大型トラックの運賃表はどうやって作る?運賃を決める要素と原価の考え方
  • 仕事お役立ち情報
  • 2025/06/24

大型トラックの運賃表はどうやって作る?運賃を決める要素と原価の考え方

運送事業者は「標準貨物自動車運送約款」に従って運賃表を作成して届け出なければいけません。2017年に大きな変更があり、それに従って運賃表も変更されています。また、2024年には「2024年問題」への対応から新たな「標準的な運賃」及び「標準貨物自動車運送約款」が定められました。 そこでここでは、大型トラックの運賃表作成の際に考えるべきポイントについて紹介していきたいと思います。

CTA画像

大型トラック運賃表

運送事業者は運賃表を作らなくてはならない

運送事業者は「標準貨物自動車運送約款」に従って運賃表を作成した上で届け出る必要があります。

この「標準貨物自動車運送約款」は国土交通省が定めている約款で、運送事業者はこの約款を守ることを原則として事業認可が与えられています。

そしてこの約款が2017年と2024年に大きな改訂があったことで、運賃表もかなり変更がされました。

標準貨物自動車運送約款の改正ポイント

2017年の改正のポイントは運賃に含まれていた作業料を別枠で記載しなければならなくなったことです。2024年にはそうした運送以外のサービス内容の明確化が行われました。

トラックのドライバーは荷物を運搬するのがメインの仕事ですが、実際には荷受け場で積み降ろしを手伝ったり、ラベル貼りをさせられるということも多くありました。

また、長い待機時間があっても、その時間については無視されることがありました。

こうしたメインの運搬以外の項目については別枠で記載して、別料金を発生させるということを明記したのです。

大型トラックの運賃を決める要素5つ

荷物の重さ

昔から運賃は「トンキロ」で決まるとされてきました。「トン」とは重量のことで、「キロ」は距離のことです。

その一つである「荷物の重さ」は運賃を決める重要な要素です。

基本的には重くなればなるほど運賃も高くなります。そのため、小型よりも中型、中型よりも大型トラックを使う方が運賃は高くなります。

距離

こちらも「トンキロ」の一つの条件です。運ぶ距離が遠くなればなるほど運賃は高くなります。

都道府県を跨いだり、直線距離が遠い、拠点から遠い山間部、離島などになるほど運賃は高くなります。

特に陸路だけでなく、空路や海路を使わなければ運べないような場所になると運賃は高くなることとなります。

時間

時間には二つの概念があります。

一つは「運搬にかかる時間」で、運ぶのに時間がかかるほど高くなります。距離が遠い、交通網が整備されていないといった条件で時間が多くかかると運賃が上がります。

もう一つは「時間帯」です。急ぎの運送であったり、深夜帯や早朝、時間指定などの条件によって運賃が上がることとなります。特に「急ぎ」という条件をつけると運賃はかなり上がります。

地域ごとの特徴・条件

運送会社によって得意なエリア、得意な販路を持っている場合があります。大都市同士を結ぶ拠点や営業所を持っている場合は距離の割に運賃が安くなることもあります。

これはそちらに一緒に運ぶ荷物が多いという理由や、運んだ帰りにも別に荷物を積んで帰ってこれるというメリットがあるからです。逆に拠点がない、販路がない場所へ荷物を運ぶ場合には運賃が高くなる場合があります。

どのエリアに強いか、どの方面への運送に強いかを調べておくと効率よく運送会社を利用することができます。

原価

トラックを走らせるにはさまざまな費用がかかってくることとなります。

そのトラックを走らせるのにどれだけのお金がかかるかということが運賃に影響します。詳細は次項で説明します。

大型トラックの運賃を決める原価5つ

車両費

まずトラックの車両費です。大型トラックなどは車両自体がかなり高額になります。

車両の購入費やリース代、重量税、自動車税などの税金などがかかってきます。運送会社はそういった車両費も運賃に含めていくことになるのです。

運行費

トラックを運行させるには燃料費(軽油代)、油脂費(エンジンオイルなど、整備に使う油脂類)のような走らせるための費用があります。

特に燃料費は長距離トラックなどではかなりの負担となってきます。特に近年は燃油費は上昇傾向にあります。燃料代が値上げされれば、それだけ運賃にも影響してくることとなります。

また、トラックは定期的に車検に出さなければなりませんし、整備費、修理費、部品の交換費用などもかかってくることになります。大型トラックの部品は部品も大きいために高額なものが多く、これも考慮しなければいけません。

人件費

トラックを運行するには、まずトラックを運転するドライバーの人件費がかかってきます。もちろん事業所の事務員や運行管理者、整備スタッフなどの人件費も考えなければいけません。

ドライバーを早朝や深夜帯に働かせる場合は別の手当なども発生してくることになります。

保険料

トラックは他人の荷物を預かって運搬することとなります。そのため何かトラブルがあって荷物が破損した場合は損害賠償を求められることとなります。

高額な商品を運んでいた場合は払いきれないほどの額になることもあります。そのため、運送会社は保険に入ることでそのリスクを下げることになります。

また、トラック自体にも自賠責保険の他、任意保険をかけておく必要があります。トラック自体が高額なため、車両の修理費などが関係してくることもありますし、事故を起こした場合には補償が関係してくることもあります。

その他

トラックは走行している以外にも、保管費用などがかかってきます。駐車費用や保有していることに関してかかる管理費なども考慮します。

標準タリフとは

トラック標準運賃案

2018年12月4日公布の貨物自動車運送事業法改正があった際に「国土交通大臣が標準的な運賃を定め、告示できる」という内容が定められました)。

そしてこの標準的な運賃の告示制度は、元々は期限付きでしたが当面の間延長することになっています。

これが出された背景としては運賃の価格競争が行われたことで、それだけ利益が薄くなり、そのしわ寄せがドライバーに来ることで労働環境が悪くなっているという実状があったことが関係しています。

トラック標準運賃案はこうして出されたものですが、2020年告示の標準運賃について、2024年時点での調査結果では、運賃交渉の実施は7割となっています。また、荷主から「希望額を収受できた・一部収受できた」のは7.5割となっています。

調査では表面化していないケースもあるので、まだまだ根深い問題ではありますが、着実に浸透しています。

大型トラック運賃表の例

では実際に発表されている運賃表を見ていくと、

距離

北海道

東北

関東

北陸

中部

近畿

中国

四国

九州

10km

20,190

19,930

23,060

20,690

21,550

22,070

21.030

20,470

20,470

30km

25,810

25,500

29,160

26,380

27,370

27,980

26,770

26,120

26,110

50km

31,430

31,060

35,250

32,060

33,200

33,900

32,510

31,760

31,750

80km

39,850

39,410

44,390

40,590

41,930

42,770

41,220

40,240

40,220

100km

45,470

44,970

50,480

46,270

47,750

48,680

46,860

45,880

45,860

130km

53,580

53,010

59,370

54,500

56,220

57,290

55,160

54,040

54,020

150km

58,980

58,360

65,300

59,900

61,870

63,030

60,700

59,480

59,460

200km

72,490

71,760

80,110

73,700

75,980

77,370

74,550

73,080

73,060

200km以上20kmごと

5,310

5,260

5,850

5,400

5,560

5,650

5,450

5,350

5,350

(単位:円)
となっています。

まとめ

2017年と2024年に「標準貨物自動車運送約款」が改正されたことで運賃表も大幅に改訂がされました。

作業料が別枠で記され運送以外のサービス業が明確になり、運賃の明確化がよりすすめられた形となっています。

こうしてドライバーに対しての目に見えない負担が軽減され、運賃をはっきりさせ、適正なものにすることが業界全体で進められているのです。

CTA画像

\役に立った記事はSNSでシェアしよう!/

この記事を書いた人

プレックスジョブマガジン編集部のプロフィール画像

プレックスジョブマガジン編集部

プレックスジョブマガジンは、累計100万人以上の方にご登録いただいている求人サイト「プレックスジョブ」が運営するメディアです。 7年以上にわたりドライバー・製造職・施工管理といったエッセンシャルワーカーの転職支援に携わっており、各業界で働く方・これから目指す方のために、役立つ情報を発信しています。 仕事や転職に関する記事を通じて、キャリア支援をしています。

プレックスジョブマガジンTOPへ

大型トラック・長距離の求人一覧

有限会社愛車の救援隊の画像
【賞与年2回/最大70万円】年収490万円を目指せる!レッカー・ユニック車ドライバー|北海道札幌市手稲区
想定給与
¥266,600〜¥350,000
勤務時間
午前8時〜午後7時 , 午後7時〜午前8時(- 勤務時間:日勤・夜勤による ※試用期間中は日勤を担当していただきます。 ①日勤の場合:08:00~19:00 ②夜勤の場合:19:00~08:00 - 休憩時間:180分 - 残業時間:平均月10時間 ※勤務時間中に教習所など免許取得を行える場合もあります。)
勤務地
北海道札幌市手稲区
詳しく見る
紀州高速運輸株式会社の画像
【月収26万円超!食品物流ならではの安定環境】海産物を配送する大型トラックドライバー|三重県北牟婁郡紀北町
想定給与
¥265,938
勤務時間
午前9時〜午後6時(- 勤務時間:09:00〜18:00 - 休憩時間:60分 - 残業時間:平均月25時間)
勤務地
三重県北牟婁郡紀北町
詳しく見る
紀州高速運輸株式会社の画像
【インセンティブあり!年収540万円台も叶える】鮮魚などの海産物を配送する25t冷凍車ドライバー|三重県北牟婁郡紀北町
想定給与
¥300,000〜¥450,000
勤務時間
(- 勤務時間:シフト制(以下例) ①13:00~21:00 ②14:00~2:00 ③15:00~16:00 - 休憩時間:60分 ※ルートによって休憩の取得時間は変動いたします。 - 残業時間:平均月25時間)
勤務地
三重県北牟婁郡紀北町
詳しく見る

あなたにおすすめの記事

職種から求人を探す

お仕事をお探しの方へ

会員登録すると、企業からのスカウトが届きます!また、専属のキャリアアドバイザーに無料で転職相談をすることも可能です!

お問い合わせはこちら

プレックスジョブについて不明点や気になる点がある場合はお気軽にお問い合わせください。

お知らせ

よくある質問

Q. 「プレックスジョブ」の掲載求人には、どのような種類のお仕事がありますか?

物流・建設業界を中心にドライバー(貨物・旅客)や運行管理者、施工管理技士や職人といった様々な職種の求人を掲載しております。中でもドライバーの求人は20,000件を超えており、大型トラックの運転手から軽貨物の配送、タクシー・バスの運転手など、様々な求人を掲載しています。

Q. 未経験でも応募可能ですか?

応募する職種の就業経験がない方でも、積極的に募集している求人も多数ございますので、未経験の方も応募は可能です。一方で、応募条件を経験者のみに限定している場合もございますので、条件をよく確認してから、応募しましょう。


必要資格を持っていない場合でも、入社後に、必要な免許を取得するチャレンジを応援している企業もあります。免許取得支援制度は、会社側が運転免許の取得に掛かる費用を全額もしくは一部を補助してくれる制度です。制度を利用する際には、規定もありますので、事前に確認しておきましょう。

Q. 費用はかかりますか?

登録から転職決定まで費用は一切発生いたしません。どんな求人があるのか知りたい、話だけ聞いてみたいといった方でも問題ございませんので、お気軽にご登録ください。