大型免許と大型特殊免許の違い
大型免許で運転できる車両

大型免許では「車両総重量11,000kg以上、最大積載量6,500kg以上、乗車定員30人以上」という条件に当てはまる大型自動車を運転することができます。
10tトラックや大型ダンプなどがこれに当たります。また、これよりも小さい普通車や中型車両、原付などもすべて運転することができるようになります。
大型特殊免許で運転できる車両
大型特殊免許とは「大型の特殊車両」を運転するために必要になる免許です。
工事現場などで使用される「重機」と呼ばれるような車両はたいていがこれに該当します。
クレーン車、ブルドーザー、ショベルカー、ラフタークレーンなどです。ただしクレーンの操作をするときにはクレーン運転士などの資格が別に必要となります。
あくまでも車両を運転するための免許であると思っておきましょう。
また、道路清掃車や除雪車、農業用のコンバイン、トラクターなども特殊車両の分類に入ります。これら特殊車両の中で小型特殊車両に含まれないものが大型特殊車両ということになります。
大型特殊免許は普通免許なしでも取得できる
大型免許を取得するためには21歳以上、3年以上の運転経験があるといった条件が必要となりますが、大型特殊免許を取得するためには普通免許を取得しておくなどの条件はありません。
そのため大型特殊免許だけを持っていても、普通自動車などを運転するということはできません。
大型免許を取得する方法・費用・日数
大型免許取得の条件
大型免許を取得するための条件としては、
- 満21歳以上であること
- 普通免許以上の免許を取得してから3年以上経っていること
というものがあります。ただし、「一定の教習を修了することにより、19歳以上で、かつ、普通免許等を受けていた期間が1年以上あれば」取得可能です。
また、身体的な条件としては、
- 視力が両眼で0.8以上、片眼0.5以上(矯正視力でも可)
- 深視力検査で誤差が3回平均で2cm以下であること
というものがあり、これらを満たしていなければいけません。
大型免許取得の方法と費用・日数

一般的には教習所に通ってその後、試験を受けることになります。教習所は通う場合と合宿を利用する場合があります。
教習所に通わずに一発試験のみを受けるということも可能ですが、準備や手続きが大変なことと、運転技術がかなり高度なものが求められるために教習所に通う方が無難でしょう。
一発試験での合格率は非常に低いものとなっています。大型免許の取得費用や期間は条件によって変わってきます。
取得しようとしている時点ですでに所持している免許にもよるからです。
普通免許でAT限定の場合は40万円前後、MTであれば35万前後、準中型で30万前後、中型免許であれば20万前後となっています。
また、取得期間も変わってきますが一般的には2~4週間程度となっています。合宿を利用する場合はそれよりも期間が短くなることが多いです。
すでに普通免許以上を所持している場合は学科試験が免除となるために期間も大きく短縮されます。
大型免許を活かした仕事
大型免許を取得することで、大型トラック、ダンプ、タンクローリーなどの大型車両を運転することができるようになります。
また、トラックドライバーは「大きい車両」「長距離」ほど収入が高くなる傾向がありますが、それらの仕事にも就くことが可能となります。
大型特殊免許を取得する方法・費用・日数
大型特殊免許取得の条件
大型特殊免許は18歳以上であれば普通免許などの他の免許を取得している必要はありません。そのため免許が取得できる年齢になればいきなり取得することも可能です。
身体的な条件としては、
- 視力が両眼で0.7以上かつ片眼で0.3以上
- 片眼が見えない場合でももう一方の視野が左右150度以上あり、視力が0.7以上であること(深視力検査などはありません)
となっています。
大型特殊免許取得の方法と費用・日数
こちらも基本的には教習所に通うのが一般的で、一発試験ではほとんど合格できません。
普通免許を持っている人が一発試験に挑戦する場合はありますが、合格率はそこまで高くないため、避けた方が無難です。
費用と日数については、普通免許を持っている場合は学科免除となるため8~14万円ほどの費用となり、持っていない場合は20~27万円ほどとなります。
普通免許を持っていれば技能講習は6時間のみで最短4日で修了となります。
普通免許を持っていない場合は学科が22時間と技能講習12時間となります。二輪免許を持っていれば技能講習は10時間となります。
大型特殊免許を活かした仕事
大型特殊車両を運転することができるため、クレーン車、ブルドーザー、ショベルカーなどの重機と呼ばれるような車両の運転が可能となります。
ただし、あくまでも運転することが可能なだけで、実際にブルドーザーを操作するためには「車両系建設機械(整地・運搬・積込み用及び掘削用)」運転技能講習を受講する必要がありますし、クレーン車を操作するためにも別の資格が必要となります。
それらと合わせて取得することで、もっとも幅広く仕事をすることができるようになると言えます。
大型特殊免許とあわせて取得したい免許
フォークリフト運転技能講習
最大荷重1トン以上のリフトを運転するには「講習」「学科試験」「実技試験」を受けて合格しなければいけません。
実際に現場で運転するにはこちらの運転資格が必要になることが多いので、こちらの取得を目指した方が良いでしょう。講習をしっかりと受けていれば合格率は90%以上の講習となっています。
最大荷重が1トン未満のフォークリフトの場合は特別教育を受けるのみで可能ですが、できる仕事が制限されてしまう可能性があります。
小型移動式クレーン運転技能講習
クレーンオペレーターとして作業を行うためには労働安全衛生法に基づいた国家資格が必要となります。
資格としてはつり上げ荷重5t以上の移動式クレーンの運転業務が可能になる「移動式クレーン運転士」、運転者が床上で操作し、荷の移動とともに移動する方式のつり上げ荷重5t以上のクレーンの運転業務が可能となる「床上操作式クレーン免許」、床上運転式クレーンでつり上げ荷重5t以上のクレーンの運転業務が可能となる「クレーン・デリック運転士免許【床上運転式限定】」などがあります。
まずは吊り上げ荷重1トン以上5トン未満のクレーンを操作することができる「小型移動式クレーン運転技能講習」を受講するのが良いでしょう。
玉掛け技能講習

クレーンを使って実際に荷物を吊るして操作していくためには別の「玉掛け」の資格が必要となります。
これは学科や技能講習を受けることで取得が可能となっています。クレーンの資格とセットで取ることが多くなっています。
大型特殊には限定免許がある
大型特殊免許には限定免許が存在しています。
- 自衛隊車両限定大型免許=大型車両のうち、自衛隊車両のみ運転する
- 大型特殊自動車カタピラ限定免許=戦車を運転する
- 農耕車限定=農業系の学校などでトラクターの運転などを行う
というものですが、トラックドライバーなどの仕事をする上ではあまり気にする必要はありません。
まとめ
トラックドライバーとして仕事をしていくためには大型免許、大型特殊免許などを取得していくことが収入アップ、キャリアアップに繋がります。
取得するのに条件はありますが、ぜひ挑戦していきましょう。