女性が施工管理で働く7つのメリット
女性が施工管理で働くメリットは、以下の7つがあります。
- 平均よりも高い年収を期待できるから
- 業界全体で女性の採用が増えているから
- 施工管理は未経験でも採用されやすいから
- アシスタントや事務で働くこともできるから
- 手に職がついて産休・育休後も復職しやすいから
- 女性専用のトイレや更衣室などが整備されるから
- ネイル等のおしゃれが一定範囲で認められるから
平均よりも高い年収を期待できるから
施工管理の平均年収は596.5万円~641.6万円で、日本の産業全体の平均より100万円以上高いです。
職業の分類 | 平均年収(2024年) |
---|---|
建築施工管理技術者 | 641.6万円 |
土木施工管理技術者 | 596.5万円 |
日本全体 | 478.0万円 |
参照:
建築施工管理技術者 | 厚生労働省
土木施工管理技術者 | 厚生労働省
令和6年分 民間給与実態統計調査 | 国税庁
建築施工管理技術者であれば、平均年収は産業全体の平均より150万円以上高くなっています。
とくに国家資格である1級施工管理技士を取得すると、上記よりも高い年収が十分可能になります。
実際、当社(プレックスジョブ)を使って転職した1級施工管理技士の年収目安は、以下のとおりです。
資格の種類 | 年収の目安 |
---|---|
1級建築施工管理技士 | 600万円~1,200万円 |
1級土木施工管理技士 | 600万円~800万円 |
1級管工事施工管理技士 | 600万円~800万円 |
1級電気工事施工管理技士 | 600万円~800万円 |
※当社(プレックスジョブ)経由で転職した方の年収の目安
表のとおり、1級施工管理技士を取得すれば、転職時の年収は600万円を超えるケースが多いです。
1級施工管理技士は決してカンタンな資格ではありません。ただし試験の対策をして実務経験を積めば、資格取得の可能性は高いです。誰でも実力次第で高年収を目指せるのは、大きなメリットでしょう。
業界全体で女性の採用が増えているから
建設業界では、国土交通省や民間企業が一体となって、女性比率や定着率の向上を推進しています。
実際に2014年から、日本建設業連合会が女性技能労働者活用方策で、建設業界に入職する人の増加と、入職した人の定着率を向上させることを目的として複数の取り組みを実施しています。
実施した取り組み | 内容 |
---|---|
入職者を増やす |
|
定着率を増やす |
|
これらの取り組みの結果、2013年から2024年の間で、技能者の女性は4万人まで増加しました。絶対数は少ないですが、以前までの割合を考えると十分な成果と言えます。「現場で女性は自分一人だけ」というケースも少なくなっており、ロールモデルになる先輩も見つけやすくなっています。
項目 | 2013年 | 2024年 |
---|---|---|
建設業就業者(女性) | 71万人 | 87万人 |
技術者(女性) | 1万人 | 4万人 |
技術者の割合(女性) | 1.4% | 4.6% |
※技術者:施工管理を行う者であり、直接的な作業は基本的には行わない
参照:働きやすく働きがいのある建設産業の実現に向けた全国会議について|国土交通省
また国土交通省が発表した採用実績(2024年度)を見ても、技術者での女性採用比率が従来の10%から20%に増えています。つまり業界全体として、施工管理に女性が採用されやすくなっているのです。
施工管理は未経験でも採用されやすいから
施工管理は、未経験でも採用されやすいのも大きなメリットです。
インフラ設備の更新やオフィスビルの建設など、建設工事の需要が増加している影響もあり、施工管理は慢性的な人手不足です。そのため現在、施工管理は未経験でも採用されやすい状態になっています。
また人手不足の環境下で女性の入職者を増やすために、残業時間が減少していたり、給与体系の見直しが行われたりするのです。なお先ほど紹介したとおり、施工管理の平均年収は600万円を超えています。
つまり施工管理は人手不足の一方で需要が増加しているため、労働環境が改善されているにも関わらず、給料は高い状態が続いている職種です。未経験からでも高年収を目指せる業界は少ないため、施工管理はキャリアチェンジしたい女性にとって、大きなチャンスのある仕事と言えるでしょう。
アシスタントや事務で働くこともできるから
「いきなり工事現場全体を担当するのはムリ」という女性には、アシスタントや事務の仕事があるのも、施工管理の大きなメリットです。
施工管理のアシスタントは、責任者から指示を受けて事務作業をしたり、完成した写真の撮影をしたりと比較的カンタンな作業を担当します。職人と連絡をしたり、撮影などの軽作業を担当したりするケースが多く、強い責任が必要のない環境で少しずつ施工管理について学べるのです。
またアシスタントとして一部の現場を管理したり、プロジェクトの流れや専門用語を学べたりするので、将来的には現場の責任者を目指す道にも進めます。そのため「施工管理として仕事したいけど、最初から責任者を担当するのはしんどそう」という女性には、アシスタントや事務の選択肢がおすすめです。
手に職がついて産休・育休後も復職しやすいから
国家資格である1級施工管理技士を取得すれば、産休や育休などで休んでも復職しやすくなります。
なぜなら施工管理に必須の資格である、1級施工管理技士は高い専門性と豊富な実務経験の証明であり、会社から即戦力の人材として必要とされるからです。また現職での復職にこだわらなくても、より待遇のよい会社に転職する選択肢もあります。なお施工管理は、保有資格や就業実績などの記録が建設キャリアアップシステム(CCUS)に登録されるので、休職後でも過去の履歴を疑われる心配はありません。
さらに先ほど紹介したとおり、施工管理を含めた建設業界は慢性的な人手不足なので、1級施工管理技士を保有している経験者であれば、復職でも転職でも成功できる可能性は高いでしょう。
このように手に職がつくので、産休や育休で休職期間があっても施工管理は仕事に復帰しやすいのです。
女性専用のトイレや更衣室などが整備されるから
一昔前の建設現場では、女性の割合が少なかったため、女性専用のトイレや更衣室はありませんでした。
しかし近年では、女性専用のトイレや更衣室の整備が増加してきました。実際に日本建設業連合会の調査(2024年)によると、2023年時点で女性用トイレのある現場は78.5%まで増えているのです。
さらに公益財団法人建設業福祉共済団には、女性用トイレや更衣室の設置を目的とした助成金もあり、2024年3月までに170件以上の助成金が適用されています。また東京都からも建設業界に対して、女性の採用と職域拡大を目的とした助成金が出ており、最大500万円の助成金が適用されます。
このように地方公共団体からも、女性が建設業界で働きやすくなる後押しがあります。また企業側にも、女性が働きやすいように配慮する現場が多くなっているのも大きなメリットと言えるでしょう。
ネイル等のおしゃれが一定範囲で認められるから
施工管理の現場は、安全確保や清潔感が最優先されるので、ネイルが不可の現場もあります。
しかし施工管理の仕事は力仕事を行わないケースが多く、事務作業が中心の人もいるため、仕事に支障がない範囲で、ネイルの使用が認められています。また出退勤時の服装も、一定の自由が認められており、オフィスワークの場合は他の仕事と同じ服装でも問題ありません。
あくまで安全や清潔感が優先であり、TPOの配慮は必要ですが、実際に『ネイル・ピアス・髪型自由』の求人もあるなど、現場で認められるおしゃれの幅も広がっています。
他の現場仕事では、ネイルなどが一切認められない仕事も多いです。そのため一定の範囲でもおしゃれが認められる施工管理は、女性にとって嬉しい仕事と言えるでしょう。
ここまで紹介した女性が施工管理として働くメリットは、以下のとおりです。
- 平均よりも高い年収を期待できるから
- 業界全体で女性の採用が増えているから
- 施工管理は未経験でも採用されやすいから
- アシスタントや事務で働くこともできるから
- 手に職がついて産休・育休後も復職しやすいから
- 女性専用のトイレや更衣室などが整備されるから
- ネイル等のおしゃれが一定範囲で認められるから
施工管理は女性でも働きやすい環境が整えられつつありますし、未経験からでも高い年収を目指せます。
さらに施工管理は、細かい点に気がついたりコミュニケーションが重要になったりするので、施工管理は女性が強い部分も大きいです。そこでつづいては、女性が施工管理に向いている理由を紹介します。
女性が施工管理に向いている3つの理由
女性が施工管理に向いている理由は、以下の3つです。
- 細かい点に気づく人が多いから
- コミュニケーションが得意な人が多いから
- 他業界より女性比率が少なく希少性が高くなるから
細かい点に気づく人が多いから
施工管理は細かなミスや違和感に気づくことが、後の重大なミスを防ぐことにつながります。
そして女性は、男性と違う視点から物事の細かい点に気づける人が多いです。そのため施工管理として、工事の品質や現場の安全性を高められるでしょう。
たとえば事故を未然に防ぐためのヒヤリハット活動では、男性が見落としがちなリスクを女性が見つけて改善するケースは少なくありません。それに対し、実効性の高い提案をすると評価も高くなるでしょう。
もちろん個人差はありますが、細やかな配慮や気づきができる点は、女性ならではの大きな特徴です。工事の品質や現場の安全性を高める点においても、女性が施工管理に向いている部分は大きいと言えます。
コミュニケーションが得意な人が多いから
施工管理の仕事は、現場職人や下請け業者、発注者など複数の関係者とコミュニケーションを取る能力が重要になります。実際の工事現場においては、それぞれの立場から各人がポジショントークをするため、相手の立場を正確に理解して、円滑に人間関係を築きながら業務を進める必要があるのです。
一般的に女性は共感力が高く、相手の話に耳を傾けるコミュニケーション能力が高い傾向にあり、立場の違う人々の意見を調整して、現場の団結力やチームワーク力を高める力が強いのです。また女性が現場に加わることで、職場全体の雰囲気が和らいだり、職人同士の関係が良くなるケースもあるでしょう。
施工管理の仕事はスキル面だけではなく、人間関係を構築して、現場をスムーズに進める力が重要です。だからこそ女性の高いコミュニケーション能力が、施工管理としての大きな強みになるのです。
他業界より女性比率が少なく希少性が高くなるから
建設業界は他業界と比べても女性比率が少ないため、希少な存在として、重宝されるケースがあります。
業界 | 女性比率(2024年) |
---|---|
建設業界 | 18.2% |
製造業界 | 30.3% |
産業全体 | 45.5% |
参照:労働力調査|総務省
建設業界には女性が少ないので、職人や下請け業者などの関係者から名前を覚えてもらいやすかったり、社内外から貴重な人材として可愛がられたりします。また女性の活躍を推進する企業であれば、社内のロールモデルにするため、良い現場を担当できたり、昇進しやすかったりするケースもあるでしょう。
結果として施工管理の評価が高まったり、キャリアアップにつながったりしますし、産休や育休の後でも復帰しやすくもなります。だからこそ女性の少ない、今が施工管理に挑戦するチャンスと言えるのです。
ここまで、施工管理が女性にとって魅力的な仕事である理由をお伝えしました。
ただし施工管理にはメリットだけではなく、他の仕事と同じように、しんどいと感じる仕事もあります。そしてキャリアで失敗しないためには、ネガティブな側面を把握しておくことが重要です。
そこでつづいては、施工管理で働く女性が「きつい」や「やめたい」と感じる理由を紹介します。
施工管理で働く女性がきつい・辞めたいと感じる5つの理由
施工管理で働く女性がきつい・やめたいと感じる理由は、以下の5つがあります。
- 肉体労働と長時間の労働で体力的にしんどい現場があるから
- 残業や休日出勤が多くてプライベートの時間を取れないから
- 女性専用の設備(トイレ・更衣室等)がない現場もあるから
- 家族や周りの友人に「辞めとけ」と言われることがあるから
- 男性中心の文化で「女性だから」と言われる現場があるから
肉体労働と長時間の労働で体力的にしんどい現場があるから
近年では、施工管理と作業者(職人)は明確に業務領域が分かれている現場が多いです。
しかし一部の現場では、今でも施工管理がサポートとして、資材運搬などを担当するケースがあります。また実際に力仕事をしなくても、見回りのために長時間立ちっぱなしで、広い工事現場を歩き回ります。さらに労働時間が長い現場もあるので、体力の負担が大きくなることが多いでしょう。
なお季節に関係なく工事があるので、夏の炎天下でも冬の寒さの中でも、施工管理は現場に立つのです。女性は気温の影響を受けやすかったり、女性特有の体調の変化もあったりするので、男性よりも体力的な負担を感じやすい傾向にもあります。
もちろんすべての現場が過酷なわけではありません。リモートワークに対応した現場も増えていますし、ドローンなどを活用して事務所内で仕事をする施工管理も増えています。ただし一部の現場はしんどく、「きつい」や「辞めたい」と感じることもあるので、会社選びは慎重に行いましょう。
残業や休日出勤が多くてプライベートの時間を取れないから
施工管理は現場によって、残業や休日出勤が多くてプライベートの時間が取れないこともあります。
なぜなら現場で天候不順やトラブルがあると、工期に間に合わせるために、スケジュールを変更して対応しなければならないからです。工事現場は、工期が絶対遵守なので遅れるわけにはいけません。そのため現場の責任者である施工管理は、残業時間や休日出勤をして、対応する必要が出てしまいます。
トラブルの多い工事現場を担当すると、休日が週に1回しか取れないケースも珍しくありません。家族や友人との時間も確保できず、十分に休める時間が取れない現場になると「辞めたい」と感じるでしょう。
女性専用の設備(トイレ・更衣室等)がない現場もあるから
女性専用の設備(トイレ・更衣室等)がない現場に当たると、「きつい」と感じる女性が多いです。
本記事で紹介したとおり、女性の働き方を改善する一環で、女性専用トイレなどの整備が進んでいます。ただし女性専用のトイレがある現場は、全体の78.5%であり、すべての現場にあるわけではありません。
法規制やコンプライアンスに敏感な大手ゼネコンが担当する現場では、女性専用のトイレが多い一方で、中小企業が担当する現場では、男女共有となっているケースも多いです。
そのためトイレの衛生面が気になったり、着替える場所が共有で不安になったりする方も多いでしょう。これらは毎日使う設備なので、少しずつしんどくなって「辞めたい」と感じる女性がいるのです。
家族や周りの友人に「辞めとけ」と言われることがあるから
施工管理の仕事に魅力を感じていたり、自分は意外と楽と感じていても、周りに「施工管理はやめとけ」と言われて、施工管理を辞めたいと考える人も少なくありません。これは施工管理を含めた建設業界が3K(きつい・汚い・危険)のイメージが強いことが原因です。
家族や友人は「体力的に厳しいのでは?」や「長期的に働くのは難しい?」とあなたのことを心配して、声をかけてくるケースが多いでしょう。このような周囲の心配や反対の声を聞いて、「施工管理は辞めたほうがよいのかな」と感じる人も多いです。
施工管理の労働環境は大幅に改善したものの、世間からの見え方がブラック労働から変わっていないのも事実です。周りの意見を過度に気にする女性は、施工管理がきついと感じてしまうかもしれません。
男性中心の文化で「女性だから」と言われる現場があるから
本記事で紹介したとおり、近年では、建設業界で女性の活躍を推進する方向性になっています。
ただし一部の現場は、男性中心の古い文化が根強いケースもあります。このような現場では、十分な知識(資格)や経験があっても、女性だからという理由で意見が通らないことがあります。
また女性が少ない職場の場合、教育側が指導のつもりでも、高圧的な表現に感じることもあるでしょう。
もちろん多くの職場は少しずつ、女性に対する労働環境を改善しています。ただし産休や育休でキャリアが中断されると、キャリアアップができずに年収が上がらないことも多いです。
つづいて実際に、建設業界における男女の差を見ていきましょう。
建設業界・施工管理は男性と女性で平均年収に約90万円の差がある
2024年の建設業界における男女の賃金は、以下のとおりです。
性別 | 平均年収 |
---|---|
男性 | 365.6万円 |
女性 | 275.7万円 |
あくまで建設業界全体の数字であり、パートタイム労働者を含めた数字ですが、男性と女性で平均年収に約90万円の差があります。実際の年収は、資格の有無や実務経験の年数によっても大きく変わりますが、男性と女性で平均年収に大きな差があることは間違いありません。
つづいては女性の年収が低くなる理由を見ていきましょう。
女性の年収が低くなる理由は産休・育休でキャリアが中断されやすいから
結論として、女性の年収が低くなる大きな理由は、産休や育休でキャリアが中断されやすいからです。
一時的でもキャリアが中断すると、勤続年数が短くなったり、昇進が遅くなったりするため、どうしても収入は低くなってしまいます。とくに日本の企業では、勤続年数や経験が昇給や昇進の重要な評価基準となっていますが、産休・育休の期間が勤続年数にカウントされない会社もあります。
結果として、同世代の男性と比べても年収が低くなりやすいのです。
ここまで女性の年収が低くなりやすい理由を紹介しました。ただし施工管理は適切なステップを踏めば、女性でもキャリアアップ・高年収を目指せる仕事です。つづいては施工管理で女性が年収を上げる方法を3ステップで解説します。
女性が施工管理で年収を上げるための3ステップ
女性が施工管理で年収を上げるステップは、以下のとおりです。
- 1級施工管理技士の資格を取得する
- 最低でも3年以上の実務経験を積む
- 平均年収が高く福利厚生の充実した企業に転職する
1級施工管理技士の資格を取得する
施工管理として年収を上げる最も効果的な方法は、1級施工管理技士の資格を取得することです。
1級施工管理技士を取得すれば、性別に関係なく、高い専門知識と豊富な実務経験を証明できて、自分の市場価値を大きく高められます。実際に多くの企業で、1級施工管理技士の有資格者は、資格手当として月1万円~3万円が支給されます。また転職でも、1級施工管理技士の保持者は足切りの心配が少ないです。
なぜなら1級施工管理技士は、大規模工事で必須となる『監理技術者』として認められるため、企業側もより多くの工事を進めるために必要としているからです。なお1級施工管理技士には、7種類があります。
資格の種類 | 担当工事の領域 |
---|---|
土木施工管理技士 | 河川、道路、海岸、ダム、港湾、鉄道、空港、上下水道、橋梁、トンネルなど |
建築施工管理技士 | 住宅、商業施設、学校、病院、オフィスビル、工場、倉庫など |
管工事施工管理技士 | 空調設備、給排水衛生設備、ガス配管、空調・換気ダクト、消防用配管など |
電気工事施工管理技士 | 発電所・変電所、発電・変電設備、送配電線、信号機・街路灯など |
電気通信工事施工管理技士 | 通信線路、アンテナ、放送装置、ネットワーク設備、半導体工場など |
建設機械施工管理技士 | 建設機械を用いた掘削・整地・締固め工事、しゅんせつ、道路舗装など |
造園施工管理技士 | 庭園、公園、緑地、植栽、地被、園路・広場、あずまや・ベンチ等の公園施設など |
上記のとおり、担当する工事ごとに必要な資格が異なります。あなたが担当する領域を確認したうえで、1級施工管理の取得を目指してください。
最低でも3年以上の実務経験を積む
1級施工管理技士を取得したあとは、監理技術者として3年以上の実務経験を積んでください。
なぜなら監理技術者を3年間経験をすると、施工管理のプロフェッショナルとして認められるからです。
監理技術者として3年間以上の経験があると、一人前の技術者として基本的な実務能力は間違いなく証明できますし、後輩の教育も担当することが多いでしょう。これらの経験は社内で昇進・昇格を目指すにも大きな武器になりますし、転職市場でも即戦力として引く手あまたの人材になれます。
ライフイベントでキャリアが中断されやすい女性にとって、できるだけ早く専門性の土台を固めるために実務経験を積んでおくことは重要なステップになります。そのため1級施工管理技士を取得したあとは、積極的に実務経験を積むようにしてください。
平均年収が高く福利厚生の充実した企業に転職する
1級施工管理技士を取得して、3年以上の実務経験を積めば、年収の高い企業への転職を検討しましょう。
建設業界は他の業界と同じように、同じ仕事内容でも、所属する企業によって年収が大きく変わります。
たとえばスーパーゼネコンの5社は平均年収が1,000万円を超えますが、中小の地場ゼネコンだと年収が1,000万円を超えるのは難しいでしょう。また大手企業になると、福利厚生も充実している傾向があり、産休や育休で休んでも早期にキャリア復帰できる会社が多いです。
そのためライフイベントによるキャリアの中断を考えても、1級施工管理技士の資格を取得して、一定の実務経験を積んだあとは平均年収の高い大手企業に転職するのが賢い選択と言えるでしょう。
とはいえどの企業が本当に女性が働きやすいのか、求人票だけでは見抜けないのも事実です。
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プレックスジョブは大手企業を含めた非公開の求人が多いので、女性が働きやすい現場が見つかります。
まとめ
女性が施工管理として働くメリットは大きいですし、仕事内容には向いている部分も多いです。近年では女性が働きやすいように労働環境が整備されており、想像より働きやすいと感じる人も多いでしょう。
本記事の重要なポイントを、以下にまとめました。
- 施工管理は平均よりも高い年収を期待できる
- 女性でも働きやすい環境が整備されつつある
- 女性が向いている部分も多い
- 女性がきついと感じる部分もある
- 福利厚生の充実した大手企業への転職がおすすめ
施工管理の仕事は女性にとってしんどい部分もありますが、それ以上にキャリア面でも年収面でも魅力の大きい仕事と言えます。需要が多くなっており、未経験からでもチャレンジできる仕事なので、まずはどのような求人があるのかを確認してください。
女性が施工管理で働く上でのよくある質問
最後に女性が施工管理として働くうえでのよくある質問に回答します。
女性は施工管理に向いていますか?
結論として、女性は施工管理の仕事に向いています。
なぜなら施工管理の仕事では、コミュニケーション能力や細かい気配りが重要になるからです。一般的に女性は共感力が高く、相手の話に耳を傾けることが得意な人が多いです。そのため関係者との信頼関係を築いたり、現場の団結力や一体感を高めることが得意な人が多いでしょう。また女性は、細かい部分にも気づけることが多く、安全性が重要な工事現場で大きな強みとなります。
そのため肉体労働では男性より厳しい側面があるものの、施工管理の業務には非常に向いているのです。
女性は施工管理でどのような仕事をしますか?
施工管理の仕事は、男女で大きな違いはありません。
主に四大管理と言われる『工程管理・品質管理・安全管理・原価管理』を担当することになります。4つの業務を遂行するため、現場の進捗状況を写真で記録したり、報告書を作成したり、関係者と打ち合わせをしたり業務内容を調整したりするのが主な仕事です。
一方で資材の運搬などの肉体労働は、作業員の仕事であり、基本的に施工管理は担当しません。また現場を巡回して状況を確認することはありますが、役割は現場の監督や指揮となっています。
施工管理で女性の割合はどのくらいいますか?
総務省によると、施工管理として働く女性の割合は約10%です。
項目 | 2024年度 |
---|---|
施工管理(全体) | 39万人 |
施工管理(女性) | 4万人 |
女性の割合 | 10% |
参照:労働力調査|総務省
いまだに女性の割合は少ないものの、着実に女性の割合は増えています。
実際、2013年は女性の施工管理は約1万人でしたが、2024年には約4万人に増加しています。建設業界は若い世代を中心に女性の進出も進んでいるので、今後も女性の割合が進むでしょう。
女性で完全未経験でも施工管理はできますか?
女性で完全未経験でも施工管理としてキャリアをスタートさせることは十分可能です。
なぜなら施工管理は建設需要が高まる一方で、入職者が少なく人手不足なので、未経験でも積極的に採用する傾向にあるからです。またいきなり施工管理の仕事が不安な女性には、事務職やアシスタントとしてキャリアをスタートして、実務経験を積みながら施工管理にステップアップする選択肢もあります。
このように施工管理は、完全未経験の女性でもキャリアチェンジできる可能性が十分あるのです。
体力に自信のない女性でも施工管理はできますか?
施工管理は、体力に自信のない女性でも担当することができます。
ただし一部の現場では、作業員のサポートで資材運搬や、1日中現場で立ちっぱなしのこともあります。そのため体力に自信のない女性は、現場で肉体労働のない現場を選ぶことが大切になるでしょう。
たとえばICT化の発展により、ドローンを活用してオフィスにいながら巡回をできる現場もありますし、完全に分業されているので肉体労働をする心配がない現場もあります。
体力に自信がない女性は、慎重に会社選びをして、肉体労働のない会社に転職するのが大切なのです。
施工管理でもネイルなどのおしゃれはできますか?
施工管理は、一定の範囲でネイルなどのおしゃれが認められています。
なぜなら施工管理の仕事は肉体労働ではなく、事務所でのデスクワークが中心になるからです。資材を運搬したり、精密機械を扱ったりするわけではないので、強い制約があるわけではないのです。
ただし施工管理は現場の責任者であり、安全性や清潔感が重要になるのは変わりありません。TPOとして認められる範囲で、ネイルなどのおしゃれを楽しむようにしましょう。
施工管理は産休や育休の後に復職しやすいですか?
施工管理は産休や育休で休んでも復職しやすい仕事です。
とくに1級施工管理技士の資格を取得したうえで、数年の実務経験がある方は、数年間の休職期間があっても即戦力として復職を求められるケースがあります。また転職市場においても、即戦力として他の会社から引く手あまたの状況になるので、仕事に復帰しやすいと言えるでしょう。