にある実態を知るには、業界特化型のエージェントを活用するのが最短ルートです。
整備士求人を6,000件以上抱えるプレックスジョブでは、各企業の給与体系を熟知したアドバイザーが転職をサポートします。
あなたの現在のスキルや保有資格を最も高く評価してくれる職場を提案してくれるため、ミスマッチのない年収アップが可能になります。
今いる会社・転職先で整備士として年収アップする方法

転職でスタートラインを上げることは重要ですが、入社後にどのように自身の市場価値を高めていくかも年収アップには欠かせません。
ここからは、整備士としての技術力を給与という形に変えるための具体的な戦略を3つ解説します。
上級の整備士資格・検査員資格を取得する
最も確実で即効性があるのは、上位資格の取得です。
とくに2026年現在は特定整備制度の運用が本格化しており、自動ブレーキなどの電子制御システムを扱える1級自動車整備士の希少価値が極めて高まっています。
また、車検の最終判定を行う自動車検査員の資格は、現場において必要不可欠な存在です。
多くの企業で、検査員には月額2万〜5万円程度の高額な資格手当が設定されています。
資格は単なる知識の証明ではなく、会社に対する給与交渉の強力な武器になると認識しましょう。
関連記事:自動車検査員の平均年収はいくら?整備士よりも稼げるのか・給与アップのポイントを解説
マネージャーや工場長などの役職に就く
現場の作業員から、店舗や工場を管理するマネジメント側へキャリアアップすることで、年収の天井を大きく押し上げることが可能です。
工場長やサービスマネージャーといった役職に就けば、現場の作業手当に加えて役職手当や管理職報酬が加算されます。
年収水準は600万〜800万円台に到達し、大手販社であれば年収1,000万円の大台も現実的な目標となります。
技術を磨くだけでなく、数値管理や後輩育成のスキルを磨くことが、高年収への最短距離です。
接客・販売に力を入れ、インセンティブで稼ぐ
整備だけが仕事という固定観念を捨て、フロント業務や提案営業に力を入れることも有効な手段です。
近年の整備業界では、追加整備の提案やタイヤ・バッテリー等の用品販売、さらには車両の紹介(代替え提案)に対してインセンティブを出す企業が増えています。
自分の技術的な説明が顧客の納得感を生み、それが売上に繋がれば、翌月の給与にダイレクトに反映される面白さがあります。
技術力に営業力を掛け合わせることで、基本給に依存しない収入源を構築することが可能です。
自動車整備士の年収は今後どうなる?将来性を解説
EV(電気自動車)の普及や自動運転技術の進展に伴い、整備士に求められるスキルと年収構造は劇的に変化しています。
結論からいえば、今後の整備士業界は「単純な消耗品交換を行う層」と「高度な電子制御技術を持つ専門職層」で、年収の二極化が加速するでしょう。
2024年から開始された「OBD車検(電子制御装置車検)」や特定整備制度により、スキャンツールを使いこなす診断技術は不可欠となりました。
ITや電子工学の知識を併せ持つ1級整備士や検査員の市場価値はかつてないほど高まっており、企業側も年収600万〜800万円以上の高待遇を提示して人材を確保する動きを強めています。
また、深刻な人手不足を背景に、2026年現在は業界全体で基本給の引き上げや休日増加といった待遇改善が急ピッチで進行中です。
特に20代〜30代の若手整備士は、転職市場において複数の内定から条件の良い会社を選べる「売り手市場」の恩恵を最も受けやすい立場にあります。
最新の設備が整い、教育体制や昇給制度が確立された環境を選び直すことは、技術変革が激しいこれからの時代において、将来の経済的安定を勝ち取るための有効な戦略といえます。
自動車整備士の給与に関してよくある質問
自動車整備士の年収や待遇について、現場の方々から多く寄せられる疑問をQ&A形式でまとめました。
自動車整備士はディーラーに勤めると年収はいくらくらいですか?
A.ディーラー勤務の平均年収は約535万円です。
民間整備工場の平均約402万円と比較すると、約130万円高い水準にあります。
メーカーの看板を背負うディーラーは、基本給の設定が高めであることに加え、資格手当や家族手当などの諸手当が充実しているのが特徴です。
とくに大手販社や輸入車ディーラーでは、さらに高い年収を狙える求人も多く存在します。
関連記事:ディーラー整備士の平均年収は?民間工場との比較やメーカー別給与・年収アップのコツを解説
自動車整備士のボーナスはいくらですか?
A.年間で平均80万〜100万円程度が目安です。
ただし、賞与は勤務先の企業規模によって格差が非常に激しい項目です。
大手ディーラーでは基本給の5ヶ月分といった明確な支給実績がある一方で、小規模な民間工場では業績や経営者の裁量に左右され、年間で1〜2ヶ月分に留まるケースもあります。
安定したボーナスを希望するなら、支給実績が公開されている企業を選ぶことが重要です。
一級自動車整備士の月収はいくらですか?
A.月収約30万円以上が一般的な目安となります。
多くの会社で、1級保持者には月額15,000円前後の資格手当が支給されます。
また、1級整備士は高度な診断業務や工場長候補として期待されるため、基本給そのものが2級や3級よりも高く設定されるケースがほとんどです。
役職手当や検査員手当が加われば、月収40万円を超えるケースも珍しくありません。
トヨタの整備士の給料はいくらですか?
A.トヨタ系ディーラーの初年度平均年収は約442.3万円です。
国内最大のシェアを誇るトヨタは、給与水準も安定しています。
ただし、トヨタのディーラーは複数の独立した販売会社によって運営されているため、会社ごとに賞与の月数や資格手当の額に差があります。
全国一律の給与ではないため、各販社の具体的な求人票を確認することが大切です。
関連記事:トヨタディーラーの整備士の平均年収は?他メーカー比較や年代別の給料を解説
整備士経験を活かして別の仕事に転職する人はいますか?
A.車両構造の知識を活かし、板金塗装へ転向する方が一定数います。
数値やマニュアルに基づいて修理を行う整備士に対し、板金塗装は視覚や指先の感覚を駆使して元通りに復元する仕事です。
どちらも自動車に関する専門知識が必要ですが、よりクリエイティブな職人技を磨きたい、手に職をつけて独立を視野に入れたいという方にとって、板金塗装は非常に魅力的な選択肢となります。
関連記事:板金塗装の平均年収はいくら?未経験でも稼げるのか・収入アップのポイントを解説
まとめ
自動車整備士として年収を上げたいのであれば、まずは現在の給与が業界平均の約442.8万円と比較して妥当か、客観的に判断することが不可欠です。
もし「毎日必死に働いているのに手取りが増えない」と感じているなら、その原因は個人のスキル不足ではなく、勤務先の給与構造にある可能性が高いといえます。
メーカーの選択やディーラーへの転換、そして上位資格の取得は、年収を100万円単位で変える大きなインパクトを持っています。
特に2026年現在は、整備士不足による売り手市場が続いており、経験のある若手から中堅層にとって、より良い条件を勝ち取る最大のチャンスです。
今後、今の環境で5年後、10年後と働き続ける未来が描けないのであれば、それはキャリアを見直すべき重要なタイミングです。
まずは、自動車整備士の求人を6,000件以上扱うプレックスジョブへご相談ください。
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