フルトレーラーの寸法/サイズ
フルトレーラーの構造

フルトレーラーとは荷重の多くがトレーラー自身に掛かる構造のトレーラーのことを指しています。
フルトレーラーにはドリーと言われる台車の付いたドリー式と、中央部分に車軸があるセンターアクスル式のトレーラーがあります。
また、セミトレーラーとはトラクター部分に荷台が無いものを指しており、フルトレーラーとはトラックを2台連結したようなものだと考えることができます。
フルトレーラーの寸法
2013年に改正されるまでは全長は「19m」というのが最大寸法でした。
それが2013年の改正で「21m」、2016年の改正で「25m」へと伸ばされています。また、幅は2.5m、高さは3.8m以内というのが現在の規定です。
実証実験を経て2019年の本格導入以後、物流の効率化を迫られている背景もあって、徐々に運行経路拡大などの動きが見られています。
しかし、運転に慣れたドライバーでも25mもの長さになるとかなりの技術が求められるため、誰でも運転できるというわけではありません。
フルトレーラーの寸法が大型化している
フルトレーラーの寸法が大型化する背景

運送業界ではネットショッピングの増加、ドライバーの高齢化などによってドライバー不足が起こり、そのことがドライバーの労働環境を悪化させるという問題が起こっていました。
そこで一度に運べる荷物の量を増やすことでそれらの問題を解決するという方法が考えられたのです。それがフルトレーラーの寸法の大型化につながっているといえます。
ダブル連結トラックによる共同輸送
国土交通省は2016年4月、「ダブル連結トラック」と呼ばれるフルトレーラーの連結を従来の21メートルから、25メートルに緩和する方針を決定しました。
これはドライバー不足の対策を目的としたもので、同じ重量を輸送する場合、必要ドライバー数が約5割減少することがメリットとなっています。
輸送先で連結を切り離せば、それぞれ別に動かすことができます。
ダブル連結トラックとフルトレーラーはどう違う?
現状、構造はほぼ同じでダブル連結トラックもフルトレーラーの1種です。25mに規制緩和されたことで前方と後方のトレーラーがどちらも10tトラックと同様のサイズになり、区別がほとんどなくなりました。
フルトレーラー大型化の課題
フルトレーラーは年々大型化していると言われていますが、それに伴って問題も発生してきています。
まず重量が大きくなるため、道路への負担も大きくなります。また、25mもの長さになると運転するにはかなりの技術が求められます。
大型トラックのドライバーの中でも限られた人間しか運転することができません。さらに、ここまでの長さになると、停めることができる駐車場はかなり限られることとなります。2024年には福山通運が国土交通省に提出した資料で駐車場場所の確保を要望しており、今後の展望に注目です。
フルトレーラーに乗るには
フルトレーラーを運転するのに必要な免許
まずはトレーラーの大きさに合わせた運転免許が必要となります。
ただ、トレーラーの場合は多くが大型免許となります。中型のトレーラーなどもありますが、仕事の幅を広げるためには大型免許を取得しておくのが良いでしょう。
また、牽引免許が必要となります。これは750kg以上を牽引する際に必要なもので、フルトレーラーのドライバーであれば間違いなく必要となります。
フルトレーラーの運転は何が難しいのか
完全に荷台部分と一体化しているのではなく、途中で連結している構造です。そのため、連結部分で車体が「く」の字になってしまうジャックナイフ現象や、左右に揺さぶられるスネーキング現象など危険性があります
また、バックの際には荷台部分が思うようにまっすぐ下がらないということもありますし、車体が大きいために死角が多くなるというデメリットもあります。
フルトレーラードライバーの将来性
フルトレーラーはとにかく運転が難しいということがあります。そのため大型トラックのドライバーでも誰もが運転をできるというわけではありません。
しかし、ECサイトの普及などで荷物量が増える中、車両の大型化によって運転技術のあるトレーラーのドライバーはますます需要が高まっていくことが予想されています。
そう考えると将来性は非常に高いと言えるでしょう。
まとめ

今回はフルトレーラーの寸法についてご紹介しました。
フルトレーラーは近年急激に大型化が進んでいます。その分だけ、高い運転技術を持つドライバーも必要とされており、その需要はますます高まっています。
もし興味がある人は、トレーラードライバーを目指してみるのも良いかもしれません。