日本通運ドライバーの平均年収
まず、日本通運のドライバーが平均してどれくらいの年収を得ているのか、信頼性の高いデータから見ていきましょう。
日本通運ドライバーの平均年収は567万円
結論からお伝えすると、日本通運の公式データに基づく平均年収は567万円です。これは、2021年3月期の有価証券報告書に記載されている数値で、ドライバー職を含めた全従業員の平均となります。
従業員数 | 平均年齢 | 勤続年数 | 平均年間給与(円) |
34,766人 | 43.7歳 | 16.0年 | 5,671,532円 |
ここで一つ注意点があります。日本通運は2022年1月にホールディングス体制へ移行したため、現在公開されている有価証券報告書の年収データは、主にホールディングス勤務の総合職のものが中心となります。そのため、現場で働く従業員の実態を知る上では、移行前のこの2021年のデータが最も信頼性の高い公式情報となります。
ただし、この567万円という数字には、トラック配送以外のトレーラー輸送や、専門性の高い警備輸送、重量品建設といった部門の従業員、さらには事務職なども含まれています。そのため、一般的なトラックドライバーの年収とは多少の乖離がある可能性はありますが、企業全体の給与水準の高さを知る上で非常に重要な指標です。
ドライバー全体や日本の平均年収との比較
この567万円という数字がどれほど高い水準なのか、トラックドライバー全体や日本の全産業の平均年収と比較してみましょう。
項目 | 平均年収 |
|---|---|
日本通運株式会社 | 567万円 |
トラックドライバー全体 | 491万円 |
全産業平均 | 460万円 |
引用元:日本通運 2021年3月期 有価証券報告書
厚生労働省 job tag トラック運転手
国税庁 令和5年分民間給与実態統計調査
ご覧の通り、日本通運の平均年収は、トラックドライバー全体の平均を約76万円、全産業の平均を100万円以上も上回っています。この事実は、日本通運が業界のリーディングカンパニーとして、従業員に対して非常に手厚い待遇を提供していることの何よりの証拠と言えるでしょう。安定した環境で高い収入を目指したいと考えるドライバーにとって、非常に魅力的な企業であることは間違いありません。
▼無料・簡単30秒で登録完了!
高収入・人気求人を見てみる
実際の求人から日本通運の初年度年収や年収目安をチェック

日本通運全体の平均年収は高いことが分かりましたが、未経験から入社した場合や、若手のうちはどれくらいの収入が見込めるのでしょうか。実際の求人情報から、よりリアルな年収目安を見ていきましょう。
ケース①東京都の場合
まず、東京都の多摩エリアで募集されているトラックドライバー(契約社員)の求人を見てみましょう。必須免許は普通免許および準中型免許で、入社後に必要な資格は会社の支援で取得可能と、未経験者にも門戸を開いています。
この求人における想定年収は400万円~430万円(シフト勤務あり、残業20時間見込み)と記載されています。
引用元:日本通運 経験者採用サイト
求人票に給与の内訳は明記されていませんが、仮に賞与を年4ヶ月分と仮定すると、月収は25万円程度と推測できます。何よりも注目すべきは、未経験からスタートできる求人であっても、想定年収の下限が400万円に設定されている点です。
入社1年目からでも、日本の平均年収に近い収入を得られる可能性があるというのは、転職者にとって大きな安心材料となるでしょう。
ケース②宮城県(地方都市)の場合
次に、地方都市の例として、宮城県の都城支店 総合物流センターの求人を見てみましょう。こちらも必須免許は普通免許および準中型〜中型免許です。
こちらの求人では、月給 21万5,000円以上と記載されており、賞与は年2回(6月・12月)、昇給もあるとされています。
引用元:日本通運 経験者採用サイト
年収を計算してみましょう。仮に賞与が年4ヶ月分だとした場合、
- 月給21.5万円 × 16ヶ月(12ヶ月+賞与4ヶ月分)=約344万円
となります。もちろん、これに残業手当などが加算されます。
東京の求人と比べると額面は下がりますが、これは地域ごとの物価や家賃水準を反映したものです。生活コストが低い地方都市で、初年度から350万円近い年収が見込めるというのは、十分に安定した水準と言えるでしょう。
日本通運ドライバーの給与体系はどうなっている?

高い年収と安定した給与を支える仕組みは、どのようになっているのでしょうか。給与の内訳や福利厚生について解説します。
日本通運ドライバーの給料の仕組み
日本通運ドライバーの給料は、主に「基本給」と「各種手当(時間外手当、通勤手当など)」で構成されています。求人情報を見る限り、歩合給の記載はないため、ヤマト運輸や佐川急便のように、成果をインセンティブ(歩合給)として給与に大きく反映させる形ではないようです。
安定した基本給と手当をベースに、着実に収入を積み上げていく給与体系であると推測されます。
ドライバーにとって最も気になるサービス残業の有無については、実際に働く社員の口コミが参考になります。
ある50代男性(契約社員)のドライバーは、
「働いた分はしっかりと報酬として返ってくるのでサービス残業はない」
引用元:就活会議
と述べており、コンプライアンス意識の高い大手企業ならではの、クリーンな労務環境が伺えます。求人票だけでは見えにくい部分ですが、こうした実態があるのは非常に安心できるポイントです。
日本通運ドライバーの福利厚生
日本通運が「長く働ける会社」と言われる所以は、業界トップクラスの充実した福利厚生にあります。
- 「育児休業」や「時短勤務」、「子の看護休暇」
- 勤続年数が10年、20年、30年に達した際に、連続10日間の特別休暇が取得できる「賞与休暇制度」
- 将来の資産形成をサポートする「社員持株制度」
などがあります。目先の給与だけでなく、社員一人ひとりのライフプランに寄り添い、長期的なキャリアを支えるという会社の考えが、これらの制度から見て取れます。安定した環境で、腰を据えて働きたいと考える方にとって、これ以上ない環境と言えるでしょう。
引用元:日本通運 技能職採用サイト 福利厚生
【年収目安で比較】日本通運vs 他大手3社のドライバーの初年度年収と年収の質

業界内での日本通運の立ち位置をより明確にするため、ヤマト運輸、佐川急便、西濃運輸という大手3社と、実際の求人情報から算出した初年度年収を比較してみましょう。
初年度年収で比較
各社の「未経験歓迎」の求人情報をもとに、初年度から3年目程度の年収レンジを推計しました。
会社 | 月収目安 | 年収目安 |
|---|---|---|
日本通運 | 約21万円~27万円 | 約335万円~430万円 |
ヤマト運輸 | 約25万円~26万円 | 約400万円~415万円 |
佐川急便 | 約25万円~34万円 | 約400万円~515万円 |
西濃運輸 | 約35万円~42万円 | 約560万円~670万円 |
引用元:日本通運 経験者採用サイト
ヤマト運輸 中途採用 セールスドライバー
佐川急便 中途採用
西濃運輸 ドライバー求人情報
※各社から東京の求人を参照
※年収は月給+賞与(実績不明の場合は4ヶ月分と仮定)で手当抜きで算出
※佐川急便の月収は手当込みか不明
この比較表を見ると、日本通運以外の上限年収の高さが目立ちます。これは、彼らが個人宅への配送を主軸とし、インセンティブ(歩合給)の割合が大きいためです。一方、日本通運の求人では、安定志向の給与体系であることが伺えます。
関連記事:ヤマト運輸ドライバーの年収・給料は高い?【2025年版】実データや他社比較で徹底解説
しかし、冒頭で見たように日本通運の平均年収は高いという事実もあります。これは、日本通運が企業間物流を主軸とし、大型トラックやトレーラー、あるいは専門知識を要する高単価な輸送案件を数多く手掛けているため、ドライバー全体の平均年収が高くなる傾向にあると考えられます。
▼無料・簡単30秒で登録完了!
高収入・人気求人を見てみる
年収の質で比較(働き方・将来性)
年収の「額」だけでなく、働きやすさという「質」の面でも比較してみましょう。
会社(ドライバー職) | 残業時間(目安) | 年間休日(目安) | キャリアパスの透明性 |
日本通運 | 月20時間見込み | 114日 | 非公開情報が多い |
ヤマト運輸 | 月25時間程度 | 118日 | 明確(グループ長→所長) |
佐川急便 | 月45時間程度 | 108日 | 明確(管理職、他職種へ) |
西濃運輸 | 月42時間程度 | 111日 | 明確(リーダー→管理職) |
引用元:日本通運 経験者採用サイト
ヤマト運輸 中途採用 セールスドライバー
佐川急便 中途採用
西濃運輸 ドライバー求人情報
この比較で際立つのは、日本通運の残業時間の少なさです。他社が月40時間を超える例もある中で、月20時間見込みというのは、ワークライフバランスを重視する方にとって非常に大きな魅力です。
実際に休暇制度が多いので、長く安定して働ける環境にしようという方針が伺えます。
一方で、キャリアパスについては他社が求人で明確な昇進ルートを公開しているのに対し、日本通運は求人における情報が少ないのが現状です。また、後述しますが、正社員ドライバーの求人が常にあるわけではないため、こまめな情報収集が重要になります。
ドライバーとして年収を上げるには

日本通運への転職も視野に入れつつ、ドライバーとしてさらに年収を上げるための普遍的な方法を3つご紹介します。
①今の会社で年収を増やす
まずは、現在の職場で収入を増やす方法です。転職せずとも、自身の努力で年収を上げることは可能です。
- 運転できるトラックの種類を増やす(免許取得):中型免許から大型免許へ、さらに牽引免許へとステップアップすることで、担当できる業務の幅が広がり、手当がつくなど給与アップに繋がります。
大型免許の取得方法はこちら
牽引免許の取得方法はこちら - 専門的な資格を取得する:荷物の積み下ろしに必須の「フォークリフト」や、特定の荷物を運ぶために必要な「高圧ガス移動監視者」などの資格は、自身の市場価値を高め、仕事の選択肢を広げます。
フォークリフトの資格取得方法はこちら
高圧ガス移動監視者の資格取得方法はこちら - 働き方を変える:より高い手当がつく「長距離輸送」を担当したり、「深夜帯」に働いたりすることで、収入を大きく増やすことができます。ただし、体力的な負担も増えるため、自身のライフスタイルと相談しながら検討しましょう。
長距離ドライバーの年収についてはこちら
②より待遇の良い会社に転職する
現在の職場で昇給が見込めない場合、より良い待遇の会社へ転職するのが最も効果的な年収アップの方法です。ヤマト運輸は確かに魅力的な選択肢ですが、必ずしも採用されるとは限りませんし、他にも優良な運送会社は数多く存在します。
大切なのは、自分が転職で何を最も重視するのか(給与、休日、勤務地、仕事内容など)を明確にし、多くの選択肢の中から比較検討することです。給与アップを最優先するなら、日本通運のような大手・元請けの運送会社や、危険物輸送用のタンクローリーなど、高い専門性が求められる分野に特化した会社を狙うのが定石です。
しかし、自分一人で数多ある求人の中から最適な一社を見つけ出すのは大変な作業です。そんな時に頼りになるのが、運送業界に特化した転職エージェントの存在です。
▼無料・簡単30秒で登録完了!
実績豊富なエージェントに完全無料で相談してみる
③キャリアアップをする
ドライバーとして現場で走り続けるだけでなく、経験を活かして管理職を目指すというキャリアパスもあります。代表的なのが、ドライバーの配車管理や安全指導、労務管理などを担う「運行管理者」です。
現場を熟知している運行管理者は、会社にとって非常に貴重な存在であり、その需要は年々高まっています。ドライバー職に比べて体力的な負担が少なく、安定した収入を得られるため、年齢を重ねた後のキャリアとして非常に魅力的です。国家資格である「運行管理者」の資格取得が、このキャリアへの第一歩となります。ドライバーとしての経験は、管理職になった際に必ず活きてくるでしょう。
運行管理者の年収については、こちらの記事で詳しく解説しています。
関連記事:プレックスジョブ 運行管理者の年収/給料はどれくらい?一般的な月給や賞与、資格手当などについても解説
日本通運のドライバーへの転職を目指す人からよくある質問
最後に、日本通運への転職を検討している方からよく寄せられる質問にお答えします。
未経験でも大丈夫?
はい、求人条件を満たしていれば未経験でも問題ありません。 多くの求人では「未経験歓迎」と明記されており、必須免許も普通免許から応募可能な場合があります。
入社後に、業務に必要な資格取得を支援してくれる制度も整っているため、安心してキャリアをスタートできます。日本通運は事業の幅が非常に広いため、入社後に様々なキャリアを広げられる可能性も秘めています。
年齢が高くても採用される?
求人票に年齢制限の記載がなければ、年齢を理由に不採用になることはないでしょう。ただし、一部の求人では、長期的なキャリア形成を目的として応募年齢を35歳までと定めているケースもあるようです。応募の際は、募集要項をしっかりと確認しましょう。
勤務地や配属先は選べますか?
はい、選べます。日本通運のドライバー求人は、各支店や営業所ごとに募集が行われています。そのため、自分が希望するエリアの求人に応募することで、希望の勤務地で働くことが可能です。
契約社員と正社員はどちらが良いですか?
結論から言うと、長期的なキャリアを考えるのであれば、基本的に正社員をおすすめします。 契約社員は、契約期間が満了した際に更新される保証がなく、昇給や賞与、退職金といった面で正社員と大きな差がつくことがほとんどです。
特に注意したいのが、「正社員登用制度あり」という言葉です。制度があっても、実際に登用されるためのハードルが非常に高かったり、実績がほとんどなかったりするケースも少なくありません。
契約社員で良いのなら来て欲しいと言われたけど断りました。正社員で募集して契約社員で採用しようとしてきます。1年ほど頑張って正社員になれるのか疑問ですが、私は辞退しました。
引用元:JobTalk
という口コミもあります。
安定したキャリアを築きたいのであれば、最初から正社員として採用してくれる求人に絞って転職活動を進めるのが最も賢明な選択です。
まとめ
この記事では、日本通運のドライバーの年収について、様々な角度から詳しく解説してきました。
- 公式データに基づく平均年収は567万円と、業界トップクラスの高水準。
- 未経験でも初年度から年収400万円以上を目指せる求人もあり、安定性が高い。
- 残業が少なく、福利厚生が非常に充実しており、長く働ける環境が整っている。
- ただし、契約社員の求人も多くあり、正社員としての採用は狭き門である可能性も。
日本通運は、そのブランド力、安定性、待遇のいずれをとっても、ドライバーにとって非常に魅力的な企業です。しかし、あなたにとっての「最高の職場」は、日本通運ではないかもしれません。
大切なのは、一つの企業に固執するのではなく、正社員として採用してくれるか、あなたの希望する働き方ができるかなど、幅広い選択肢の中から、あなたのキャリアプランに最も合った一社を見つけ出すことです。
「自分にはどんな会社が合っているんだろう?」「正社員で働ける優良企業を効率よく探したい」 そう感じたら、ぜひ一度、私たちプレックスジョブにご相談ください。運送・物流業界を専門とする私たちが、あなたの転職活動を成功に導くため、全力でサポートします。




















