4tトラックにオートマ車はあるか?
4tトラックのオートマ車

オートマ車とは自動変速装置がついている車のことを指しています。
そのためギアチェンジをする際にいちいちクラッチペダルを踏んで変速するという必要がないものを指すのですが、トラックではオートマ車は多くはないというのが現状です。
乗用車ではオートマ車が主流となっていますが、大型車両になることが多いトラックではミッション車の方が構造がシンプルなために安価になりやすく、修理費用なども安くすむことが多いのです。
そのため、4tトラックなどのトラックではオートマ車はないわけではありませんが、多くはないのが実状です。
トラックはミッションが主流
トラックはその購入代金、修理代金がミッション車の方が安くすむことが多いだけでなく、車両総重量が重いトラックにはパワーが求められるためにミッションの方が都合が良いということがありました。
そのためトラックではミッションが主流となっており、オートマ限定免許などでは仕事の選択肢が少なくなるというのが一般的です。
増加傾向にあるセミオートマ車
ドライバー業界、運送業界では深刻なドライバー不足が続いています。
それを解消する手段の一環として増加しているのがセミオートマ車のトラックです。
セミオートマ車とは、クラッチペダルによるギアチェンジが不要で、アクセルを強く踏むと低速に、弱めると高速ギアに自動で変わるという車両です。
こちらはオートマ限定免許でも運転ができるため、ドライバーの増加が見込めるとされています。
セミオートマの4tトラック
ここでは代表的な4tトラックのセミオートマ車を紹介していきます。
いすゞ
いすゞの4トントラックのセミオートマ車には「フォワード」があります。
こちらに搭載されたことで有名となったトランスミッションは「スムーサーFx」です。
最新技術による自動変速やアクセル制御でさらなる燃費向上を実現しています。また、クラッチ調整・交換が不要で維持費の削減と稼働率の向上も可能です。
日野
日野の4tトラックと言えば「レンジャー」です。
こちらには日野自動車の貨物自動車用に開発され、バス車両にも使用されているトランスミッション「Pro Shift(プロシフト)」があります。
こちらは運転者の変速操作を簡略化したセミオートマチックトランスミッションの一種であり、その技術の高さには定評があります。
三菱ふそう
三菱ふそうには「ファイター」があります。
こちらは「INOMAT(Intelligent & Innovative Mechanical Automatic Transmission イノマット)」が搭載されています。
コンピュータ制御で自動変速させるものとなっており、トラックだけでなくバスにも搭載車種があります。
もともとは初代エアロスターに搭載されたバス用機械式AT「MMAT」(エムマット)の後継でもあります。
UDトラックス
UDトラックスでは「コンドル」が代表的なトラックとなっています。
こちらではいすゞとの経営統合により、「スムーサーFx」が搭載されています。
セミオートマが増える理由
オートマ限定免許でも運転できる
大きなメリットとしては、トラック運転初心者やオートマ限定免許でも運転が可能なことが挙げられます。
トラックの運転が難しいとされているのは普通車よりも車両のサイズが大きいことに加えてミッション車が多かったことが原因とされています。
それがオートマ車やセミオートマ車となるとクラッチペダルによるギアチェンジがないために、ミッション車にそれほど慣れていない人でも運転がしやすくなるのです。
ドライバーの負担が軽減される
高速道路を安定した速度で走行する場合は感じないかもしれませんが、信号や歩行者が多い街中をトラックで走行する際には頻繁にギアチェンジを行わなくてはなりません。それだけドライバーには心身の負担になります。
セミオートマ車であれば、頻繁なギアチェンジが不要となるため、ドライバーの負担の軽減につながるとされています。
セミオートマのデメリット

車体価格・修理費用が高額
セミオートマ車はミッション車よりもオートマ車に構造が近い分だけ内部の機器は複雑になっています。
機器が複雑になった分だけ車体価格は高くなりますし、部品などの問題で故障があった際の修理コストが高くなるというデメリットがあります。
また、構造が複雑なだけに故障しやすいという特徴もあります。
燃費が悪い?
以前の車両はセミオートマ車はミッション車よりも燃費が悪いとされてきましたが、車両の性能向上によってかなり改善されています。
しかし腕の良い運転手の場合はその運転の仕方によって燃費を向上させるということがミッション車ではできていましたが、セミオートマ車ではそういった技術を使うことができないため、個人の技術や経験によって燃費を向上させるということはできなくなっています。
まとめ

まだまだトラックはミッション車の方が圧倒的に多いという現状はありますが、少しずつオートマ(AT)車、セミオートマ(AMT)車のトラックが増えてきています。
このことでドライバーの負担の軽減やドライバー不足解消が見込めるのです。