大型トラックのリミッターとは・解除はできる?ドライバーにとってはストレス?メリット?
  • 仕事お役立ち情報
  • 2025/05/12

大型トラックのリミッターとは・解除はできる?ドライバーにとってはストレス?メリット?

2003年(平成15年)より、大型トラックにはリミッター(速度抑制装置)の取付が義務付けられました。時速90キロを上限に走ることを義務付けられることは、ドライバーにとってストレスの原因となることもあるようです。 リミッターの取付対象車両から、そのメリットまでをまとめました。

大型トラックのリミッターとは

リミッター(速度抑制装置)とは

「リミッター」とは、文字通り「リミット(制限)」をかけるものです。自動車に関していえば、車両の速度がある一定の速度に達したら、エンジンへの燃料供給を抑制して加速を制限する装置です。

この「一定の速度」は車種によって若干のバラつきがありますが、大型トラックのリミッターは90km/h付近で作動するように設定されています。

リミッターが作動すると、どれだけアクセルペダルを踏み込んでも、回転数も速度も上がらなくなります。

リミッター取付車両には、「速度抑制装置取付車」と表示された指定のステッカーが貼られています。

リミッターの取付対象車種

国内で製造販売されている自動車にはスピードリミッターが装着されていますが、法律で取付が義務付けられているのは、車両総重量8t以上または最大積載量5t以上の大型貨物自動車、大型貨物自動車を牽引する自動車です。

普通車のリミッターは解除しても違法性はありませんが、大型トラックは道路運送車両法でリミッターの取付が義務化されているので、解除または不正改造などは違法行為になります。

リミッター導入に至った理由

平成10年頃の高速道路での死亡事故原因は、速度超過の大型トラックによる追突事故が多い状況でした。大型トラックの制限速度は、高速道路では80km/hでした。

その制限速度を守らずに走行した大型トラックの追突死亡事故が多発していたため、このような重大事故を防止する目的として、90km/hで作動するリミッターの取付が平成15年9月に義務付けられました。

また、リミッターの取付には、CO2排出量の削減、燃費向上といった目的もあります。

リミッター導入後の事故率

実際に大型トラックへのリミッター取付義務が導入されてから、高速道路の死亡事故件数は減少傾向にあります。

リミッター導入後に国土交通省が行った調査データによると、平成17年の大型トラックによる死亡事故件数は、平成9年~14年の平均死亡事故件数から40%減少しています。

大型トラックのリミッターに感じるストレス

速度が90キロまでしか出せない

大型トラックのリミッターは90km/h前後で作動しますが、車種によって僅かな違いが生じます。

92km/hでリミッターが作動するトラックで走っていると、90km/hちょうどでリミッターが作動しているトラックにじわじわと追いついてしまいます。

そこで追い越しをしたいところですが、ほとんど速度差のない車両を追い越すのには時間がかかります。

一気に加速することができない以上、じわじわと並んで追い越しを行わなければならず、そのもどかしさは大型ドライバーにとってストレスになってしまいます。

普通車にあおられる

普通車の高速道路での制限速度は100km/hのため、大型トラックとは10km/h(2024年以前は20km/h)の速度差があります。このため普通車にあおられることがしばしばあり、ドライバーのストレスになってしまいます。

大型同士の追い越しのため追い越し車線に入った場合ももちろんですが、合流でも大型の速度制限を知らない普通車にあおられることが多く、ストレスを感じる大型ドライバーも少なくありません。

大型トラックにリミッターがあることがもっと周知されれば、こうしたストレスは軽減されるでしょう。

均一速度での運転がつらい

リミッターが作動するとアクセルペダルを踏み込んでも加速しませんから、大型トラックで高速道路を走行する際には速度調整の必要もなく、ずっと同じ感覚でペダルを踏み続けることになります。

必然的に運転は普通車以上に単調になり、飽きがくるだけでなく眠気を誘うこともあります。

特に夜間走行がメインになると、景色を楽しむこともなく、淡々と同じ速度でトラックを走らせなければならず、多かれ少なかれストレスを感じることになります。

大型トラックのリミッターは解除できる?

リミッターは解除できるか

結論から言ってしまえば、リミッターを解除することは物理的には可能です。ちょっと調べれば道具を入手することもできるので、やろうと思えばできるのは事実です。

しかし、大型トラックへのリミッター取付は法律で義務付けられていますので、解除すれば道路運送車両法の違反となります。

また、リミッターを解除する部品を取り付けて走行すると、デジタコ上の記録に速度超過が残ってしまいます。物理的に解除しようと思えばできないことはありませんが、すべきではありません。

違反車は通報対象

リミッターが作動する速度に多少のバラつきはあるものの、大型トラックが90km/hを大きく上回る速度で走行していれば、リミッターを解除していることは周囲の運転手にもわかります。

国土交通省や全国トラック協会には、こうした違反車を通報する制度があります。

目撃した日時や場所、速度、ナンバーや荷台の形状まで細かく通報できるフォームがWEB上にありますので、そこから誰でも通報することができます。

リミッター解除は「不正改造」

法で定められたリミッターを解除するわけですから、当然それは不正改造です。もちろん車検は通りませんし、発覚すれば運転手だけでなく、会社も処罰の対象となります。

実際に検挙された会社もありますし、通報制度によって発覚しやすくなっています。

会社によっては、リミッター解除が発覚すれば解雇としているところもあります。リミッターはそれだけ重要なものだということですね。

スピード違反だけならドライバーの責任ですが、リミッター解除は会社も罰せられてしまう重大な違反なのです。

大型トラックのリミッターのメリット

事故率の低下

先述したように、大型トラックにリミッターの取付が義務付けられてから、高速道路での大型トラックによる死亡事故率は低下しました。

車両によっては総重量20t以上にもなるトラックが制限速度を守らないことがどれほどの危険を伴うか、想像できるのではないでしょうか。。

そもそも大型の速度制限が90km/h(2024年以前は80km/h)であるのも、その車重が引き起こす重大事故のリスクを減らすためのものです。

運転するドライバーだけでなく、周囲の車も重大事故から守るための装置がリミッターなのです。

労務管理

大型トラックへのリミッター取付が義務となっているということは、無理難題を押し付ける顧客に対して「リミッターがあるから無理です」と断る武器にもなります。

「制限速度がありますから」だけでは納得してもらえなくても、物理的に速度が出せないのであれば、どうやっても応じられないと理解してもらう材料になるのです。

リミッターがある以上、配車係も無理な運行を組むことはできません。それでも無理をさせようとする会社であれば、ドライバーを大切にしていない会社ということになります。

まとめ

リミッターにストレスを感じるのも確かですが、それはあなたを守るための装置です。

そもそも大型トラックの高速道路での速度制限は90km/h。プロとしてハンドルを握る以上、周囲の模範となるような運転を心がけたいですね。

年収を上げたい!
待遇の良い職場に転職したい方へ
プレックスジョブがおすすめ!

登録者数
100万人突破

大手企業から地元の優良企業まで、幅広い企業の求人を掲載中です!

高収入の
求人を検索できる

会員登録で
スカウトを受け取れる

高収入&好条件の
会社が見つかる

\新着求人も続々更新中!/

今すぐ高収入の求人を検索する(無料)

\待つだけでオファーが届く!/

企業からスカウトを受け取る(無料)

\役に立った記事はSNSでシェアしよう!/

この記事を書いた人

プレックスジョブマガジン編集部のプロフィール画像

プレックスジョブマガジン編集部

プレックスジョブマガジンは、累計100万人以上の方にご登録いただいているドライバー求人サイト「プレックスジョブ」が運営するメディアです。 7年以上にわたりドライバーの転職支援を行っており、ドライバーとして働く方・これから目指す方のために、役立つ情報を発信しています。 仕事や転職に関する記事を通じて、キャリア支援をしています。

プレックスジョブマガジンTOPへ

ドライバーの求人一覧

姫商 株式会社の画像
【積み込み簡単!】未経験OK・中型免許で始める東京圏の食品配送ドライバーのお仕事です。 各種手当充実しています!|埼玉県さいたま市見沼区
想定給与
¥300,000
勤務時間
午前3時30分〜午後2時30分 , 午前11時30分〜午後9時30分 , 午前11時〜午後6時(日勤のみ(シフト制) ーーー - 就業時間の希望を考慮します。)
勤務地
埼玉県さいたま市見沼区
詳しく見る
株式会社富士タクシーの画像
【残業ほぼなし!歩合制!】乗客を配送するタクシードライバー|愛媛県八幡浜市
想定給与
¥170,000〜¥280,000
勤務時間
午前6時30分〜午後10時30分(- 勤務時間:06:30〜22:30 - 休憩時間:60分 - 残業時間:平均月10時間 - 日勤・夜勤選択可能 ※日勤のみのご相談も可能です。)
勤務地
愛媛県八幡浜市
詳しく見る
有限会社出雲崎交通の画像
【年間休日210日!プライベート充実!】お客様を配送するタクシードライバー(アルバイト)|新潟県三島郡出雲崎町
想定給与
¥93,100〜¥162,820
勤務時間
午前8時〜午後8時(- 勤務時間:08:00〜20:00 - 休憩時間:120分)
勤務地
新潟県三島郡出雲崎町
詳しく見る

あなたにおすすめの記事