ヤマト運輸ドライバーの年収
まず、ヤマト運輸のドライバーが一体どれくらいの年収を得ているのか、全体の相場から見ていきましょう。
ヤマト運輸ドライバーのリアルな年収目安は約330~700万円
結論から言うと、ヤマト運輸のセールスドライバーの年収目安は、約330~700万円が目安となります。算出方法は下記に詳しく書いておりますが、下限は手当抜きなので実態はさらに高いでしょう。
引用元:ヤマト運輸 中途採用 セールスドライバー
※年収目安の算出方法は実際の「未経験歓迎」の求人から以下の形で算出しています
下限:月給+賞与で地方都市(福岡)・独身から算出(手当抜きの最低値)
上限:月収例+賞与で東京・勤続3年・配偶者+子1人から算出(手当込み)
賞与は実績がない場合、月収の4ヶ月分を反映
実は、ヤマト運輸はドライバー職の平均年収を公式には公表していません。親会社であるヤマトホールディングスの有価証券報告書に記載されている平均年収(2025年3月期で1,226万円)は、総合職の数値であり、実態とは大きく異なります。
引用元:ヤマトホールディングス2025年3月期有価証券報告書
そのため、実態を知るには、実際の求人や面接で確認するのが一番です。また、働く社員の口コミ、転職エージェントの情報が目安を知る情報源となります。
ドライバー全体や日本の平均年収との比較
ヤマト運輸のリアルに到達可能な年収目安が、世間的に見てどういった水準なのか、ドライバー全体や日本の平均年収との比較をしてみましょう。
項目 | 年収の目安 |
ヤマト運輸セールスドライバー | 約330~700万円 |
トラックドライバーの平均 | 約491万円 |
日本の平均 | 約460万円 |
引用元:厚生労働省 job tag トラック運転手
国税庁 令和5年分民間給与実態統計調査
特に注目すべきは、上限である約700万円という数字です。これは、トラックドライバー全体の平均(約491万円)や日本の平均年収(約460万円)を200万円以上も上回る、トップクラスの収入と言えます。
もちろん、下限の約330万円は平均より低いですが、これは地方都市の手当抜きで本当に下限の数字です。条件付きではありますが、勤続3年という到達可能な年数で700万円という高収入を目指せる給与体系は、ヤマト運輸の待遇がいかに優れているかを示していると言えるでしょう。
実際の求人からヤマト運輸の初年度年収やモデル年収を詳細にチェック

リアルな収入イメージを掴むために、実際に出されている求人情報を見てみましょう。ここでは、大都市圏(東京)と地方都市(福岡)の2つのケースをご紹介します。(2025年9月時点)
ケース①東京都の場合
東京の目黒自由が丘営業所(セールスドライバー職)の求人を見てみましょう。 基本月給は249,510円~256,710円となっており、これに各種手当が加算されます。昇給は年1回、賞与は年2回(昨年実績あり)です。
注目すべきは、具体的な月収例です。
- 年齢30歳・勤続3年・残業25時間・扶養家族(配偶者+子1人)・23区内居住の場合 → 440,500円
- 年齢30歳・勤続3年・残業25時間・独身・23区内居住の場合 → 387,000円
この例から、勤続3年で安定した昇給が見込めること、そして扶養手当だけで月額5万円以上の差が生まれることがわかります。特に、家族を支える方にとって、この手厚い手当は非常に大きな魅力と言えるでしょう。年収に換算すると賞与抜きでも500万円を超える水準となり、都市部での安定した生活基盤を築くことが可能です。
ケース②地方都市(福岡県)の場合
次に、福岡の久留米北営業所(セールスドライバー職)の求人です。 基本月給は202,070円~214,790円で、昇給・賞与の条件は東京と同様です。
具体的な月収例は以下の通りです。
- 【月収例】年齢30歳・勤続3年・残業25時間・扶養家族(配偶者+子1人)・久留米市内居住の場合 → 319,500円
- 【月収例】年齢30歳・勤続3年・残業25時間・独身・久留米市内居住の場合 → 299,000円
月収額は東京に比べて低くなりますが、これは地域手当や物価水準の違いによるものです。重要なのは、地方都市においても、30歳・勤続3年で月収30万円前後、年収では400万円近い収入が見込めるという点です。
家賃などの生活コストが都市部より低いことを考慮すれば、むしろ地方の方が可処分所得が多く、ゆとりのある生活を送れる可能性も十分にあります。自分のライフプランに合った勤務地を選ぶことが大切です。
なぜ高い?ヤマト運輸ドライバーの年収を支える給与体系と福利厚生

高い年収を支える給与体系は、どのような仕組みになっているのでしょうか。基本給だけでなく、各種手当や福利厚生も詳しく見ていきましょう。
ヤマト運輸ドライバーの給料の仕組み
ヤマト運輸ドライバーの毎月の給料は、主に「基本給」、「歩合給(インセンティブ)」、「諸手当」の3つで構成されています。安定した基本給に加えて、荷物の集荷・配達数や営業成績に応じた歩合給が上乗せされるため、自身の頑張りが直接収入に反映されるやりがいのある仕組みです。
特に注目すべきは、諸手当の手厚さです。残業手当や交通費はもちろんのこと、配偶者や子どもがいる場合に支給される「扶養手当」が非常に充実しています。これは、家族を支えるドライバーにとって、生活の安定に直結する大きなメリットです。
また、昇給は年に1回、人事考課によって決定されます。評価は、半期ごとに上長との面談を通じて自身で設定した目標の達成度に基づいて行われるため、納得感を持ってキャリアアップを目指せる環境が整っています。
引用元:ヤマト運輸 採用サイト FAQ
ヤマト運輸ドライバーの福利厚生
ヤマト運輸は、給与だけでなく、社員が安心して長く働き続けられるための福利厚生も業界トップクラスです。まず、ワークライフバランスの観点では、グループ全体での有給休暇取得率が90%以上と非常に高く、休みを取りやすい環境であることが伺えます。
さらに、ライフステージの変化に対応する制度も充実しています。産前・産後休暇や育児休業はもちろん、時短勤務制度なども整備されており、男女問わず子育てと仕事を両立させることが可能です。
資産形成の面でも、社員持株会や確定拠出年金制度、グループ保険制度といった、将来の安心に繋がるサポートが整っています。目先の給料だけでなく、こうした長期的な視点での手厚いサポートがあるからこそ、多くのドライバーがヤマト運輸を「働きがいのある会社」として選び続けているのです。
引用元:ヤマト運輸 採用サイト 福利厚生
【年収目安で比較】ヤマト運輸 vs 他大手2社のドライバーの給料
ヤマト運輸の年収が高いことは分かりましたが、他の大手運送会社と比較するとどうなのでしょうか。同じくセールスドライバーが主力となる大手2社と同じ条件で比較してみました。

年収目安で比較
大手3社で実際の求人から年収目安を比較すると以下のようになります。
- 極力以下に近くなる条件で比較しています。
下限:基本給+賞与で地方都市(福岡)・未経験・独身から算出(手当抜きの最低値)
上限:月収例+賞与で東京・勤続3年・配偶者+子1人から算出(手当込み)
賞与は実績がない場合、月収の4ヶ月分を反映
会社 | 月収 | 年収目安 |
ヤマト運輸 | 約20~44万円 | 約330~700万円 |
佐川急便 | 約22~47万円 | 約365~660万円 |
西濃運輸 | 約22~43万円 | 約330万円~680万円 |
※佐川急便の年収上限は年次不明、50時間分の残業手当含む
※西濃運輸の年収上限は東京勤務・年齢35歳・勤続3年・残業42h・扶養3人から算出
引用元:ヤマト運輸 中途採用 セールスドライバー
佐川急便 中途採用
西濃運輸 ドライバー求人情報
この比較からも、ヤマト運輸のドライバーの年収が、業界のトップクラスであることが明確にわかります。ただし、残業による給料の加算や働き方は職場によるので、注意しましょう。
もちろん、各社で給与体系や福利厚生、働き方が異なりますし、佐川急便はキャリアアップで年収1,000万円を狙え、西濃運輸は路線乗務員の平均年収が580万円など、一概に求人から読み取れる年収額だけで優劣はつけられません。
しかし、転職を考える上で「収入」を重要な要素とするならば、ヤマト運輸が非常に魅力的な選択肢であることは間違いないでしょう。
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セールスドライバー以外の求人が豊富な日本通運の年収が気にある方はこちらもご覧ください
関連記事:日本通運ドライバーの年収・給料は高い?【2025年版】実データや他社比較で徹底解説
年収の質で比較(働きやすさ・将来性)
東京のセールスドライバーの求人の記載内容をもとに、年収に対して残業や休日、キャリアパスについてまとめました。
会社(ドライバー職限定) | 残業時間 | 休日(有給休暇等を除く) | キャリアパス |
|---|---|---|---|
ヤマト運輸 | 月25時間程度 | 月9日~11日 | 【正社員入社→グループ長→営業所長】 早ければ、入社から2、3年で グループ長(8~10名をマネジメント)に昇進 |
佐川急便 | - 月45時間程度 | 月8日~10日 | ・将来的には現場のドライバーからマネジメント職などの管理職へキャリアアップも可能 ・グループ横断の公募制度にて他職種へのキャリアチェンジも挑戦できる |
西濃運輸 | 月42時間程度 | 日祝+月3~4日 | 一般班員 → グループのサブリーダー → グループのリーダー → チーフマネージャー(管理職) → チーフ安全インストラクター(管理職) → 課長 → 支店長 |
引用元:ヤマト運輸 中途採用 セールスドライバー
佐川急便 中途採用
西濃運輸 ドライバー求人情報
※全て東京のセールスドライバーの求人を参照しています
こうしてみると、ヤマト運輸は残業が少なめで、年間休日も多く、キャリアパスも具体的な年数で示しているので魅力的です。体力に自信があり、より働いてしっかり稼ぎたい場合には他2社もおすすめです。
どの会社にも言えることですが、地域ごとの実態の違いはあるはずなので、実態を面接でしっかりと確認しましょう。
ドライバーとして年収を上げるには

ヤマト運輸が高い待遇であることは事実ですが、ドライバーとしてさらに年収を上げるためには、いくつかの方法があります。ここでは3つのアプローチをご紹介します。
①今の会社で年収を増やす
まずは、現在の職場で収入を増やす方法です。転職せずとも、自身の努力で年収を上げることは可能です。
- 運転できるトラックの種類を増やす(免許取得):中型免許から大型免許へ、さらに牽引免許へとステップアップすることで、担当できる業務の幅が広がり、手当がつくなど給与アップに繋がります。
大型免許の取得方法はこちら
牽引免許の取得方法はこちら - 専門的な資格を取得する:荷物の積み下ろしに必須の「フォークリフト」や、特定の荷物を運ぶために必要な「高圧ガス移動監視者」などの資格は、自身の市場価値を高め、仕事の選択肢を広げます。
フォークリフトの資格取得方法はこちら
高圧ガス移動監視者の資格取得方法はこちら - 働き方を変える:より高い手当がつく「長距離輸送」を担当したり、「深夜帯」に働いたりすることで、収入を大きく増やすことができます。ただし、体力的な負担も増えるため、自身のライフスタイルと相談しながら検討しましょう。
長距離ドライバーの年収についてはこちら
②より待遇の良い会社に転職する
現在の職場で昇給が見込めない場合、より良い待遇の会社へ転職するのが最も効果的な年収アップの方法です。ヤマト運輸は確かに魅力的な選択肢ですが、必ずしも採用されるとは限りませんし、他にも優良な運送会社は数多く存在します。
大切なのは、自分が転職で何を最も重視するのか(給与、休日、勤務地、仕事内容など)を明確にし、多くの選択肢の中から比較検討することです。給与アップを最優先するなら、ヤマト運輸のような大手・元請けの運送会社や、危険物輸送用のタンクローリーなど、高い専門性が求められる分野に特化した会社を狙うのが定石です。
しかし、自分一人で数多ある求人の中から最適な一社を見つけ出すのは大変な作業です。そんな時に頼りになるのが、運送業界に特化した転職エージェントの存在です。
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③キャリアアップをする
ドライバーとして現場で走り続けるだけでなく、経験を活かして管理職を目指すというキャリアパスもあります。代表的なのが、ドライバーの配車管理や安全指導、労務管理などを担う「運行管理者」です。
現場を熟知している運行管理者は、会社にとって非常に貴重な存在であり、その需要は年々高まっています。ドライバー職に比べて体力的な負担が少なく、安定した収入を得られるため、年齢を重ねた後のキャリアとして非常に魅力的です。国家資格である「運行管理者」の資格取得が、このキャリアへの第一歩となります。ドライバーとしての経験は、管理職になった際に必ず活きてくるでしょう。
運行管理者の年収については、こちらの記事で詳しく解説しています。
関連記事:プレックスジョブ 運行管理者の年収/給料はどれくらい?一般的な月給や賞与、資格手当などについても解説
ヤマト運輸への転職を考える人からよくある質問

ヤマト運輸への転職を考える方がよく疑問に思うこととその答えを、ここでは紹介します。
未経験でも大丈夫?
はい、全く問題ありません。 ただし、未経験歓迎の求人をしっかり選びましょう。また、応募には「普通自動車免許(AT限定可/取得後1年以上)」など必須条件が求人ごとにあるため、その点だけは必ず確認しましょう。
実際に未経験歓迎の求人も多く、大手企業だからこそ研修も充実しているようなので、むしろ未経験でも安心しやすい環境と言えるでしょう。
ヤマト運輸の労働の実態が気になる方はこちらもご覧ください。
関連記事:ヤマト運輸ドライバーはきつい?やめとけって本当?他大手と比較して実態を徹底解説
年齢が高くても採用される?
はい、求人の応募資格次第ですが、年齢を理由に一律で不採用になることはありません。 実際に40代や50代で未経験から入社し、第一線で活躍している方も数多くいます。
ただし、応募の際には以下の点に注意が必要です。
- 定年:求人には応募条件として定年が65歳と明記されているものも多いため、そこから逆算して現実的に働ける期間を考える必要があります。
- 健康・体力:安全に業務を遂行できるか、健康状態や体力面は若い世代に比べて慎重に確認される傾向にあります。
年齢が高いからこそ、これまでの社会人経験で培ったコミュニケーション能力や丁寧な顧客対応スキルなど、仕事に活かせる強みを具体的にアピールすることが重要になります。 ただ運転ができるだけでなく、即戦力としての「経験」や「人間力」が合格の鍵を握ると言えるでしょう。
ヤマト運輸の正社員採用の難易度が気になる方はこちらもご覧ください。
関連記事:ヤマト運輸の正社員は難しい?「なれない」と言われる理由と中途採用の実態を解説
勤務地や配属先は選べますか?
はい、基本的に希望の勤務地で働くことが可能です。
ヤマト運輸の採用は、全国一括で行われるのではなく、各地域の「営業所」単位で求人が出されるのが一般的です。 そのため、あなたが働きたいエリアの求人に応募し、採用されれば、その営業所に配属される仕組みになっています。
この採用システムには、以下のような希望を叶えやすいメリットがあります。
- 「自宅から通いやすい場所で働きたい」
- 「慣れ親しんだ街で、地域に貢献したい」
- 「将来のライフプランに合わせて勤務地を選びたい」
ただし、希望エリアの営業所が常に募集しているとは限りません。 公式の採用サイトで希望勤務地の求人が出ていないか、こまめにチェックすることをお勧めします。
まとめ
この記事では、ヤマト運輸のドライバーの年収について詳しく解説してきました。
- ヤマト運輸ドライバーの平均年収は約520万円と、業界トップクラスの水準。
- 安定した基本給に加え、頑張りが反映される歩合給や、手厚い扶養手当が魅力。
- 年齢や役職に応じて着実に昇給するキャリアパスと、充実した福利厚生で長く働ける環境。
- ただし、ヤマト運輸が唯一の選択肢ではない。自分の希望条件に合った会社を見つけることが最も重要。
ヤマト運輸は、収入、安定性、将来性のいずれをとっても、ドライバーにとって非常に魅力的な企業であることは間違いありません。しかし、あなたにとっての「最高の職場」は、ヤマト運輸ではない可能性もあります。
大切なのは、一つの企業に固執するのではなく、幅広い選択肢の中から、あなたの希望を最も叶えてくれる一社を見つけ出すことです。 「自分にはどんな会社が合っているんだろう?」、「もっと多くの求人を比較してみたい」 そう感じたら、ぜひ一度、私たちプレックスジョブにご相談ください。運送・物流業界を専門とする私たちが、あなたの転職活動を成功に導くため、全力でサポートします。




















