フルトレーラーの構造

まずはここでフルトレーラーの構造についてをわかりやすくご説明いたします。
フルトレーラーとは
フルトレーラーとはフル(すべて)トレーラー、つまりほぼすべての荷重がトレーラーにかかる車のことを言います。最大の全長は25mまでの長いトレーラーで、見た目はトラックの後ろに別の荷台がくっついている大型の車両です。
一度に大量の荷物が積める車両ですが、最後尾のトレーラーを切り離せば普通の大型車として荷物を運ぶことも可能です。
フルトレーラーにはドリーと言われる台車の付いたドリー式と、中央部分に車軸があるセンターアクスル式のトレーラーがあります。
フルトレーラーの運転に必要な免許
フルトレーラーを運転する条件は、大型免許とけん引免許を取得することです。
大型免許は普通免許・準中型免許・中型免許・大型特殊免許のいずれかを取得し、運転経歴が3年以上あり、視力などの身体条件を満たしていることが取得条件です。
けん引免許は一種と二種があり、二種は他の人を乗せられるのですが日本では一種が一般的です。一種は18歳以上から取得可能なのですが、大型免許の取得が先だとすると3年の運転経歴が必要なので、早くても21歳になってから取得すれば良いでしょう。
免許取得するには指定自動車教習所に通いましょう。早く免許の取得をしたいと思う場合は、合宿での免許取得をおすすめします。
牽引免許の取得についてはこちらもご覧ください。
関連記事:牽引免許取得は難しい?需要が高まる牽引免許の取得方法やコツ・難易度を解説!
フルトレーラーの運転は難しい
フルトレーラーの運転はとても難しいです。スムーズに運転できるようになるためには経験が必要ですし、運転席から連結部分までの距離が長いというのが一番の難しい理由かもしれません。
右左折をする時はもちろん、バックする時はさらに難しくなってしまいます。車体が大きくなる分、バックや車庫入れは特に高度な技術と経験が必要になります。普段から練習をして感覚を身体で覚えるしかないという部分も、運転の難しさを物語っているのかもしれません。
フルトレーラーの運転が難しい理由
ここではフルトレーラーの運転がどうして難しいと言われているのか、その理由を簡単にお話いたします。
連結部がある
なぜフルトレーラーの運転が難しいのかというと、それは連結部分があるからに他なりません。
例えば連結が無いトラックだと動力がそのまま後ろに伝わるので、通常通りのバックをすれば良いのですが、動力がまっすぐ伝わらないので思ったように動かせません。
連結方式には連結部分がターンテーブルのようになっていて2軸のドーリー式と、棒状の連結器がついている1軸のセンターアクスル式がありますが、どちらかというと連結部分が動くドーリー式よりも、動かないセンターアクスル式の方が運転しやすいでしょう。
後ろが見えない
フルトレーラーは全長がとても長い(最長25m)ので、後方が見にくいどころかほとんど見えません。そのため後方の安全確認が肉眼で行うことができないので、特にバックする時には非常に不安を感じてしまうものなのです。
しかし、そうした中でも安全運転をしなくてはなりません。
運転しながら後方の確認をしっかりとするためにも、多くのフルトレーラーの運転手は後ろにカメラを取り付けて、カメラの映像をみながら安全にバックしています。
スネーキング現象・ジャックナイフ現象
トレーラーは普通のトラックとは違って、トレーラーならではの現象が起こる可能性があります。
それが『スネーキング現象』や『ジャックナイフ現象』という現象です。この二つの現象は非常に危険な現象で、フルトレーラーの交通事故にも関係しています。
スネーキング現象は左右に揺さぶられる現象で、お尻を振られてしまいその状態がどんどん大きくなっていき、上から見るとまるで蛇が動いているように見える現象です。
ジャックナイフ現象は連結部分がくの字に折れ曲がる大変危険な現象です。
フルトレーラー運転のコツ

ここではフルトレーラーの運転をする時のちょっとしたコツなどをご紹介いたします。
フルトレーラー左折のコツ
フルトレーラーが左折する時は内輪差が大きくなりやすいので、左折するためにトレーラーが車線をはみ出してしまうことがあります。これは車体が長いほどホイールベースの距離が長くなるからです。
左側には縁石がある道路が多いので、下手すると乗り上げてしまい歩行者やバイクや自転車などと接触する可能性があるので、できるだけ右側に頭を振って内輪差に気を付けながら左折をしなくてはならないでしょう。
ただしこの時右側の対向車に十分気を付けながら操作する必要があります。
フルトレーラーバックのコツ
フルトレーラーでバックする時は後方をカメラでチェックしながら安全にバックします。バックする際には動力がまっすぐに伝わらないので左右へ振れやすく、折れやすくなるのでハンドル操作はこまめに切り返します。
こまめに切り返しをすることで車体が触れるのを防げます。こまめに切り返しをするのはまっすぐに車体を調整するためです。
セミトレーラーとは逆で右にバックする時は右に、左にバックする時は左に切ります。
これも慣れが必要になるので日々練習をしてコツを掴みましょう。
フルトレーラーの車庫入れ
車庫に入れる時は車庫に対して垂直になるようにしなくてはなりません。
まずは車庫入れする時の安全確保をしっかりと行い、連結部分が2つある場合は1つを固定しましょう。こうすることでセミトレーラーと同じ操作で車庫入れができます。
まずは車庫と垂直になるようにくの字になるように止め、その状態で角と接触しないようドアミラーで角度を見て少しずつバックしていきます。
急ぐことはないのでゆっくりとハンドルを調節しながら車庫入れをしましょう。
誰かに後ろを確認してもらいながらバックすると良いでしょう。
フルトレーラー運転のコツをつかめるおすすめ動画
実際にフルトレーラーの運転のコツをつかめるかもしれないおすすめの動画をご紹介いたします。
車内カメラで右左折のハンドル操作がわかる
こちらの動画ではフルトレーラーで右左折する時の様子を社内カメラで紹介している動画です。
ハンドルの調節のやり方を直接運転手の目線で見ることができるので、大変参考になります。
左折する時には大きくハンドルを切らずこまめに切って、後ろのトレーラーが車線からはみ出さないよう制御する方法がわかりやすいのが特徴で、特にナレーションや説明しながらではないので、現実味があり非常に学びになると感じます。
こちらのチャンネルではハンドル操作だけではなく、トレーラーの運転操作について色々な動画をアップしているのでおすすめです。
お手本のような左折
こちらの動画ではフルトレーラーの模範的な左折の操作が紹介されています。
実際に左折する時にはどのようにフルトレーラーが動いているのかがとてもわかりやすく映し出されています。ただしこの動画では外側から見た映像です。
どのようにハンドル操作をしているのかは見えにくいので、前項で紹介されたハンドル操作を参考にすると良いでしょう。イメージトレーニング用としておすすめの動画です。
他にもバックする映像もアップしているのでぜひ参考にしてください。
トレーラーバック時のハンドル操作
こちらの動画は最初の動画の方がバックする時のハンドル操作を解説しながら運転している動画です。
どこに注目をすれば良いのかがわかりやすく説明されていて、うまいトレーラーの運転手からコツを学ぶことができます。
車内カメラにて実際にハンドル操作をする様子も見られるので、どのくらいハンドルを切ればバックする時に車体をまっすぐにできるのか、目安を知ることができます。
上手になると素早くバックができるので、トレーニングのお供にもおすすめです。
トレーラーの車庫入れ
この動画は2番目のおすすめ動画と同じ方があげていて、トレーラーがバックして敷地内に侵入する時の動画が見られます。スムーズにどこにもぶつからずにバックしている様子がわかります。
公道で車庫入れしなくてはならない時にはドキドキしてしまいがちですよね。でも焦らず一発で車庫入れしてしまう様子は圧巻です。
どのようにしてスムーズにバックすればいいのか悩んでいる方にはとてもおすすめの動画です。
ただし細かな説明やハンドル操作などについて説明があるわけではないので、イメージトレーニング用としてご覧ください。
車庫入れで車体を折るタイミングがわかる
こちらの動画は、フルトレーラーが実際にバックする時の連結の部分の動きを見ることができます。
どのタイミングで連結部分が動いているのか、つまりどのタイミングでハンドルを切れば良いのかがわかります。
また、前の車両がどのタイミングで動くと連結部分が曲がっていくのかをじっくりと見ることができるのもおすすめの理由です。
ハンドル部分は見られませんが、動きを把握するのにおすすめです。
まとめ
今回はフルトレーラーという特殊な車両の運転をする時に注意する点、そして左折・バックなどの運転のコツ、さらにフルトレーラーのタイプや構造についてご紹介しました。
この記事がフルトレーラーのことを知りたいという方の助けになれば幸いです。




















