運送業/トラック運転手にボーナスはある?ない?

まず、運送業やトラック運転手全体のボーナス事情について把握しておきましょう。
ボーナスがない会社
運送業界への就職や転職を検討している方に覚えておいてほしいのは、そもそもボーナスがない会社も少なからず存在するということです。これは、運送会社では歩合制が採用されていることが一般的であるためです。
歩合給のある給与体系では、普段から業績を上げていれば多くの給料を受け取ることができます。その代わりに賞与がないというパターンが多いのです。
ボーナスが出る会社もある
とはいえ、全ての運送会社でボーナスが出ないわけではありません。大手の運送会社では規則によって給与体系がしっかりと定められていますし、事業規模や売上高の大きさから賃金を支払う体力もあります。
そのため、全国展開しているような大手企業であれば賞与の制度を有している見込みが高いと言えます。このことは裏を返せば、歩合給の割合が高い運送会社ほど零細企業である可能性が高いということでもあります。
そうした中にはいわゆるブラック企業も存在しますので、転職の目安として頭の片隅に入れておくと役立つことがあるかもしれません。
年代別運送業のボーナス平均額

日本ではまだまだ年功序列という考え方が強く残っているため、勤続年数によってボーナスの金額も変わってきます。各年代の平均ボーナス額と、働き方について確認しておきましょう。
参照:全日本トラック協会 2023 年度版 トラック運送事業の賃金・労働時間等の実態
20代
20代の平均ボーナス額は約31万円と言われています。注意しなければならないのは、若いうちは人によってボーナスの額にも差がつきやすいであろうという点です。
- 免許や資格を取得しているかどうか
- 仕事にどれほど習熟しているか
などによってもらえる金額は変わってきます。最初のうちは少額かもしれませんが、そこで諦めることなく仕事に打ち込んでいけば、自ずと周囲との差も埋まり、ボーナスも上がっていくでしょう。
また、あくまでもこの調査結果は「全日本トラック協会の調査に回答した企業」となるので、回答していない中には平均から大きく離れた企業もあるかもしれません。
30代から40代
働き盛りの年齢では、ボーナスは30万円前後になります。30代で約35万円、40代で約40万円といったところでしょうか。この年代は勤続年数も長くなってきますし、人によっては役職もついてきます。
スキルアップ、キャリアアップの分がボーナスに反映されることになるわけです。もっとも、20代のときと比べて肉体的に衰えてくることも確か。無理がきかなくなってきますから、業績をあげ続けるためにも健康管理について真剣に考えていくことが必要です。
50代から60代
50代でのボーナス額は平均約39万円であると言われています。充分な経験を積んでいる反面、体力は40代の時分に輪をかけて落ちてきている頃ですから、日々の健康管理がいっそう重要になってくる年代ですね。
60代になると体に負担のかかる仕事ができなくなってくる関係上、ボーナスの平均額も下がります。64歳までで33万円程度、再雇用制度を使って働く65歳以上のドライバーでは27万円程度になるとされています。
会社の規模別運送業のボーナス平均額

次に、会社の規模でボーナス額がどれほど変わってくるかを見ていきましょう。
大手運送会社
大手企業の場合、給与体系が規則によって厳格に定められているはずです。したがってドライバーであろうと他の職種であろうとボーナスの計算方法は変わりません。大抵の場合、基本給+職能給+役職手当で求められることになるでしょう。
ボーナスは年2回、多いところでは3回。1回のボーナスにつき30万円~50万円が支給されるでしょう。
大手運送会社の年収が気になる方はこちらもご覧ください。
関連記事:ヤマト運輸ドライバーの年収・給料は高い?【2025年版】実データや他社比較で徹底解説
日本通運ドライバーの年収・給料は高い?【2025年版】実データや他社比較で徹底解説
中小運送会社
すでに述べたとおり、中小の運送会社ではボーナス制度がないこともしばしばです。経営自体を何とかやりくりしている状態の会社も多く、そうしたところは人件費に多額を割けないほど台所事情が苦しいのです。
ボーナスがゼロというわけではなくとも、寸志程度と考えておいたほうが無難でしょう。10~99人の企業の場合、年間で約28万円が平均です。
ボーナスが出る運送会社を選ぶ方法

ここまでのことを踏まえたうえで、ボーナスが出る運送会社に就職するためにはどうすればよいかを考えていきます。
やはり大手企業が有利
大手企業は給与体系が定められており、ボーナスも規則に明記されているケースが多いです。ドライバー職でも基本給の割合が高く歩合給が少ないため、安定しています。
また、給料面だけでなく作業の手順などもマニュアル化されている場合が多いため、仕事の覚えも早いでしょう。より多くのボーナスを望むなら、やはり大手企業に就職するのが効果的です。
就職時にしっかりチェック
大手企業に就職するのであれ中小企業に応募するのであれ、求人情報に目を通し、ボーナスの有無を確認しておくことが基本となります。
運送業界では歩合給の割合がどれほどあるかも重要なポイントなので、その点もチェックしておくとよいでしょう。
トラック運転手の平均年収・給料が気になる方はこちらもご覧ください。
関連記事:大型トラック運転手の平均年収はいくら?手取りや地域差・仕事内容での違いを解説
歩合制のメリットとデメリット

先述のとおり、仕事をこなした量や業績によってインセンティブが働くのが歩合制です。成果報酬と言い換えればわかりやすいでしょうか。
ドライバー職とは切っても切れない関係にある歩合制。そのメリットとデメリットについて見ていきましょう。
運送業界が歩合制を導入する理由
一般的に、歩合制といえば営業職が連想されるのではないでしょうか。営業マンは会社に売上をもたらすことが第一の世界ですから、契約を取れば取っただけ給料をもらえることが多いですよね。
ドライバーもまた、荷物を多く運べるほど優秀と見なされる世界です。ただし、セールスに関する能力が大事な営業マンと違って、ドライバーで大切になってくるのは本人のやる気です。
一日に複数回の運行をこなすようなモチベーションを喚起するには、成果を給料に反映させることが有効というわけです。
歩合制のメリット
歩合制を導入するメリットは、もちろんドライバーのモチベーションの向上です。働いた分だけ給料が増えるのであれば働こうという気になりますし、評価基準としてのわかりやすさもあります。
歩合制のデメリット
歩合制は成果をあげた者ほど報酬が高くなる仕組みですから、仕事ができないと当然給料が低くなってしまいます。
不景気で荷物が減っているときだと自動的に稼げなくなってしまいますし、そうでなくともドライバーは体力勝負ですから、年齢を重ねると不利になってしまうかもしれません。
まとめ

ドライバーとして働いていくうえで、給料・ボーナスがいくらもらえるのかは非常に重要な決め手です。就職や転職をする際に求人情報をよくチェックして、給与体系やボーナスの有無について確かめておくことをおすすめします。


















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