施工管理に向いている人の特徴7選【チェックリスト付き】
施工管理について、以下の不安を抱えている方も多いでしょう。
「未経験でもキャリアチェンジできる?」
「仕事がうまくいかないけど自分は向いていない?」
実は、施工管理に興味がある人の多くが、同じ悩みを抱えています。
悩みを100%解消することは難しいですが、少しでも不安を解消するために、施工管理への向き不向きに関する、チェックリストを作成しました。
✓コミュニケーションを取るのが好きなほうだ
✓計画を立てて物事を進めるのが好きなほうだ
✓周りを巻き込んで物事を進めるほうだ
✓臨機応変な対応ができるほうだ
✓同時に複数のタスクを処理できるほうだ
✓体力に自信があるほうだ、又は運動部出身だ
✓建設やインフラ系の仕事に興味があるほうだ
5個~7個:施工管理に向いている可能性が高い!
3個~4個:施工管理の資質や適性は十分にある
0個~2個:施工管理に向いていないかもしれません
あなたはいくつ当てはまりましたか?
他の職業でも同様ですが、施工管理はとくに向き不向きがはっきりする職種であり、向いていない人にはきつい仕事と言えます。だからこそ自分の適性にマッチしているかを考えることが重要になります。
ここからは、施工管理が向いている人の特徴を詳しくみていきましょう。
多種多様な背景を持つ人とコミュニケーションが取れる人
さまざまな背景を持つ人とコミュニケーションを取るのが好きな人は、施工管理の仕事に向いています。
なぜなら施工管理の仕事は、現場で職人や下請け業者、発注者、設計者、行政の担当者、近隣住民など、多種多様なバックグラウンドをもつ人とコミュニケーションを取り、多くの関係者と協力しながら、工事を進める必要があるからです。
たとえば建設資材の納品遅れのトラブルが起こると、担当者に対してコミュニケーションを取りながら、すぐに代替案を提示して、納得させる必要があります。日頃から仲良くできていれば、代替案に対して、スムーズに進む可能性も高いですが、コミュニケーション不足だと説得に時間がかかるかもしれません。
また人と話すのが苦手で、報告・連絡・相談が不足した場合、関係者の間で認識のズレが起こりやすく、ミスや工程の遅延などのトラブルが起こりやすくなるでしょう。
計画を立ててスケジュールどおりに物事を進められる人
計画を立ててスケジュールどおりに物事を進められる計画力の高い人も、施工管理に向いています。
というのも施工管理の最も重要な仕事の一つが、工事全体の工程管理だからです。施工管理は、工期内に工事を完了することを求められており、メンバー全体のタスク管理・進捗管理をしなければなりません。
基本的に工事のプロジェクトは、納期の遵守が絶対条件です。工程が遅延すると、その分、職人や下請け業者に対する支払いコストが増えますし、ムリに間に合わせるために品質が低下する可能性もあります。
また後工程に影響が出るのも問題です。たとえば大型商業施設の建設プロジェクトだと、すでに入居するテナントが決まっていたり、オープン日が決まっていることも多いです。もしも工事が遅れてしまうと、これらの関係者にも影響が出て、違約金を支払う事態にもなりかねません。
そのため施工管理は、日頃から時間管理をしっかりできて、段取りよく物事を進める人に向いています。一方でスケジュール管理が苦手な人や、締め切りを守れない人は向いていない可能性が高いでしょう。
周りを巻き込んで推進できるリーダーシップがある人
周りを巻き込んでプロジェクトを進められるリーダーシップのある人も、施工管理に向いています。
なぜなら施工管理は、プロジェクトのリーダーや司令塔的な役割であり、職人や下請け業者をまとめて、工事を完了させることが仕事だからです。現場次第では、100人以上の関係者をまとめてプロジェクトを進めることもあり、そのためには強いリーダーシップが必要となります。
たとえば学生時代に部活動でキャプテンをしていたり、仕事で育成やリーダーの経験があったりすると、その経験が施工管理に活かせるでしょう。とくに年上に対しても指示したり、依頼したりした経験のある人は、施工管理の現場でもスムーズに仕事を進められるはずです。
一方で人をまとめるのが苦手だと、指示が伝わりづらかったり、全体の方向をまとめられなかったりと、工事の進捗に悪影響が出てしまいます。そのため施工管理の仕事がつらく感じるかもしれません。
突発的なトラブルに対しても臨機応変に対応できる人
予想外のトラブルに対しても、冷静な対処ができる柔軟性を持った人は、施工管理に向いています。
その理由は、施工管理の現場は、日々トラブルが起こるからです。トラブルの対処を適切にできないと、関係者からの信頼を失ったり、工期が遅れたりすることにつながります。
実際、悪天候による作業中断や資材の発注ミス、納品遅れ、機械設備の故障などもあります。また職人や下請け業者の作業員が体調不良になり、作業を進められないケースもあります。
上記のような想定外のトラブルがあっても、施工管理の担当者は落ち着いて計画を修正したり、代替案を考えたりしながら、工期を遵守するために対応することが求められます。また焦って判断を間違えると、スケジュールの遅延や損失の拡大にもつながるため、状況にあわせた対応が必要です。
そのため臨機応変な対応ができる人は、施工管理に向いています。一方で急なトラブルが起こった際に焦ってしまう人は、施工管理の仕事を厳しく感じるかもしれません。
マルチタスク的な仕事に対して抵抗感がない人
複数の業務を同時にこなすマルチタスクの仕事が得意な人も、施工管理に対する適性が高いです。
施工管理の仕事は多岐にわたるため、現場では複数業務を同時に処理することが求められます。たとえば図面確認や現場の見回り、職人や下請け業者との相談、書類の作成などの仕事を一日で終わらせます。
それぞれの作業を一つずつ処理すると、間に合わなくなることもあります。そのため優先度を考えつつ、複数の業務を同時に処理しないと、うまく現場を回せなくなってしまいます。
だからこそマルチタスク的な仕事の進め方が得意な人は、施工管理への適性が高いです。一方でシングルタスク的な仕事の進め方しかできない人は、施工管理の仕事をうまく回せない可能性もあるでしょう。
屋外での体力仕事にも抵抗がない人
屋外で長時間働く体力仕事への抵抗がないタフな人も、施工管理で活躍しやすいでしょう。
なぜなら施工管理の仕事は、真夏でも真冬でも現場の見回りなど、体力勝負になりやすいからです。また一部の現場では、現場のサポートとして、資材を運搬したり測量の補助をしたりするケースもあります。
もちろんすべての現場で肉体労働になるわけではありません。むしろ多くの現場では、施工管理と職人の仕事は分業化が進んでいるので、体力仕事の部分は少ないです。
ただし一部では体力が必要な現場もあるので、体力に自信がないと、つらく感じることもあるでしょう。
また工期直前やトラブル直後は、施工管理の仕事が長時間労働になりやすく、仕事を進めるための体力が必要になります。もし体力が不足すると、体力的にしんどくなり、仕事の生産性も落ちてしまいます。
そのため施工管理は、体力的に自信のある人のほうが、より向いていると言えるのです。
建造物やインフラ設備の建設に携わりたい人
建物やインフラづくりに強い関心があり、「自分も建設に関わりたい!」という情熱や意思のある人は、施工管理の仕事がおすすめです。
なぜなら建物やインフラづくりに興味・関心がある人は、業務に前向きに取り組めますし、必要な知識やスキルも身につきやすい傾向にあるからです。施工管理としてキャリアアップするためには、国家資格の施工管理技士の取得が必須になりますが、建築への興味がないと、資格学習もしんどくなるでしょう。
施工管理として働く人は、関わった建造物が何十年も地図に残ったり、多くの人に利用されたりする点に魅力を感じている人が多いです。これに共感できる人は、施工管理で大きなやりがいを感じるはずです。
逆に建物やインフラづくりに興味を持てず、年収などの待遇面だけを基準に仕事を選ぶと、大変な場面でモチベーションが保てず、仕事を続けられないかもしれません。それよりも施工管理自体の仕事内容や、やりがいに魅力を感じる人ほど、長期的に活躍できるでしょう。
あらためて施工管理に向いている人の特徴は、以下のとおりです。
- コミュニケーションを取るのが好き
- 計画を立てて物事を進めるのが好き
- 周りを巻き込んで物事を進める
- 臨機応変な対応ができる
- 同時に複数のタスクを処理できる
- 体力に自信がある、又は運動部出身
- 建設やインフラ系の仕事に興味がある
3つ以上に当てはまる人は、施工管理に向いている可能性が高いですし、5つ以上当てはまっている人は施工管理への適性がかなり高めと言えるでしょう。
施工管理に適性が高ければ、将来的に高年収を目指せる未経験歓迎の求人が多くあります。
3つ以上当てはまっていた人は、一度、施工管理の求人内容や想定年収を確認してください。
一方で、施工管理に向いていない人がいるのも事実です。
そこでつづいては、施工管理に向いていない人の特徴を解説します。
施工管理に向いていないのはどんな人?克服法も解説
施工管理に向いていない人の特徴は、以下のとおりです。
- 黙々と作業するタイプの仕事がしたい人
- 細かなミスや違和感に気づくのが苦手な人
- プライベートを優先して絶対に定時で帰りたい人
上記に当てはまっても、施工管理ができないわけではありません。最初は苦労する可能性もありますが、適切な職場を選んだり、自分なりに努力したりすることで、向いていない部分も克服できます。
ここからは施工管理に向いていない人の特徴を詳しく紹介するとともに、克服する方法も解説します。
黙々と作業するタイプの仕事がしたい人
誰とも関わらずに、一人で黙々と作業するタイプの仕事をしたい人は、施工管理に向いていません。
なぜなら施工管理は、多くの関係者とコミュニケーションを取りながら、各々の利害関係を調整しつつ、工事を完了させる仕事だからです。そのため一人で黙々と作業する時間は少なく、コミュニケーションを取りながら、プロジェクトの中心メンバーとしての役割を求められます。
コミュニケーション不足になると、関係者の間で認識のズレが起こり、手戻りや遅延などが起こります。その結果、工期が遅れたり、品質が悪くなったりする可能性が高まるでしょう。
■克服するためのポイント
まず関係者の少ない小規模案件や屋内比率の高い改修案件を担当して、少しずつ担当するプロジェクトの規模を大きくするのがおすすめです。そのため未経験で転職するなら、中小規模の地場ゼネコンなどで、施工管理の仕事に慣れることを優先してください。
また施工管理にこだわりのないなら、建設業界の中でも『CADオペレーター』などの一人で黙々と作業するタイプの仕事もあります。選択肢に他の職種も含めるなど、転職の視野を広く持ってくださいね。
細かなミスや違和感に気づくのが苦手な人
細かなミスや違和感に気づくのが苦手な人も、施工管理の仕事が向いていない傾向にあります。
なぜなら施工管理は、一つのミスで工程が大幅に遅れたり、工事作業が進まなくなったりするからです。たとえばタイルの数ミリ単位のズレを放置した結果、後工程で大きなヒビや剥離が発生し、手直しが必要になることもあります。また現場の違和感を見落とすと、事故につながる可能性すらあるのです。
そのため細かなミスや現場の違和感に気づけない人は、施工管理の仕事が難しいと感じるでしょう。
■克服するためのポイント
細かなミスや現場の違和感に気づきにくい人は、ダブルチェックの体制がある企業で、施工管理の経験を積むのがおすすめです。ダブルチェックの体制があれば、抜け漏れを最小限にできるでしょう。
なお人手不足の企業は、一人で施工管理を担当することが多いため、未経験者にはおすすめできません。OJTなどのサポート体制が充実している企業を探して、施工管理の経験を積むようにしてください。
プライベートを優先して絶対に定時で帰りたい人
プライベートを最優先に考えて、絶対に定時で帰りたい人は、施工管理の仕事が難しいかもしれません。
というのも施工管理は、想定外のトラブルや天候不順の影響で、時間外の労働が発生しやすいからです。工期に遅れそうな場合は、残業時間を増やしたり、休日出勤したりして何とか工期に間に合わせます。
現場やタイミングによっては、どうしても残業せざるを得ない場面がでるでしょう。このような状況で、現場の責任者である施工管理の担当者が、定時に帰ることはできない可能性が高いです。
そのため定時帰宅にこだわる人は、長期的に施工管理の仕事を続けるのは難しいのです。
■克服するためのポイント
絶対に定時帰宅にこだわりたい人は、法令遵守意識の強い大手企業を目指すのが一番確実です。
なぜなら2024年4月から、建設業界でも残業時間の上限規制が適用された(2024年問題)影響で、法規制に対する意識の高い大手企業では、残業時間を制限しているからです。
参照:建設業・ドライバー・医師等の時間外労働の上限規制 | 厚生労働省
ただし大手企業は、求職者からの人気が高く、未経験での転職は現実的ではありません。そのため一度、一定時間の残業を許容して、中小企業で経験を積んだ後、大手企業への転職を目指すのが良いでしょう。
「最初から残業はゼロにしたい」という人には、派遣社員で働く選択肢もあります。派遣社員であれば、定時帰宅も現実的ですし、気に入らなければ、他の現場に移動することもできるでしょう。
ここまでで施工管理に向いている人と向いていない人の特徴を解説しました。つづいては施工管理の仕事内容を確認しながら、どのような現場があり、実際に活躍できそうかを見ていきましょう。
施工管理の仕事内容
施工管理は、工期のスケジュールどおりに、安全かつ高品質の状態で、工事を完了させるのが仕事です。
施工管理が求められる現場は多く、オフィスビルや戸建て住宅の建設から、ダムの建設やトンネルの貫通工事まで幅広いです。なお会社や業種、担当する管理工程ごとに、少しずつ仕事内容は変わります。
ここからは具体的に施工管理がどのような仕事をするのかを解説します。
四大管理(工程管理・品質管理・安全管理・原価管理)
仕事内容は多岐にわたりますが、主に以下の4つが施工管理の業務内容となります。
- 工程管理
- 品質管理
- 安全管理
- 原価管理
■工程管理
工程管理では、期間内にプロジェクトを完了するために、計画を立てて、進捗管理をしながら進めます。トラブルなどで工程に遅れが出る場合は、計画を修正して、工期までに完了するための対応が必要です。
大規模プロジェクトでは、予算が100億円を超えることも多く、納期遵守が徹底される傾向にあります。
■品質管理
品質管理では、プロジェクトの設計や仕様書が基準を満たしているかを確認し、安全かつ高品質な状態で完成させることを求められます。具体的には、作業ごとに撮影して、品質や進行の可否を確認します。
撮影が必要なのは着工前と完成後の写真だけではなく、フェンスやバリケードの設置状況、資材の寸法・形状・保管状況、出来形(施工完了部分)など、多岐にわたります。
■安全管理
安全管理は、工事現場の安全性を確保するための仕事です。工事現場では、高所作業が多く、建設機械を扱うため、危険性が高くなります。そのため現場の安全管理は、施工管理の大切な仕事です。
具体的には、機材の点検や工法の確認、作業員の健康状態の確認など、チェックポイントは幅広いです。
■原価管理
原価管理では、工事を予算内・工期内に完了させることを求められます。
原価管理を適切に行うことで、予算オーバーを防ぎ、会社に利益を生み出す状態を作ります。具体的には、重機や機材のレンタル料金を調整したり、職人や下請け業者の人数(人件費)を調整したりして、予算内に収めるのが仕事です。
中小規模の現場は、四大管理をすべて一人で担当することが多いです。一方で大規模プロジェクトでは、四大管理のうち、一つだけを担当するケースも多いです。
自分の適性やチャレンジしたい仕事が限定されている人は、大規模なプロジェクトを担当できる会社で、工程管理や品質管理の担当に限定された求人を探すようにしましょう。
業種の違い(建設・土木・電気・管・電気通信・建設機械・造園)
施工管理は、大きく7つの業種に分類できます。各業種で仕事内容が少しずつ変わるので、業種の特徴を確認して、自分が興味のある業種を見つけてください。
業種 | 担当工事の領域 |
---|---|
土木 | 河川、道路、海岸、ダム、港湾、鉄道、空港、上下水道、橋梁、トンネルなど |
建築 | 住宅、商業施設、学校、病院、オフィスビル、工場、倉庫など |
管 | 空調設備、給排水衛生設備、ガス配管、空調・換気ダクト、消防用配管など |
電気 | 発電所・変電所、発電・変電設備、送配電線、信号機・街路灯など |
電気通信 | 通信線路、アンテナ、放送装置、ネットワーク設備、半導体工場など |
建設機械 | 建設機械を用いた掘削・整地・締固め工事、しゅんせつ、道路舗装など |
造園 | 庭園、公園、緑地、植栽、地被、園路・広場、あずまや・ベンチ等の公園施設など |
表のとおり、業種によって担当する工事の領域が変わります。先にあなたが担当したい工事を決めると、転職活動をする際の基準も決めやすいですし、転職後も前向きに業務に取り組めるでしょう。
ここまで施工管理の仕事内容を見てきました。
さまざまな分野があるので、「この分野は少し興味あるかも」という人も多いのではないでしょうか。
このような人のために、施工管理として働く魅力(メリット)ときつさ(デメリット)を解説します。
施工管理として働く魅力とメリット
施工管理として働く魅力・メリットは、以下のとおりです。
- 未経験でも高年収の可能性がある
- 学歴は関係なく実力次第で稼げる
- 資格の取得で年収が上がりやすい
- 需要が安定しており将来性も高い
- AIやロボットにも代替されにくい
- 定年後でも仕事を続けられる
- 社会貢献性が高く達成感も大きい
施工管理は、未経験でも学歴関係なく実力次第で高年収を目指せるのが特徴です。公共と民間を問わず、安定した需要があり、将来性も高い職種となっています。大変なこともありますが、インフラ設備や大型商業施設の建設に携わる機会もあるので社会貢献性を感じやすく、やりがいを感じやすい仕事です。
関連記事:施工管理は意外と楽?むしろ楽すぎ?
施工管理として働くきつさとデメリット
施工管理のきつい部分やデメリットは、以下のとおりです。
- 労働時間が長い傾向にあるから
- 肉体労働の可能性があるから
- 担当する業務の幅が広いから
- 仕事の責任が重たいから
- 関係者との調整業務が多いから
施工管理は、社会のインフラを作る仕事であり、担当する業務も広いので、長時間労働になりがちです。実際、施工管理の年間労働時間は1,943時間で、産業全体の1,714時間と比べて、200時間以上長いです。
また大規模プロジェクトになると、関係者が増えるので、調整業務がきついと感じる人が多くなります。
未経験から施工管理に転職する方法は?
ここまでで「自分は施工管理に向いているかも」「施工管理に挑戦したい!」と考えている人は、以下の3点を意識すれば、未経験でも施工管理に転職できる可能性が高まります。
- できるだけ若い年齢で転職活動を始める
- 未経験歓迎の求人を探す
- 施工管理特化の転職エージェントを活用する
できるだけ若い年齢で転職活動を始める
施工管理は人手不足の職種なので、未経験の40代でも転職できる可能性はあります。
しかし20代や30代前半などの若い年齢であれば、完全未経験でも応募できる求人の幅が広がります。
たとえば20代や第二新卒であれば、完全未経験で大企業の施工管理に転職できる可能性もありますが、30代以降で未経験から転職できるのは、中小の地場ゼネコンが中心になるでしょう。
なぜなら企業は、30代や40代以降に、できるだけ早く戦力になってほしいと考えるからです。また年齢が高い人を採用すると、採用後に年上の部下という形になるので、教えづらいという理由もあります。
逆に若手の人材に対しては、将来への投資込みで長期的に育成できますし、教える側が年上になるので、教える側が遠慮することもありません。そのため若い年齢のほうが、よい条件で転職しやすいのです。
未経験歓迎の求人を探す
施工管理の求人を探すと、『未経験歓迎』や『研修・OJTあり』と記載のある求人も多いです。
上記の記載がある求人であれば、未経験からでも転職できる可能性が高いです。施工管理で未経験歓迎の求人が多い理由は、業界全体として慢性的な人手不足となっています。一方で施工管理が必要な工事への需要が多く、企業が育成に成功すれば、会社の利益に貢献してくれやすいです。
現在の転職市場では、未経験歓迎の求人が多いので、自宅の近くでも仕事が見つかるでしょう。
とはいえ未経験歓迎の求人でも、注意してほしいポイントがあります。注意してほしいポイントは、一部の企業は、研修体制が整っていなかったり、長時間労働や休日出勤が当たり前になっていることです。
求人票では働きやすそうな企業でも、実際に働いてみると、サービス残業がある可能性もあります。
そのため施工管理に強みをもつ転職エージェントで、プロの意見を聞くのが失敗が少ない方法です。
施工管理特化の転職エージェントを活用する
施工管理に特化する転職エージェントなら、未経験でも研修やOJTの充実している企業に転職できます。
なぜなら施工管理に特化している分、各企業の情報を豊富に持っており、企業の特徴や求めている人材を明確に理解しているからです。一方で特化型以外の転職エージェントでは、担当者が業界や企業に対する知識が不足していることも多く、内定を獲得しにくく、入社前後のギャップが大きくなりやすいです。
項目 | 特化型エージェント | 総合型エージェント |
---|---|---|
扱う業界 | 狭い | 広い |
専門性 | 高い | 普通 |
サポート | 手厚い | 普通 |
そのため施工管理に転職を目指すなら、特化型のエージェントを活用するのがベストな選択と言えます。
実際、当社(プレックスジョブ)でも、未経験から施工管理に転職した人も多いです。
未経験から施工管理に転職を考えている方は、利用者が100万人を超えている当社(プレックスジョブ)を活用して、転職を成功させてください。
施工管理のステップアップにおすすめの資格
施工管理として働くのに、必須の資格はありません。ただし年収をアップさせたり、昇進や昇格、転職でキャリアアップしたりするためには、資格の取得が必須となります。
そこでつづいては、施工管理のステップアップにおすすめの資格を3つご紹介します。
- 施工管理技士
- 建築士
- 技術士
施工管理技士
施工管理として、キャリアアップを目指すのであれば、施工管理技士の資格取得は必須になります。
なぜなら現場責任者である監理技術者や主任技術者になるには、施工管理技士の資格が必要だからです。
資格 | 役割 | 責任者になれる規模 |
---|---|---|
1級施工管理技士 | 監理技術者 | 制限なし |
2級施工管理技士 | 主任技術者 | 中小規模 |
無資格 | 作業者 | なれない |
参照:1級国家資格等による監理技術者の資格要件 | 一般財団法人 建設業技術者センター
1級施工管理技士なら監理技術者として、すべての工事の責任者を担当できますし、2級施工管理技士でも中小規模の工事であれば、現場の責任者を担当できます。
なお施工管理技士は、担当する業種ごとに必要となる資格が変わります。
業種 | 資格の種類 |
---|---|
土木 | 土木施工管理技士 |
建築 | 建築施工管理技士 |
管 | 管工事施工管理技士 |
電気 | 電気工事施工管理技士 |
電気通信 | 電気通信工事施工管理技士 |
建設機械 | 建設機械施工管理技士 |
造園 | 造園施工管理技士 |
自分が所属する業種に必要な資格を取得すれば、資格手当をもらえたり、昇進・昇格で年収が上がったりしますし、転職で一気に年収を100万円以上アップさせられる可能性もあります。
そのため施工管理としてステップアップを目指すなら、まずは施工管理技士の取得がおすすめです。
建築士
建築士は、建造物の設計をしたり、第三者的な視点で工事全体をチェックしたりするための資格です。
施工管理技士との違いは、以下のとおりです。
資格 | 役割 | 主な立場 |
---|---|---|
建築士 | 全体の管理 | 発注側(代理人) |
施工管理技士 | 現場の管理 | 受注側 |
基本的に、建築士は発注者側(代理人)であり、設計書の図面を作成したり、建造物のデザインや設備を決定したりするのが主な仕事内容です。また工事中には、現場で工事監督を担当することもあります。
建築士の資格を取得することで、ゼネコンだけではなく、総合デベロッパーやハウスメーカーの設計へのキャリアパスも広がります。将来的なキャリアを広げたい人は、建築士の取得も検討しましょう。
技術士
技術士は、五大国家資格(弁護士・弁理士・医師・公認会計士・技術士)の一つであり、技術分野で最も高レベルな資格と言われます。施工管理技士と建築士は、工事現場で実務を担当するための資格ですが、技術士は業界全体の技術指導や構造的な問題を考えるための資格です。
そのため建設コンサルタントとして建設会社の相談に乗ったり、大手企業の社員に転職して、工事全体の設計に携わったりすることが多いです。技術士資格を取得するには、1,000時間以上の学習時間が必要と言われています。そのため建設業界で、キャリアを突き詰めたい人向けの資格と言えるでしょう。
施工管理はどんな企業に転職する?
未経験から施工管理に転職できる企業は、主に以下の3つとなります。
- ゼネコン
- ハウスメーカー
- 工務店
- プラント
- メーカー
ゼネコン
ゼネコンは、大規模な建造物(オフィスビル・商業施設・工場など)や土木工事(トンネル・ダム・高速道路など)の工事を請け負い、下請け先のサブコンや地場の職人をまとめて工事を執り行います。
ゼネコンに向いている人は、規模の大きいプロジェクトに関わりたい人やコミュニケーション能力が高い人です。なおゼネコンは、労働時間が長くなりやすい業界なので、体力に自信のある人もおすすめです。
東京オリンピックや大阪万博など、国家イベントを担当したり、大型商業施設やランドマークの建造物を担当することもあったりするので、目に見える形でやりがいを感じやすい仕事と言えるでしょう。
ハウスメーカー
ハウスメーカーでは、戸建て住宅の新築やリフォームに関する工事の現場管理を担当します。
ゼネコンとは違い、顧客の顔がリアルにわかりますし、直接感謝の声を聞く機会も多いです。また案件の規模は小規模ですが、年間に10棟程度の施工管理を担当するため、多くの現場で経験を積みやすいです。
一点、注意が必要なのが、ゼネコンと比べて、一人で四大管理すべてを担当するケースが多いことです。
そのためマルチタスクで仕事を進められる人のほうが、ハウスメーカーに向いていると言えるでしょう。
工務店
特定の地域に密着して、主に戸建て住宅の新築やリフォームを請け負うのが工務店の特徴です。
ハウスメーカーと同じように、一人の施工管理が四大管理すべて担当することが多いですし、見積もりや設計補助まで幅広く担当することもあります。
ハウスメーカーと比べると、地域密着の色が強いため、地域社会に貢献したい人や幅広く業務をこなすスキルを身につけたい人に向いていると言えるでしょう。
プラント
プラント工事は、石油や化学製品などの生産に必要な設備の建設や補修工事で、現場管理を担当します。
プラント工事の基本的な仕事は、ゼネコンやハウスメーカーと同じ四大管理が中心です。ただしプラント工事は、工場で取り扱う機会が高額なので、原価管理の重要性が高くなります。また扱う設備は、特殊な機械も多く、高い専門知識が必要になることも多いです。
そのため専門的な知識を学ぶ意欲があり、生産関係の機械設備に興味がある人ほど、プラント工事の施工管理に向いていると言えるでしょう。
メーカー
自動車・鉄鋼・半導体などのメーカーで、自社工場の新設やメンテナンスの現場管理を担当します。
ゼネコンや工務店が工事を請け負う受注側であるのに対し、メーカーの施工管理は発注者として、工事計画を立案し、ゼネコンや専門業者を選定・管理・調整する立場になります。
そのため工場の安定稼働・運用までを見据えた長期的な視点が求めららるので、発注者としての当事者意識を持って仕事をしたい人に向いていると言えるでしょう。
また比較的、残業時間が少ない傾向にあるため、ワークライフバランスを改善したい人にもおすすめです。
まとめ
本記事で紹介したとおり、施工管理は向き不向きがはっきりしている仕事です。
向いていない人が施工管理の仕事をすると、肉体的にも精神的にもしんどいことが多いでしょう。一方で施工管理に向いている人にとっては、意外と楽と感じることも多いはずです。
あらためて、施工管理に向いているかどうかをチェックしてください。
- コミュニケーションを取るのが好きなほうだ
- 計画を立てて物事を進めるのが好きなほうだ
- 周りを巻き込んで物事を進めるほうだ
- 臨機応変な対応ができるほうだ
- 同時に複数のタスクを処理できるほうだ
- 体力に自信があるほうだ、又は運動部出身だ
- 建設やインフラ系の仕事に興味があるほうだ
5個~7個:施工管理に向いている可能性が高い!
3個~4個:施工管理の資質や適性は十分にある
0個~2個:施工管理に向いていないかもしれません
あなたが3つ以上に当てはまっているなら、施工管理に向いている可能性が十分ありです。また5つ以上に当てはまっている人は、施工管理の仕事を楽に感じることも多いでしょう。
施工管理は大変なこともありますが、学歴不問で誰でも実力次第で高年収を目指せる仕事です。
未経験からのスタートでも、資格を取得して経験を積めば、年収800万円以上の可能性も十分あります。
施工管理は需要が多く、未経験でも高待遇の求人があります。ぜひ一度、求人を確認してみてください。
施工管理が向いている人に関するよくある質問
最後に施工管理が向いている人に関するよくある質問に回答します。
施工管理は中卒・高卒でもなれますか?
施工管理は学歴不問で採用している会社が多く、中卒・高卒でも転職のチャンスはあります。
実際、当社(プレックスジョブ)にも中卒や高卒で応募できる企業はありますし、未経験でも年齢次第で転職できる可能性は十分あります。また施工管理技士の資格を取得し、数年間の実務経験を担当すれば、転職して大手企業へのステップアップも現実的になるのです。
とくに1級施工管理技士の資格を取得すれば、中卒でも即戦力として採用される企業は増えるでしょう。
施工管理は女性でも働きやすいですか?
施工管理は、少しずつ女性が働きやすい環境が整ってきています。
一昔前の建設業界には、女性専用のトイレや更衣室がなく、女性にとって働きづらい環境でした。
しかし国土交通省などが建設業界で女性が働きやすい環境を作る取り組みを推進した結果、少しずつ女性でも働きやすい労働環境が整っています。
ただし一部の会社では、男性中心の文化が根強く残っていることもあります。このような会社は、女性がつらいことも多いので、転職の際には、慎重に企業を選ぶことが重要です。
施工管理は未経験・文系でもなれますか?
施工管理は、文系出身者でも転職は可能です。
もちろん大学で建築科や土木科を専攻していたり、高校や高専で専門的な勉強をしたりすると有利です。ただし施工管理の仕事に最低限必要な知識は、入社後研修やOJT期間で十分学べます。
実際に転職の求人をみても、文系・理系がないケースのほうが多いです。
施工管理は何歳まで未経験でなれますか?
未経験で転職できる年齢は企業によって変わりますが、50代でも転職できる可能性はあります。
実際、当社(プレックスジョブ)には、未資格・未経験で50歳まで応募できる求人もあります。
とはいえ多くの企業では、未資格未経験の足切りラインを30歳や35歳までにしていることが多いです。
そのため基本的には、未経験で施工管理にチャレンジできるのは30歳まで。会社次第で、40代以降でも応募できるチャンスがあると考えてください。
施工管理は若手から年収を上げられますか?
施工管理は若手でも、資格や実務経験次第で、年収600万円以上を目指せる仕事です。
とくに1級施工管理技士の資格を取得して、5年以上の実務経験を積んでいる人は、転職で600万円以上の求人になることもありますし、社内で昇進・昇格するチャンスもあります。
学歴に関係なく、実力次第で高年収を目指せる職種なので、実力に自信がある人にはおすすめです。