ユニック車とは?
ブームとフック部分をまとめて「クレーン」と呼ぶ
ユニック車とは、荷台とキャビンの間に小型クレーンを装備したトラックのことです。
正式名称は「積載型トラッククレーン」や「車両積載形トラッククレーン」と呼ばれます。
最大の特徴は、一台で荷物の積み込み・運搬・荷下ろしのすべてを完結できる点です。そのため、人力では持ち上げられない重量物を扱う現場で重宝されます。
【活躍する現場例】
- 建設・土木現場: 鉄筋、木材、コンクリートブロックの搬入
- 設備工事: 受変電設備(キュービクル)やエアコン室外機の設置
- 造園・農業: 庭石や樹木の運搬、フレコンバッグの積み下ろし
なぜ「ユニック」と呼ばれるのか?
ユニック(UNIC)とは、古河ユニック株式会社の登録商標です。
同社が国内で初めてこのタイプのクレーンを販売し、圧倒的なシェアを誇ったことから、メーカーを問わず「ユニック車」という呼び名が現場の共通言語として定着しました。
ユニック車の種類
ユニック車は、ベースとなるトラックのサイズ(最大積載量)によって種類が分かれます。
区分 | 目安の車格 | 主な吊上能力 | 主な用途 |
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小型ユニック車 | 2tクラス | 約2.0〜2.9t | ・住宅資材、エアコン、小型機械の搬入 ・狭小地や住宅街での作業 |
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中型ユニック車 | 3〜4tクラス | 約2.9〜4.0t | ・建築資材、仮設材、設備機器の搬送 ・建設現場、設備工事全般 |
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大型ユニック車 | 6〜10tクラス | 約4.0〜5.0t以上 | ・重量鋼材、大型機械、コンテナの設置 ・プラント、土木工事 |
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高所作業対応型 | 各クラス | 機種により異なる | ・電設工事、看板設置、精密作業など |
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セルフローダー型 | 4〜10tクラス | 約2.9〜4.9t | ・建設機械の積み下ろし ・重機回送 |
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小型・中型・大型ユニック車は、最も一般的なユニック車です。運ぶ荷物ごとに、クレーンの吊上能力にあわせて使い分けます。
高所作業型ユニック車とは、クレーンのアーム部分が長く細かく動かせるのが特徴のユニック車です。ラジコン操作も可能で、高所の狙った場所に荷物を置くことができます。
セルフローダー型ユニック車とは、荷台を傾け地面に寄せ、重機や車両が自力で積み込めるように設計された特殊車両です。

正式名称は「ハイジャッキセルフ」ですが、「ユニック車」や「セルフローダー」の呼び名が定着しています。
ユニック車を公道で走るなら「運転免許」が必要
ユニック車を公道で運転するには、クレーンの操作資格とは別に、車両の総重量・最大積載量に応じた自動車運転免許が必須です。
必要な免許 | 乗れる車両の目安 | 取得費用の目安 | 取得期間の目安 |
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普通免許 | 総重量3.5t未満 | 約25〜30万円 | 1ヶ月〜3ヶ月 |
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準中型免許 | 2t・3tユニック車 | 約30〜35万円 | 2週間〜1ヶ月 |
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中型免許 | 4tユニック車 (総重量11t未満) | 約15〜20万円※ | 2週間〜1ヶ月 |
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大型免許 | 10tユニック車 (総重量11t以上) | 約25〜35万円※ | 1ヶ月〜2ヶ月 |
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※中型・大型の費用・期間は、すでに普通免許を所持している場合(限定解除・ステップアップ)の目安です。
免許の取得方法(指定自動車教習所の場合)
- 指定自動車教習所に入校
- 適性検査(視力・聴力など)を受ける
- 技能講習・学科教習で車両の大きさに合わせた運転技術と知識を習得
- 教習所内での実技試験に合格する
- 運転免許センターにて適性検査を受ける
- 運転免許センターにて試験を受ける
- 免許証交付
ユニック車を扱うには、運転免許に加えて、クレーンを操作するための吊り上げ荷重に応じた資格が必要です。
次は、現場で必須となるユニック車の操作資格について詳しく解説していきます。
関連記事:大型免許とは?取得方法から費用・日数まで徹底解説!
ユニック車で操作するとき必要な免許・資格は2つ

ユニック車で荷役作業(積み降ろし)を行うには、以下の2種類の資格を揃える必要があります。
公道を走るための「自動車免許」だけでは、クレーンを動かすことも、荷物をワイヤーに掛けることも法律で禁止されています。
現場で作業を行うなら、必ずセットで取得しましょう。
移動式クレーンの操縦資格
移動式クレーンの操縦資格とは、ユニック車のブーム(クレーンの腕)を動かすために必要な資格です。
操縦資格を取得することで、重い荷物を吊り上げ、指定の場所に配置する「クレーン操作」が可能となります。
扱う荷物の重さ(吊り上げ荷重)によって、必要な資格が3段階に分かれています。
資格名 | 吊り上げ荷重 | 難易度 | 費用目安 | 取得期間目安 |
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移動式クレーン運転特別教育 | 0.5t 〜 1t未満 | 低 | 1.5万円~2万円 | 2日間 |
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小型移動式クレーン運転技能講習 | 1t 〜 5t未満 | 中 | 3万円~5万円 | 3日間程度 |
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移動式クレーン運転士免許 | 上限なし | 高 | 10万~17万円 | 6日間〜 |
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①移動式クレーン運転特別教育
吊り上げ荷重 0.5トン以上 1トン未満 の移動式クレーンを操作できる資格です。試験はなく、講習を最後まで受講すれば取得できます。
【一般的な取得の流れ】
- 各都道府県の労働基準協会や、民間の教習所へ申し込む
- 学科講習(9時間)でクレーンに関する知識、原動機、電気、関係法令などを学ぶ
- 実技講習(4時間)で実際の操作や合図のやり方を学ぶ
- 全日程終了後、その場で、もしくは後日郵送で交付される
②小型移動式クレーン運転技能講習
吊り上げ荷重1トン以上 5トン未満の移動式クレーン(主にユニック車など)を操作できる資格です。
【一般的な取得の流れ】
- 各都道府県の労働基準協会や、民間の教習所へ申し込む
- 学科講習(13時間)でクレーンに関する知識、原動機、電気、関係法令などを学ぶ
- 実技講習(7時間)で実際の操作や合図のやり方を学ぶ
- 規定のコースを時間内に正確に操作できるかチェックを受ける
- 合格すれば即日〜数日で「技能講習修了証」が発行される
③移動式クレーン運転士免許
吊り上げ荷重 5トン以上を含む、すべての移動式クレーンを操作できる国家資格です。ラフテレーンクレーン(ラフター)などの大型重機を扱うのに求められます。
教習所に通い、免許取得を目指すのが一般的です。
【一般的な取得の流れ】
- 指定自動車教習所のような「登録教習機関」で実技教習を受ける
- 教習所内での実技試験に合格する
- 実技教習修了証をもらう(国家試験の実技が1年間免除)
- 安全衛生技術センター(学科試験)で学科試験(4科目)を受験
- 学科試験合格後、東京労働局免許証発行センターへ申請を行う
- 厚生労働省から写真入りの免許証が郵送される
玉掛けの作業資格
玉掛けの作業資格とは、吊り荷をワイヤーロープなどの用具でフックに掛ける、または外す作業を行うための資格です。
クレーン操縦者が吊るのと同時に、荷物を固定する人にも資格が必要です。
現場ではクレーン操縦者が一人で両方の作業を兼務することが多いため、ユニック車を扱うなら玉掛け資格は必須といえます。
資格名 | 吊り上げ荷重 | 難易度 | 費用目安 | 取得期間目安 |
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玉掛け特別教育 | 1t未満の作業 | 低 | 1万円~2万円 | 3日間 (約19時間) |
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玉掛け技能講習 | 1t以上の作業 | 低 | 2万円〜4万円 | 3日間 (約19時間) |
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玉掛け資格の取得方法
- 資格の種類を選ぶ(吊り上げ荷重で決まる)
- 講習を受ける機関を探す
- 申し込み・受講
- クレーンの知識、力学、法令、吊り具の選定、合図法、玉掛け・玉外し作業を学びます。
- 試験に合格する(技能講習のみ)
- 修了証の受領
学科試験は講習内容から出題され、各科目40%以上・合計60%以上で合格です。
実技試験は合図の正確さ、質量目測、用具選定、玉掛け・玉外しの一連の流れが評価されます。玉掛けはリスクの伴う作業のため、危険行為は一発不合格となる可能性もあります。
関連記事:玉掛けとは?クレーン作業には必須の資格、玉掛け免許の取得方法まで詳しく紹介!
ユニック車によくある質問
ユニック車にあるよくある質問をまとめました。ひとつずつ解説していきます。
- ユニック車とクレーン車の違いは?
- ユニック車とレッカー車の違いは?
ユニック車とクレーン車の違いは?
A.「クレーン車」は移動式クレーン全般を指していて、「ユニック車」はその中の一種です。
項目 | ユニック車 (積載型トラッククレーン) | クレーン車 (ラフテレーンクレーン等) |
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役割 | 荷物の積み込み 運搬 荷下ろし | 重量の吊り上げ 高所への配置に特化 |
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構造 | トラックの荷台がある | 荷台がなく、走行とクレーン機能のみ |
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強み | 一台で資材搬送まで完結できる | ユニック車では届かない高さや重さに対応 |
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最大の違いは、荷物を運べるかどうかにあります。
移動式クレーンという広範な総称の中に、走行とクレーン操作を両立するクレーン車が含まれます。その中でも、トラックの荷台に小型クレーンを載せたタイプを通称として、ユニック車と呼びます。
ユニック車とレッカー車の違いは?
A.ユニック車は資材の運搬を目的とした車両で、レッカー車は車両の救出・牽引を目的としています。
見た目は似ていますが、用途と装備が明確に異なります。
項目 | ユニック車 (積載型トラッククレーン) | レッカー車 |
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役割 | 荷物の積み込み 運搬 荷下ろし | 故障・事故車両の吊り上げ 牽引(移動) |
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構造 | トラックの荷台がある | 車両を固定するアームや牽引装置がある |
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強み | 一台で資材搬送まで完結できる | 溝に落ちた車などの救出と牽引 |
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建築現場では、働いている方によってユニック車を指して「レッカー」と言うことがあります。
本来のレッカー車とは別物ですが、現場の文脈では吊り上げができる車両を総称して呼んでいるケースもあるため、作業内容を確認して対応しましょう。
ユニック車とは運搬とクレーン作業を一台でこなせる専門車両
ユニック車とは、トラックの荷台とキャビンの間に小型クレーンを備えた車両で、正式には車両積載形トラッククレーンと呼ばれます。
ユニック車の仕事をするには、免許と資格の両方が必要です。以下の組み合わせを取得しておけば、多くの現場に対応できます。
- 中型免許以上(4tユニック車を想定)
- 小型移動式クレーン運転技能講習(1t〜5t未満)
- 玉掛け技能講習(1t以上)
この3点を揃えておけば、実務で求められるユニック車作業の大半をカバーできます。
とくにクレーン操作と玉掛けはセットで求められることが多く、現場では必須の資格といえるでしょう。
ユニック車の運転・操作ができる人材は、資格と実務スキルが必要な分、誰でもすぐに代替できる仕事ではありません。
そのため、一般的なトラックドライバーと比べて専門性が高く、給与水準・年収が高めに設定されている求人が多いのが特徴です。
運転+クレーン操作という付加価値を持つことで、以下のようなメリットがあります。
- 現場で重宝される
- 長く安定して働ける
- キャリアアップや収入アップにつながりやすい
せっかく専門性の高いユニック車を扱うなら、条件の良い職場で働きたいところです。
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